縦に折りたためるフリップスタイルのスマートフォンが増えていますが、海外でHONORが発売した「Magic V Flip」にファッションブランド「ジミー チュウ」とコラボしたモデルが登場しました。閉じたままでも4インチの大型外画面が使えるファッション性と実用性を兼ね揃えた意欲的なスマートフォンです。世界で最初に販売が始まった中国・深センで実機を見てきました。
HONOR Magic V FlipはHONOR(オナー)初のフリップスタイルスマートフォンです。チップセットにクアルコムのSnapdragon 8+ Gen 1という、3世代前のものを搭載。今でも十分性能は高く、その分価格は4,999元(約11万円)とフリップモデルにしては低く抑えられています(メモリ構成12GB+256GB)。フレームはシャンパンゴールド系の色合いで、全体的に上品な質感にまとめています。広告展開を見るとターゲットユーザーは女性であることもわかります。
ジミー チュウモデルはバックパネルをグリーンに仕上げています。ジミー チュウといえば靴やバッグ、おサイフなどが知られていますが、緑色の靴の印象が強い人も多いかもしれません。スマートフォンで緑色に仕上げているのもそのイメージを再現しているようにも見えます。価格は6,999元(約15万4,000円)と高く設定されていますが、オリジナルモデルよりメモリ構成を増強しています(16GB+1TB)。
背面は表面をガラスで覆ったグリーンのグリッター仕上げにしています。ガラスの光沢感も強く、また光を反射するのでこの面を表にして持ちたくなるデザインと感じます。写真は店舗で撮影したので盗難防止チェーンがついていますが、全体のイメージがわかるのではないでしょうか?
ヒンジ部分には「Prof.JimmyChoo Yeang Keat OBE」の刻印も。この製品がジミー チュウのデザインであることを静かに物語っています。ちなみにMagic V Flipの標準モデルにはここにメーカー名などの刻印も無く、ジミー チュウモデルだけの特別仕上げとなっているわけです。
本体を開くと6.8インチのディスプレイが現れます。標準の壁紙はグリーンのダイヤモンドデザインでこれも美しいですね。フリップ式スマートフォンはこのように開けば普通のスマートフォンとして違和感なく使えるわけです。厚みは7.2mmと十分薄く、重さも193gで200gを切ります。バッテリーは折りたたみモデルながら4,800mAhと一般的なスマートフォンに迫る容量を搭載、66Wの急速充電にも対応しています。
開いた状態で背面から見ると、上側の大型ディスプレイのブラックと、下部側のグリーングリッターの対比が目を惹きつけます。一般的なスマートフォンにはない外観です。
さて閉じたときのディスプレイの大きさは4インチ。これはフリップ式スマートフォンの中で最大サイズです。5,000万画素の広角と1,200万画素の超広角カメラがあるためディスプレイの一部は隠れるものの、全体を表示領域にできるわけです。さらにアプリアイコンを配置してアプリを動かすこともできます。
閉じた画面では天気や運動量表示、モバイルペイメントのウィジェットも使えます。ウィジェットはカメラの穴を囲うように全画面で表示できます。一方、アプリはカメラを避けるように、19:1のスマートフォンサイズの縦画面で表示します。カメラも縦画面風になるのでSNSへのアップがしやすい構図で撮れます。閉じたままメインカメラで自撮りできるのは便利でしょう。
ヒンジを途中の好きな角度で止めて使うこともできます。三脚不要でハンズフリーで撮影も可能になるのです。またカメラを起動したまま外画面もプレビュー表示をONにできるので、人物撮影時に被写体の人が自分の姿を見ながら写真を撮ってもらうこともできます。この状態ではカメラアプリは上がライブプレビュー、下に操作パネルや撮影した写真のプレビュー表示ができるように分割表示となります。
ちなみにオリジナルモデルには「アイリスブラック」「カメリアホワイト」「シャンパンピンク」と3色のカラバリがあります。いずれも背面の仕上げを変えており、こちらもエレガントなデザインです。
Magic V Flipをファッションアイテムとして使えるようなケースも登場しています。バッグのように持てるストラップが付いており、一見するとスマートフォンには見えないデザインです。このケースにもぜひジミー チュウの革製モデルが欲しいもの。HONORは昨年から海外展開も本格化しているので、このMagic V Flipのグローバル販売にも期待したいところです。