昆虫や植物を大迫力で捉える強力マクロ性能
次に、TG-5のもうひとつの特徴である「バリアブルマクロシステム」によるマクロ撮影性能を試すため、渓流沿いの林へと移動した。ここで見つけたのは体長約5cmのノコギリクワガタだ。逃げられないようにそっと近寄り、「深度合成モード」を使って接写した。
深度合成モードとは、自動的にピント位置をずらしながら8枚の高速連写を行い、その8枚をカメラ内で合成して、手前から奥までの広範囲にピントが合った写真を生成できる機能である。深度合成を使わずに撮った下の写真と見比べると、その効果は一目瞭然だろう。ちなみに、前モデル・TG-4の深度合成モードは画像サイズが800万画素以下に縮小される制約があったが、TG-5ではフル画素での深度合成に対応。より高画質で記録できる点がありがたい。
さらに、レンズ先端から1cmの距離まで近づける「顕微鏡モード」や1cmまで近づきつつ表示倍率を1倍/2倍/4倍に切り替えられる「顕微鏡コントロールモード」、ピント位置をずらしながら最大30コマまで撮影できる「フォーカスブラケット」といったマクロ機能も備えている。
下のカットは顕微鏡モードを使って苔を接写したもの。光量が乏しく、そのまま撮ると水滴がブレてしまうため、感度をISO800に設定したが、画像処理エンジン「TruePic VIII」のおかげでノイズはほとんど気にならない。苔や水滴の質感までをリアルに記録できている。
接写時に役立つアクセサリーとしては、カメラ内蔵のLEDライトの光を導いて均一に照射する「LEDライトガイド LG-1」や、内蔵フラッシュを拡散できる「フラッシュディフューザー FD-1」が用意されている。こうした多彩なマクロ機能を備え、マクロ用アクセサリーが使えることは、TG-5の大きな強みだ。趣味としての撮影はもちろん、教育現場でも役立つだろう。
また、レンズ周辺部に「コンバーターアダプター CLA-T01」を装着した場合には、オプションのテレコンバーターやフィッシュアイコンバーター、40.5mm径のフィルターなどが使用可能になる。下のカットは、市販のNDフィルターを装着して光量を下げたうえで、絞り値をF8まで絞り込んで撮影。こうすることでシャッター速度を2秒まで遅く抑え、川の流れを滑らかに表現できた。
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ボディ天面の右端にコントロールダイヤルを新設。露出補正や絞り調整、コマ送り、メニューの項目選択などが素早く行える。またズームレバーはシャッターボタンの周辺部に移動し、よりスムーズなズーミングが可能になっている |
4つのセンサーで撮影地のあらゆる情報を記録
朝から夕方までTG-5での撮影を満喫した後は、さらなる楽しみとして「フィールドセンサーシステム」が活躍してくれた。これは「GPS」「気圧」「温度」「方位」という4つの内蔵センサーによって、緯度経度、気圧、水圧、標高、水深、温度、方位といったトラッキング情報を自動的に記録するシステムのこと。各種のトラッキング情報は、カメラのINFOボタンを押すことでその都度確認できるほか、カメラとスマホをWi-Fi接続し、専用アプリ「OLYMPUS Image Track」の画面上に表示することが可能だ。
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「OLYMPUS Image Track」を使って、ログデータを地図に表示。地図上のポイントをタップすると、その場所で撮影した写真が素早く表示される |
標高/水深表示では、時間ごとの標高や水深をグラフとして表示できる。写真を全画面に表示し、各種トラッキング情報をオーバーレイ表示することも可能だ |
今回は、帰りの電車の中でトラッキング情報と撮影画像を確認し、一日の撮影内容をじっくり振り返ることができた。写真だけの再生とは異なり、さまざまな情報を加えて写真を見ることで、細かい記憶までがリアルに蘇った。ほかのカメラでは味わえない、TG-5ならではの体験といっていい。そんな記憶や情報を元にして、日記やブログを書くのもいいだろう。
TG-5は、屋外での行動をつぶさに記録できる実用的かつクリエイティブなツールだ。日々アクティブに活動する人はもちろん、休日の旅行や外出をいっそう有意義なものにしたい人におすすめできる。
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写真や動画を撮影するカメラとしての働きに加え、さまざまなトラッキング情報を記録できることが、TG-5の最大の魅力だ |
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