メガネ型のスマートデバイスは様々なものが発売されています。ファーウェイの「Eyeware」のようにメガネのつるの部分にスピーカーを搭載したヘッドホン代わりになるものから、Appleが来年販売予定のヘッドセット型PC「Apple Vision Pro」まで、用途も機能もサイズも異なる様々な製品が開発されています。
そんな中で、現実的に最も便利なメガネ型のスマートな製品はどんなものでしょうか? 自動車メーカーのBWMが発表した「ConnectedRide Smartglasses」は、今すぐにでも誰もが使いたいと思えるメガネかもしれません。
ConnectedRide SmartglassesはBMWのオートバイなど二輪車を扱う部門であるBMWモトラッド(BMW Motorrad)によるスマートグラスです。BMWグループの製品だけに本体のデザインはスポーティーかつスタイリッシュで高級感もあります。スマートフォンと連携して使うスマートグラスで、BMWのオートバイに搭載されたディスプレイを介して情報も投影できるとのこと。なおグラスに取り付けるノーズパッドは2サイズが付属、レンズ(グラス)は色付きと透明が付属します。
メガネのレンズ部分に小さなディスプレイが埋め込まれており、ここに方向や距離などのナビゲーション情報、オートバイの速度、ギアの情報などが投影されます。オートバイを運転中、常に前方を見ていれば運転ができるというわけです。たとえば交差点にさしかかる手前でどちらに曲がればよいのか、矢印で表示してくれるのです。
このConnectedRide Smartglassesは発表されたばかりの製品で、詳細な情報はまだ不明な部分があります。スマートフォンとの接続はBluetoothでワイヤレス、バッテリーにより最大10時間の使用が可能。価格は690ユーロ(約10万7,000円)とのこと。基本的にはBMWのオートバイに乗るユーザー向けの製品ですが、スマートフォンと単体で接続が可能であれば、ジョギングや街歩きの時にも使えるかもしれません。
実は似たような製品はすでに他のメーカーも開発を行っています。たとえばOPPOは2022年12月に「OPPO AirGlass 2」を発表。BMWの製品同様にナビゲーションやスマートフォンからの通知、そしてリアルタイム翻訳や通話機能も備えています。OPPOはさらに1年前にも一般的なメガネに取り付ける「OPPO AirGlass」も発表しました。しかし残念ながらまだ製品化はされていません。
この手のスマートグラスはあると便利でしょうが、無くても困らない、というのが実情なのでしょう。生活必需品と思える機能が搭載されていなければ、なかなか普及しにくいわけです。BMWの「オートバイの運転をより便利にする」というアプローチのConnectedRide Smartglassesは用途を絞りながらも必要性のある製品であり、発売後は一定の支持が得られるのではないでしょうか。
日常生活で使うスマートグラスとして注目されそうな製品が、2023年6月に発表されたZTEの「nubia Neo Air」です。OPPOの製品のように通知などの機能を持っていますが、スマートフォン経由で音声認識を行うことで、今話題のChatGPTを使うことができるのです。たとえば料理を始める前に「餃子のつくり方は?」と声に出せば、ChatGPTがテキストで作り方の情報を画面に表示してくれます。一般的な検索エンジンでは検索を書けても広告などが出てきてしまうでしょうが、ChatGPTなら的確な回答を表示してくれるわけです。
同じようなことはAIスピーカーを使ってもできるでしょうが、料理のレシピや作り方のような情報量の多いものを音声で聞き取るのは大変です。nubia Neo Airは回答結果を目の前にテキストで表示してくれるので実用性は高そうです。
nubia Neo Airも発売時期は未定です。情報を受信するだけではなく「質問に対しての回答を表示」できるという能動的なデバイスだけに、実用性は高いのではないでしょうか? ぜひ製品化してほしいものです。