キヤノンは7日、デジタル一眼レフカメラ「EOS Kiss X5」を発表。3月3日に発売する。価格はオープン。推定市場価格は、ボディ単体が9万円前後、「EF-S18-55mm F3.5-5.6 IS II」とのレンズキットが10万円前後、さらに「EF-S55-250mm F4-5.6 IS」を加えたダブルズームキットが13万円前後。
新製品は、同社デジタル一眼レフにおけるエントリーモデル「EOS Kiss X4」の後継機種にあたる。上位機種「EOS 60D」同等のAPS-Cサイズ1800万画素CMOSセンサーと映像エンジンDIGIC4、常用ISO感度最高6400(拡張12800)までの高感度対応、そして約3.7コマ/秒の連写性能など熟成の基本性能を引き継ぎつつ、新オートプログラム「シーンインテリジェントオート」を搭載した。
従来の同社オートプログラムは「AE(自動露出補正)+AF(オートフォーカス)+AWB(オートホワイトバランス)+ALO(自動階調補正)」で全自動制御をおこなっていたが、「シーンインテリジェントオート」では、さらに「ピクチャースタイル AUTO」が加わり、計5つのオートが「EOS シーン解析システム」で制御されるようになった。これにより、被写体の色合いがより適切にコントロールされるという。たとえば、風景では青空や緑の有無を認識して鮮やかさを強調したり、一方、高彩度な被写体では発色を重視しつつ色飽和を防止するといったことが可能。人物の肌色も、より自然に再現される。
撮影画像に特殊効果を加える「クリエイティブフィルター」は、従来の「ソフトフォーカス」「ラフモノクロ」「トイカメラ風」「ジオラマ風」に、新フィルター「魚眼風」を追加。そのほか、撮影画像に対して「くっきり鮮やかに」「ふんわりやわらかく」「暖かくやさしく」「しっとり深みのある」「ほの暗くひっそりと」といった表現を選んで適用できる「表現セレクト」、各モードや機能の説明を簡単に表示する「機能ガイド」の搭載など、初心者にやさしい進化したエントリーモデルに仕上がっている。
フルHD(1920×1080)対応の動画機能「EOSムービー」は、最大10倍のデジタルズームが可能になった。また、EOS初の新機能「ビデオスナップ」を搭載している。動画撮影ボタンを押すと、設定した秒数だけ録画し、自動的に録画を停止する。1シーンの録画時間は2秒/4秒/8秒から設定でき、撮影したシーンはBGM付きで連続再生が可能。撮影した動画を手軽に、ショートムービーのような感覚で観賞できる。
背面液晶は104万ドットの3.0型ワイドクリアビュー液晶。横開き式バリアングルモニターが採用され、自由なアングルからの撮影が可能になった。なお、「マルチアスペクト機能」により、ライブビュー時のモニター縦横比を1:1や16:9などに設定できる。
本体サイズは133.1(W)×99.5(H)×79.7(D)mm、重量は570g。