米Appleは9日(現地時間)、サンフランシスコで開催された新製品発表会において、12.9インチRetinaディスプレイを搭載したiPad Proを発表した。これはiOSデバイスでは過去最大サイズ。アクセサリとして、ペン型の入力デバイスApple Pencilと、カバーを兼ねたSmart Keyboardも発売される。

12.9インチRetinaディスプレイ搭載のiPad Pro

iPad Pro/iPad Air/iPad miniのサイズ比較

iPad Proのサイズは305.7mm×220.6mm。厚さは6.9mmと、初代のiPad Air(7.5mm)よりも薄い。重量はWi-Fiモデルが713g、Wi-Fi+Cellularモデルが723gとなっている。解像度は2,732×2,048ピクセルで、iPad Airより78%大きい。ディスプレイの短辺がiPad Airの長辺とほぼ同じとなっている。バッテリー時間のスペック値はインターネット利用やビデオ・オーディオ再生で最大10時間と、その他のiPadシリーズと同様だ。

ノートPCに匹敵するパフォーマンスの第三世代A9Xチップを搭載し、A7と比較してCPUは2.5倍、グラフィックは5倍高速になっているという。iMovieでは同時に3本の4Kビデオストリームを再生し、Auto CAD 360による3Dモデリングも可能。4つのスピーカーを内蔵し、デバイスの向きを検知してバランス良いサウンド再生を行う。

併せて専用の入力デバイス、Apple PencilとSmart Keyboardが発表された。Apple Pencilはドローイングをナチュラルな操作で行える細身のペン型デバイスで、iPad Proのディスプレイ上で位置・圧力・傾きを検知する。Apple Pencilを使用しながら指によるタッチも検知し分けることが可能。また、Apple Pencil使用時はマルチタッチサブシステムが通常の2倍の速さでシグナルをスキャンし、滑らかで正確な描画を実現したという。

手書き入力に対応した新しいメモアプリや、メールの添付ファイルへの書き込みができるほか、発表会ではiOS 9の新機能であるマルチタスキング(画面分割)を活用しながら、Microsoft Office 365 for iPad、Adobeの新しいクリエイティブツール CompやPhotoshop Fixといったアプリによるデモが行われた。

筆圧や傾きも検知にも対応するペン型デバイスApple Pencil

スマートカバーにキーボードが搭載されたSmart Keyboard

Smart Keyboardは、従来のスマートカバーと同様にiPadを保護したりスタンドとして機能しながら、フルサイズの物理キーボードを搭載。キーボードをセットした際にiPad Proの側面にあるSmart Connect Portに接触することで接続し、外部電源やバッテリーを必要としない。キーに隙間が無いために水や汚れに強く、折り曲げに強い耐久性のある素材が使用されているという。

ブラシの太さやボカシもApple Pencilで表現可能

広いディスプレイでマルチタスキングを活用

この他、802.11ac Wi-FiテクノロジーとMIMO搭載により、最大866Mbpsのダウンロードに対応。Wi-Fi+Cellularモデルでは20のLTE周波数帯に対応し、4G LTE経由で最大150Mbpsの接続が可能となっている。

カラーのラインナップは、シルバー/ゴールド/スペースグレイの3色。ストレージはWi-Fiモデルが32GB/128GBの2種類、Wi-Fi+Cellularモデルは128GBのみ。価格は順に、799ドル/949ドル、1079ドルとなっている。発売は11月の予定。

また、Apple Pencilは99ドル、Smart Keyboardはチャコールグレーの1色展開で169ドル。iPad Pro用スマートカバーはチャコールグレーとホワイトの2色で59ドル。シリコンケースも同じく2色が用意され、79ドル。こちらも同じく11月に発売される予定だ。

Apple JapanのサイトではすでにiPad Proのページが公開されているが、記事執筆時点で価格の表記は無い。