【目的別】おすすめのDXツール一覧 導入事例付き

近年、多くの日本企業が「DX」に関心を寄せています。DXとは、一般的には、企業がデジタル技術を活用して生産性向上やコスト最適化、イノベーションなどを図り、企業競争力を高める取り組みのことをいいます。

このDXを推進していく上で、1から自社でシステムを開発するアプローチもありますが、低コストかつ短期間で進めていくためにツールを活用するアプローチもあります。しかし、ツールを活用するアプローチをとりたくても、「どんな種類のツールがあるのかがわからない」「自社の状況や課題にあったツールがわからない」という方も少なくありません。

この記事では、DXに活用できるツールの具体例や選定ポイント、導入ポイントなどをご紹介していきます。

DXツールの種類とDX(デジタルトランスフォーメーション)推進の関係

DXツールとは?

最近、DXという言葉をいたるところで聞くようになりました。DXとは、「Digital Transformation(デジタルトランスフォーメーション)」の略称です。

統一された定義はありませんが、一般的には、企業がデジタル技術を活用して生産性向上やコスト最適化、イノベーションなどを図り、企業競争力を高める取り組みのことをいいます。

なお、日本全体のDX推進を担当する経済産業省では、2018年に発表した「デジタルトランスフォーメーションを推進するためのガイドライン(DX推進ガイドライン)」において、DXを次のように定義しています。

「企業がビジネス環境の激しい変化に対応し、データとデジタル技術を活用して、顧客や社会のニーズを基に、製品やサービス、ビジネスモデルを変革するとともに、業務そのものや、組織、プロセス、企業文化・風土を変革し、競争上の優位性を確立すること」

日本企業のDX推進は世界と比べて遅れていると言われており、経済産業省をはじめとした政府機関が、日本企業のDX推進を促そうとしています。

DXには、次の3段階があります。

  • デジタイゼーション:業務データのデジタル化
  • デジタライゼーション:業務プロセスのデジタル化
  • DX:※前述した通り

これを進めていく上で、1から自社でシステムを開発するアプローチもありますが、低コストかつ短期間で進めていくためにツールを活用するアプローチもあります。これは特にデジタイゼーションおよびデジタライゼーションで効果的です。

なお、このようにDXに活用できるツールは、一般にDXツールと呼ばれます。

業務データをデジタル化するデジタイゼーションに適したDXツール

デジタイゼーションとは、業務データをデジタル化することをいいます。主にデータ共有・活用の利便性向上を目的として行われます。

デジタイゼーションを実現するツールの例としては、紙の名刺をデジタル化して一元管理する名刺管理ツール、コミュニケーションをデジタル化するチャットツールやオンライン会議システムなどがあげられます。

デジタイゼーションはイメージが湧きやすいため取り組みやすいでしょう。

業務プロセスをデジタル化するデジタライゼーションに適したDXツール

デジタライゼーションは、業務プロセスをデジタル化することをいいます。主に業務の自動化やカンタン化、品質向上などを目的として行われます。

ツールの例としては、パソコンの定型業務を自動化するRPAや、マーケティング業務を支援してくれるMAなどがあげられます。

デジタライゼーションは、デジタイゼーションからもう一歩進んだ取り組みです。イメージが湧きにくいところがありますし、ある程度デジタルに関するスキルを必要とします。デジタイゼーションに慣れてから行うことをおすすめします。

【業務改善】おすすめDXツール一覧

ここから、具体的なDXツールをみていきましょう。

まずは、DXツールのうち、業務改善に役立つツールをご紹介していきます。

名刺管理ツール

名刺管理ツールとは、名刺情報をデジタル化して一元管理できるツールのことです。営業業務の効率化や情報漏洩リスクなどの低減に役立ちます。名刺情報の取り込みにはスキャナやスマホなどを用います。

代表的な名刺管理ツール
■Sansan(サンサン) ー Sansan株式会社:自動名寄せ機能、反社チェック機能、タグ付け機能、一斉メール配信機能など機能が充実している。
■やさしく名刺ファイリング PRO ー 株式会社NTTデータNJK:直感的に操作できる。地図表示機能(名刺に記載された住所周辺の地図を表示)と自動バックアップ機能が便利。

【名刺管理ツールの導入事例:社団法人コンピュータソフトウェア協会】
コンピュータソフトウェア協会では、従来から、名刺管理を各従業員の裁量に委ねていましたが、「管理が煩雑になっていて個人情報の漏洩につながりかねない」という危惧がありました。信頼を求められる組織として適切な管理方法はないかと検討し、名刺管理ツールを導入。営業業務などで名刺情報を活用しやすくなったことはもちろん、安全なサーバでの情報管理および閲覧権限の設定により、情報漏洩リスクが大幅に低減されたとのことです。

参考:株式会社NTTデータNJK 企業サイト 「やさしく名刺ファイリング PRO」導入事例

ビジネスチャットツール

ビジネスチャットツールとは、ビジネスコミュニケーションに特化したチャットツールのことです。かしこまった挨拶が不要など気軽に利用できる上、データ共有機能、ビデオ通話機能といった便利な機能が備わっているため、電話やメールなどよりも効率的なコミュニケーションが可能となります。

代表的なビジネスチャットツール:
■Slack(スラック) ー Slack Japan株式会社:カスタマイズ性とセキュリティ性に優れている。無料プランあり。
■Chatwork(チャットワーク) ー Chatwork株式会社:デジタルに精通していない人でも使えるように設計されており、デザイン面も機能面もシンプル。無料プランあり。

【ビジネスチャットツールの導入事例:北海道テレビ放送株式会社】
テレビ業界では、コミュニケーションツールとして、慣習的に電話とメールが使用されていますが、北海道テレビでは、「じつは不要なのではないか」という考えのもと、あえてビジネスチャットツールをメインのコミュニケーションツールとして採用。その後、通常業務はもちろん、事務手続き、勉強会報告、放送トラブル時の復旧作業など、あらゆる面で業務が効率化されたとのことです。また、雑談用グループチャットがきっかけで他社との合同キャンプが実現。気軽に使用できるビジネスチャットツールだからこそ得られた効果です。

参考:Chatwork株式会社 企業サイト 「Chatwork」導入事例

オンライン会議システム

オンライン会議システムとは、オンライン上で会議やミーティングができるツールのことです。会議室など場所の確保が不要で、移動時間もかからないため、生産性向上に役立ちます。資料共有機能、チャット機能、録画機能、会話内容の自動テキスト化機能といった機能が備わっています。

代表的なオンライン会議システム:
■Zoom(ズーム) ー 株式会社zoom:通信品質が良く安定したやりとりができる。プライバシーを守れるバーチャル背景機能に定評あり。無料プランあり。
■Google Meet(グーグル・ミート) ー グーグル合同会社:音声字幕表示機能、画面レイアウト変更機能など便利な機能が充実している。セキュリティ性に優れている。基本的に無料。

ワークフローシステム

ワークフローシステムとは、稟議書手続きを行う上で必要となる作成から申請、確認、承認までプロセスを一元管理できるツールのことです。プロセスを可視化できるため進捗管理がしやすくタスクの抜け漏れも防げます。スマホに対応しているタイプであれば、出先や自宅などからもシステムにアクセスできるため、承認者が不在で手続きが遅れるなどいった事態が解消されやすくなります。

※稟議手続きとは、物品購入、海外出張、人材採用などといった、個人の権限では決定できない事項について、上司から承認を得る手続きのことをいいます。

代表的なワークフローシステム:
■Collaboflow(コラボフロー) ー 株式会社コラボスタイル:お使いのExcelで作成した稟議書をそのまま流用できる。
■ジョブカンワークフロー ー 株式会社DONUTS:テンプレートが豊富。業界最安クラスの料金。無料プランあり。

RPA(ロボティック・プロセス・オートメーション)

RPAとは、「Robotic Process Automation(ロボティック・プロセス・オートメーション)」の略称で、人がパソコン上で行っている定型業務をロボットにより自動化できるツールのことです。

RPAを活用できる業務の例としては、次のようなものが挙げられます。

・メールの自動返信
・入力データ入力のミスチェック
・インターネット上にあるファイルのダウンロード
・Excelにあるデータをデータベースに転記

代表的なRPA:
■BizRobo!(ビズロボ) ー RPA テクノロジーズ株式会社:操作が非常に簡単。チュートリアル動画配信やユーザー会開催など学習サポートサービスが充実している。
■Autoブラウザ名人 ー ユーザックシステム株式会社:ブラウザ操作の自動化に特化している。人が操作した内容を自動で記録して登録できる機能が便利。

【RPAの導入事例:サッポロビール株式会社】
サッポロビールでは、従来から、取引している小売業者のPOSデータを各小売業者の専用サイトからダウンロードしておりましたが、その作業に多大な時間的コストがかかっていたことが課題となっていました。POSデータとは、「いつ、どこで、何を販売した」といった販売実績データのことです。小売業界では、専用サイトを通じたPOSデータの開示が一般的に行われています。メーカー側に内容を見てもらい、自社に対する営業提案に活用してもらう。これが主な目的です。サッポロビールでは、このPOSデータのダウンロード作業をRPAにより自動化。結果として、労働時間が年間で約5700時間も削減されたとのことです。

参考:ユーザックシステム株式会社 企業サイト 「Autoブラウザ名人」導入事例

【営業・マーケティング向け】おすすめDXツール一覧

続いて、DXツールのうち、営業・マーケティングに役立つツールをご紹介していきます。

SFA(セールス・フォース・オートメーション)

SFAは、「Sales Force Automation(セールス・フォース・オートメーション)」の略称で、営業業務を支援してくれるツールのことです。

顧客情報や商談履歴、商談進捗など、営業業務で発生するデータを一元管理する機能を基本として、ほかにも日程調整機能、日報作成サポート機能、アクションプラン提案機能といった機能が備わっています。

代表的なSFA:
■Dynamics 365 Sales(ダイナミクス・365・セールス) ー 日本マイクロソフト株式会社:マイクロソフト社製品であるため、同社製品との連携がスムーズ。高機能なAIが搭載されている。
■eセールスマネージャー ー ソフトブレーン株式会社:日本製であるため日本のビジネススタイルにマッチしやすい(SFAの多くは海外製)。専門アドバイザーによる定着支援に定評あり。

CRM(カスタマーリレーションマネジメント)

CRMとは、「Customer Relationship Management(カスタマー・リレーションシップ・マネジメント)」の略称で、顧客情報管理や顧客関係性強化を支援してくれるツールのことです。

顧客の基本情報や購入履歴、問い合わせ履歴など、顧客に関するデータを一元管理してくれる機能を基本として、ほかにも顧客ニーズ分析機能、メール配信機能、キャンペーン管理機能、アンケート管理機能といった機能が備わっています。

代表的なCRM:
■Sales Cloud(セールス・クラウド) ー 株式会社セールスフォース・ジャパン:機能が充実していて、細かいカスタマイズもできる。開発スキルを要する。
■Zoho CRM(ゾーホー CRM) ー ゾーホージャパン株式会社:AIが最適な顧客アプローチの手法やタイミングを教えてくれる。料金がリーズナブル。無料プランあり。

MA(マーケティング・オートメーション)

MAは、「Marketing Automation(マーケティング・オートメーション」の略称で、マーケティング業務を支援してくれるツールのことです。

顧客の個人情報や属性、および「どの商品を購入したか」「どのコンテンツを見たか」といった行動履歴を活用しながら、たとえば、特定の商品における見込み顧客を抽出する、適切なコンテンツを適切なタイミングで配信する、といったマーケティング施策を自動で行います。

代表的なMA:
■b→dash(ビーダッシュ) ー 株式会社データX:非常に機能が充実している。グッドデザイン賞の受賞経験あり。
■Adobe Marketing Cloud(アドビ・マーケティング・クラウド) ー アドビ株式会社:デジタルマーケティングに特化している。料金は高めだが、その分高機能・高性能である。

【MAの導入事例:株式会社ベネッセコーポレーション】
教育や介護、語学など幅広い事業を展開しているベネッセコーポレーションは、運営サイト数が200サイト以上と非常に多く、その顧客解析やそのレポーティングにかかる負担が大きいという課題を抱えていました。そこで導入したのがMAです。全サイトを横断した顧客解析が可能となり、レポーティング業務にかかるコストも大幅に削減できたとのことです。また、顧客の複数サイトをまたいだ行動履歴が得られるようになったため、より精度の高いマーケティング施策が可能になったとのことです。

参考:アドビ株式会社 企業サイト 「Adobe Marketing Cloud」導入事例

BI(ビジネス・インテリジェンス)

BIとは、「Business Intelligence(ビジネス・インテリジェンス)」の略称で、ビジネスで扱うデータを集計・分析し、グラフや表などのわかりやすい形でアウトプットする(ダッシュボード化する)ツールのことです。

ここでいうデータとは、たとえば顧客データや受発注データ、Webサイトのアクセスデータなどをさしています。BIは、レポーティング、仮説検証、戦略策定などに役立ちます。

代表的なBI:
■Tableau(タブロー) ー Tableau Japan株式会社:デザイン性に優れている。ダッシュボードのカスタマイズが簡単。分析機能が充実している。
■Looker Studio(ロッカー・スタジオ) ー グーグル合同会社:Googleが提供するサービスであるため、「Googleアナリティクス」「Google広告」「Googleスプレッドシート」といった各種Googleサービスとのデータ連携がスムーズ。基本的に無料。

【管理部門向け】おすすめDXツール一覧

続いて、DXツールのうち、管理部門業務に役立つツールをご紹介していきます。

経理向けDXツール

経費精算システム

経費精算システムは、経費精算を行う上で必要となる申請、確認、承認などの業務を一元管理できるツールのことです。領収書情報をスマホでスキャンする機能や、交通系ICカードとデータ連携する機能など、便利な機能により業務を効率化します。

代表的な経費精算ツール:
■楽楽精算 ー 株式会社ラクス:申請画面のレイアウト変更や承認フローの変更など、カスタマイズ性に優れている。導入時に専任スタッフがメールや電話でサポートしてくれる。
■マネーフォワードクラウド経費 ー 株式会社マネーフォワード:スマホで申請から承認までを完結できる。「マネーフォワードクラウド会計」「マネーフォワード勤怠管理」など、マネーフォワードシリーズとスムーズに連携できる。

【経費精算システムの導入事例:伊藤忠アーバンコミュニティ株式会社】
不動産管理・運営会社の伊藤忠アーバンコミュニティでは、経費精算に関わるルールが細かく定められており、そのルールチェックに大きな負担がかかっていたことが課題となっていました。不動産業ゆえ従業員の移動が多い(交通費の精算業務が多い)こともあり、経費精算ツールを導入を決定。導入後、ルールに違反している場合に申請できないようにしてくれる機能により、ルールチェックに要する負担が軽減されたとのことです。また、外出先でもスマホから申請や承認などができるようになったため、経費精算業務が効率化されたとのことです。

参考:株式会社ラクス 企業サイト 「楽楽精算」導入事例

人事向けDXツール

採用管理システム

採用管理システムとは、採用業務を支援してくれるツールのことです。応募者情報管理、選考進捗管理機能、面接日程調整機能、採用サイト作成機能といった機能が備わっています。

代表的な採用管理ツール:
■採用一括かんりくん ー HRクラウド株式会社:Zoomなどオンライン会議ツールと連携してオンライン面接ができる、Googleカレンダーなどスケジューリングツールと連携して面接日程の調整ができるなど、日頃よく使っているツールと連携することができる。
■ジョブカン採用管理 ー 株式会社DONUTS:最低料金がリーズナブル。媒体別・面接官別の求人効果分析&レポート作成機能が便利。

タレントマネジメントシステム

タレントマネジメントとは、各従業員の個人情報や経験、スキル、適正などを透明化し、人材育成と人材配置に役立てるマネジメント手法のことです。そしてタレントマネジメントシステムとは、そのタレントマネジメントを支援してくれるツールのことです。

代表的なタレントマネジメントシステム:
■カオナビ ー 株式会社カオナビ:「顔写真」に人材データを紐付けて管理するため、人物の把握がしやすい。
■HRMOSタレントマネジメント(ハーモスタレントマネジメント) ー 株式会社ビズリーチ:過去の情報を蓄積できる。細かい評価制度を運用できる。

【タレントマネジメントシステムの導入事例:WILLER EXPRESS株式会社】
運送業のWILLER EXPRESSでは、全国8つの営業所それぞれの従業員情報を紙やExcelで管理していたため、「どの営業所で、どのような従業員が、どのような業務に従事しているか」が不透明でした。そこで、ばらばらに存在する従業員情報を一元管理するため、タレントマネジメントシステムを導入。経歴や経験、スキル、健康状態など、各従業員に関する情報をひとつのシステムで閲覧できるように。これにより、各従業員の特性を活かした人材配置が可能となり、また営業所間のコミュニケーションも活性化したとのことです。

参考:株式会社ビズリーチ 企業サイト 「HRMOSタレントマネジメント」導入事例

法務向けDXツール

電子契約システム

電子契約システムとは、従来から用いられている紙の契約書の代わりにPDFなど電子データの契約書での契約締結を可能とするツールのことです。なりすましや改ざんは電子署名を用いることで防止します。

代表的な電子契約システム:
■GMOサイン ー GMOグローバルサイン株式会社:導入方法や使用方法に関する動画コンテンツやウェビナーが充実している。多言語に対応しているため、海外の企業との取り引きがある場合に適している。
■freeeサイン(フリーサイン) ー freeeサイン株式会社:ファイル送信が従量課金制でないため送信件数が多い場合でも金額を気にせずに利用できる(電子契約システムは従量課金制が多い)。セキュリティ性に優れている。

契約書管理システム

契約書管理システムとは、契約書をデジタル化して一元管理できるツールのことです。契約書作成機能、契約進捗管理機能、検索機能、閲覧権限管理機能といった機能が備わっています。

代表的な契約書管理システム:
■LegalForceキャビネ(リーガル・フォース・キャビネ) ー 株式会社LegalOn Technologies:契約書の読み込み・データ化がスピーディー。AIにより契約書整理を自動化。セキュリティ性に優れている。
■Hubble(ハブル) ー 株式会社Hubble:ビジネスチャットツールや電子契約システムなど外部システムとの連携機能が充実している。検索機能が充実している

総務向けDXツール

備品管理システム

備品管理システムとは、備品情報をデジタル化して一元管理できるツールのことです。ICタグやバーコード、QRコードといった電子ラベルを一つひとつの備品に貼り付け、備品の情報や所在地、状態などを管理します。備品の探索や貸出管理、棚卸などに役立ちます。

代表的な備品管理システム:
■Convi.BASE(コンビベース) ー 株式会社ネットレックス:登録できる品目数に制限がない。専任スタッフによるメール・電話サポートが充実している。
■Assetment Neo(アセットメントネオ) ー 株式会社アセットメント:備品のライフサイクルを踏まえた管理ができる。棚卸機能が充実している。

DXツールの選定ポイント

DXツールを導入したくてもどのような基準で選べばよいかわからないという方もいらっしゃることと思います。ここでは、DXツールの選定ポイントを3つご紹介します。

1:使い勝手

どんなに優れたツールであっても、自社の従業員が使いこなせないのであれば意味がありません。従業員が使いこなせないツールは、かえって業務の妨げとなります。また、使いこなせる従業員がほんの一握りのツールも考え物です。属人化が進んでしまったり、特定の従業員が質問対応に追われてしまったりします。DXツールを選ぶときは、自社の従業員が使いこなせるものにしましょう。

2:連携性

最近のデジタルツールは、他のツール・システムとの連携を想定しているものが少なくありません。DXツールを選ぶときは、連携性も考慮しましょう。これまで使用してきたツールやシステム、またこれから導入する予定のツールやシステムとシームレスな連携ができれば、業務効率化やデータ活用率向上などにつながります。DX推進がさらに進みやすくなるでしょう。

3:サポート体制

意外と忘れがちなのがサポート体制です。ツールの導入後、自社の従業員だけでは対応できないトラブルが生じたとき、ツール提供会社のサポートを受けるという手があります。しかし、ツール提供会社の中には、メール対応のみで電話対応をしていないケース、有料でしか対応しないケース、対応が遅いケースなどがあります。もちろん、自社でトラブルに対応できる自信があるのであればよいですが、そうでない場合は、サポート体制をしっかりとチェックするようにしましょう。

DXツールの導入ポイント

DXツールはただ導入すればよいものではありません。ここでは、DXツールを導入する際に意識しておきたいポイントを3つご紹介します。

1:トライアル版・無料版の利用

一見、自社にマッチしそうに思えたツールであっても、いざ導入してみると「操作しにくい」「動作が重い」といったことが起こるケースが意外と多くあります。このようなミスマッチを防ぐため、トライアル版・無料版があるのであれば、なるべくそれらを利用するようにしましょう。

2:段階的導入

はじめから全社的な導入をしてしまうと、失敗したときの影響が大きくなってしまいます。はじめて導入する際は、「ひとつのプロジェクトだけ」「ひとつの部署だけ」など、なるべくスモールスタートから始めることをおすすめします。

3:導入自体をゴールにしない

DXツールの導入はあくまで手段です。ただ導入しただけで満足してはいけません。導入後には、目的に即した効果を得られているかどうかの検証が必要となります。なお、すぐに状況が変わるケースばかりでもないため、中長期的な視点を持つことも大切です。

非エンジニアでも自動化・効率化ができるノーコードツール

ここまで、具体的なDXツールをご紹介してきましたが、独自にオリジナルのものを開発したいという場合もあるでしょう。ここでは非エンジニアでも開発ができるノーコードツールというものを解説した上で、おすすめのノーコードツールをご紹介します。

ノーコードツールとは?

ノーコードツールとは、ソースコードの記述を行わずに(プログラミングを行わずに)、視覚的・直感的な操作でシステムやアプリ、Webサイトなどを開発できるツールのことです。

用意されたテンプレートを選び、用意されたパーツを配置するだけで進められるため、非エンジニアであっても簡単かつスピーディーな開発が可能となります。データベース、AI分析基盤、業務アプリ、企業サイト、ネットショップなど、あらゆる分野に特化したノーコードツールがあります。

おすすめのノーコードツール

ここでは、おすすめのノーコードツールを5つご紹介します。

Bubble(バブル)

Bubble(バブル)は、Bubble Group, inc. が提供している、Webアプリを開発できるノーコードツールです。ノーコードツールの中でもトップクラスのカスタマイズ性を誇り、細部まで作りこむことができます。それだけ扱う難易度は高いですが、YouTubeなどでノウハウ系コンテンツがアップされているため、学習がしやすいです。

参考:Bubble製品サイト

サスケWorks(サスケワークス)

サスケWorksは、株式会社インターパークが提供している、業務効率化に特化したWebアプリを開発できるノーコードツールです。顧客情報の管理や案件進捗の管理、見積書の作成など、Excelで行われることが多い業務をアプリ化することができます。また、開発したアプリをサスケWorksのストア内で有料販売することもできます。

参考:サスケWorks製品サイト

Zapier(ザピアー)

Zapierは、Zapier Inc.が提供している、複数のサービスを連携させて任意のタスクを自動化してくれるノーコードツールです。

タスクの例:
・WordPressに記事を投稿したら、Twitterにその記事のお知らせ投稿をする
・Gmailに特定のアドレスからのメールが届いたら、その内容をGoogleスプレッドシートに書き込む

扱えるサービスは、TwitterやInstagram、WordPress、Slack、Gmail、Googleスプレッドシートなどで、合計すると3,000を超えます。

参考:Zapier製品サイト

SmartDB(スマートデービー)

SmartDBは、株式会社ドリーム・アーツが提供する、業務システムを開発できるノーコードツールです。データの一元化、データ解析、ドキュメント管理、タスク・プロジェクト管理など、企業で必要となるさまざまな業務に対応しています。豊富な業務テンプレートが用意されており、スピーディーに開発を進めることができます。

参考:SmartDB製品サイト

UMWELT(ウムヴェルト)

UMWELTは、株式会社トライエッティングが提供する、AIによるデータ分析基盤を構築できるノーコードツールです。自社製品の需要予測、生産計画のプランニング、スタッフシフトの調整、リソースの最適化など、さまざまなデータ分析業務に対応しています。

参考:UMWELT製品サイト

まとめ

この記事では、DXに活用できるツールの具体例や選定ポイント、導入ポイントなどをご紹介してきました。

デジタル技術が進歩し続ける現代、DX推進が企業の命運を握るといっても過言ではありません。DXを推進していくために、1から自社でシステムを開発するのもよいですが、DXツールを活用すると低コストかつ短期間で進めていくことができます。

「どのツールが良いか」「どの製品がよいか」などと迷ったら、各社の先進事例を参考にしたり、各ツール提供会社に問い合わせしたりするのもよいでしょう。

この記事が、自社にマッチするDXツール選びのご参考になれば幸いです。

ライター:松下圭

大学院修了後、大手システムインテグレータに入社。大手通信キャリアを顧客とする部署に配属され、業務システムの設計やセキュリティ系ツールの開発などに従事する。その後、文章を書く仕事に興味を持ち、さらに、わかりにくいITをわかりやすく伝える役割の人が社会には必要と考え、フリーランスのITライターに転身。主にDXやAI、セキュリティに関する記事を執筆する。

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