今作はツンデレ・エリカ様にお供する物語

今作の『プリンス・オブ・ペルシャ』は前置きもなく突然始まる。プリンスと呼ばれる男が、お仕事の墓荒らしから帰路に着いていると砂嵐に巻き込まれてしまい、お宝を載せたラクダがいなくなってしまう。そんなところで、謎の武装集団に追われている美女と遭遇する。歴代のプリンスとは違って、やや軽薄で女好きな性格の今作のプリンスは、下心に突き動かされ、腕に覚えのあった剣術で美女の追っ手を撃退する。

なにやら美女が物騒な男達に追われている。これがエリカ様との出会い

今作の舞台はアラビア色が若干薄まった幻想世界

救った美女はアフラ国の王女エリカだった。整った顔立ちと極まったツンデレな性格は、最近結婚したあの方を彷彿とさせるが、こちらのエリカ様は色恋沙汰どころではなく、「世界を破滅から救わなければ」と激しいパラ○イアに苛まれているご様子……。そして、高貴な王女を救えばご褒美にあずかれると考えた軽薄プリンスは、ツンデレ・エリカ様の「世界を破滅から救う旅」に同行つかまつるのであった。

……という感じで始まるのが今作の『プリンス・オブ・ペルシャ』だ。ゲームの舞台となるのは、もはや我々の地球上のアラビア地域かどうかも疑わしい幻想世界。この世界では、遙か昔、光の神オルマズドと闇の神アーリマンとで大きな戦いがあり、辛うじて勝利を収めたオルマズドは「樹の寺院」にアーリマンを封印し、この封印を守ることをアフラ国の民に命じたらしい。

アーリマンが力を取り戻しつつあるため世界が暗闇に包まれ始めている

物語途中で語られる、ある「悲劇」を原因としてアフラ国王は気の迷いを抱え込み、オルマズドとの契約を破って、アーリマン解放のために暗躍してしまう。アーリマンが解放されれば世界はまた闇と混沌に包まれてしまうことはわかっていての行動だ。

エリカ様は、これを阻止しようとして、アフラ国王側の従者たちに追われ、そこをプリンスに助けられたわけだ。つまりエリカ様は、そう、実父と敵対しているのである。

今作のプリンスはちょっと軽薄なおちゃらけた雰囲気。身なりも汚く、墓荒らしに手を染めている

プリンスの剣と手甲。なぜ墓荒らしの男がこのようなものを……?

エキゾチック美人なエリカ様。ちょっと棒読みのツンデレキャラである

モンスターたちのデザインは秀逸。何ものにも似ていないオリジナルデザインが光る!

ゲームの目的は、アフラ国王のアーリマン解放を阻止すること。そのための方策は2つ。

  • アフラ国王が解いてしまった闇の力の封印を再び閉じて土地を浄化すること。
  • 闇の力の解放によって目覚めてしまったアーリマンの4人の従者たちを撃ち倒すこと。

しかし、実は、世界を破滅から救うことが、ハッピーエンドに繋がらないことを、プリンスは知るよしもないのである……。


(次ページでは、さらに「ツンデレ・エリカ様」に注目)