ジャンプリストをコマンドラインからクリアする

Windows 7から搭載されたジャンプリストは履歴機能を拡張し、過去に参照したファイルやURLといったリソースの再利用を推進させる機能ですが、残念ながらジャンプリストに並ぶ履歴情報をクリアする機能が用意されていません。本来ならジャンプリストに<このリストをクリアする>といった項目を用意し、個別にクリアできるのが望ましいでしょう。

履歴情報を管理しておきたいというのは個人情報管理の観点からも知っておきたいもの。そもそもジャンプリストが参照する履歴情報は「%APPDATA%\Microsoft\Windows\Recent\AutomaticDestinations」および「%APPDATA%\Microsoft\Windows\Recent\CustomDestinations」フォルダに格納されています。

各フォルダに並ぶファイルは名前もユニークな英数字で構成されているため、どのジャンプリストのデータとなっているのか知り得る方法がありませんが、テキストエディタなどで開きますと、ファイルに含まれる文字列でどのアプリケーションのジャンプリストなのか推測することは可能です。もっともこれらを個別に削除していくのは現実的ではありませんので、ジャンプリストの履歴情報をまとめて削除する操作方法を紹介します(図12~15)。

図12 タスクバンドに並ぶボタンを右クリックすると表示されるジャンプリストと、

スタートメニューのプログラムに並ぶジャンプリストが対象となります

図13 こちらは「%APPDATA%\Microsoft\Windows\Recent\AutomaticDestinations」フォルダ。ファイル名だけ見ても、どのファイルがどのジャンプリストデータなのかわかりません

図14 こちらは「%APPDATA%\Microsoft\Windows\Recent\CustomDestinations」フォルダ。図13と同じながらもテンポラリファイルも作成されています

図15 各フォルダに並ぶファイルをテキストエディタで開いてみますと、見慣れた文字列が見受けられます。この場合Google Chromeのジャンプリストであることが確認できました

まずは管理者権限でコマンドプロンプトを起動してください。標準ユーザーでWindows 7をお使いの場合は、<スタート>メニューのクイック検索に「cmd」と入力し、列挙された同名の項目を右クリック。メニューから<管理者として実行>をクリックします。あとはコマンドラインから「del /F /Q %APPDATA%\Microsoft\Windows\Recent\AutomaticDestinations\*.*」「del /F /Q %APPDATA%\Microsoft\Windows\Recent\CustomDestinations\*.*」を実行してください。なお、「/F」は読み取り専用ファイルを強制的に削除するオプション、「/Q」はワイルドカードを使用して一括削除する際に確認メッセージ表示しないオプションです。最後にWindows 7へ再ログオンしてください(図16~19)。

図16 [Win]+[R]キーを押して「ファイル名を指定して実行」を起動し、テキストボックスに「cmd」と入力して<OK>ボタンをクリックします

図17 管理者権限を持った状態でコマンドプロンプトが起動したら、「del /F /Q %APPDATA%\Microsoft\Windows\Recent\AutomaticDestinations\*.*」と入力して[Enter]キーを押してください

図18 続いて「del /F /Q %APPDATA%\Microsoft\Windows\Recent\CustomDestinations\*.*」と入力して[Enter]キーを押してください

図19 <スタート>メニューの電源ボタンからログオフを実行してください

これで各ジャンプリストの項目がクリアされました。残念ながら<いつも表示>を選択してピン留めした項目も削除されますので、あらかじめご了承ください(図20)。

図20 これでタスクボタンのジャンプリスト、

<スタート>メニューのジャンプリストがクリアされます