Win 7編: 各特殊フォルダーの名称をレジストリから変更する

こんにちは、阿久津です。コントロールパネルやコンピューターアイコンに代表される特殊フォルダーは、基本的に名称を変更することができません。しかしWindows 7では、コンピューターおよびごみ箱の名称を変更できることをご存じでしょうか。

これらの情報は、HKEY_CURRENT_USER \ Software \ Microsoft \ Windows \ CurrentVersion \ Explorer \ CLSID \ {20D04FE0-3AEA-1069-A2D8-08002B30309D}(ごみ箱は{645FF040-5081-101B-9F08-00AA002F954E})キーで管理され、変更後の名称は各キーに設けられた「(既定)」のデータ値が変更される仕組みです(図01～02)。

このロジックを利用して、HKEY_CURRENT_USER \ Software \ Microsoft \ Windows \ CurrentVersion \ Explorer \ CLSID \ {20D04FE0-3AEA-1069-A2D8-08002B30309D}キーに並ぶ「(既定)」のデータ値を変更しますと、コンピューターの名称が変更されるため、システムがHKEY_CURRENT_USER \ Software \ Microsoft \ Windows \ CurrentVersion \ Explorer \ CLSIDキーを最初に参照していることを理解できるでしょう(図03～04)。

ちなみに同キーから行なうチューニングでは、特殊フォルダーやナビゲーションウィンドウの名称は即時変更されますが、＜スタート＞メニューに並ぶ項目は、Windows 7に再ログオンするなどExplorer.exeを再起動することで反映されます(図05)。

各特殊フォルダーの情報は、コンピューターなら、HKEY_CLASSES_ROOT \ CLSID \ {20D04FE0-3AEA-1069-A2D8-08002B30309D}キーというように、HKEY_CLASSES_ROOT \ CLSIDキー(HKEY_LOCAL_MACHINE \ SOFTWARE \ Classesキーのエイリアス)で管理されていますが、前述のように、HKEY_CURRENT_USER \ Software \ Microsoft \ Windows \ CurrentVersion \ Explorer \ CLSIDキーが優先されます。そこで今回は各特殊フォルダーの名称をレジストリから変更するチューニングを紹介しましょう。

1．［Win］＋［R］キーを押して「ファイル名を指定して実行」を起動し、テキストボックスに「regedit」と入力してから＜OK＞ボタンをクリックします。
2．レジストリエディターが起動したら、HKEY_CURRENT_USER \ Software \ Microsoft \ Windows \ CurrentVersion \ Explorerキーまでたどって開きます。
3．CLSIDキーを右クリックし、メニューから＜新規＞→＜キー＞と選択します。
4．キーの名称を「{323CA680-C24D-4099-B94D-446DD2D7249E}」に変更します。
5．{323CA680-C24D-4099-B94D-446DD2D7249E}キーの右ペインにある「(既定)」をダブルクリックで開き、値のデータに「Favorites」と入力して＜OK＞ボタンをクリックします。
6．［F5］キーを押して変更内容をシステムに反映させてから、レジストリエディターを終了します。

これでチューニング終了です(図06～10)。

それでは結果を確認しましょう。タスクバーのボタンなどからエクスプローラーを起動してください。するとナビゲーションウィンドウに並ぶ「お気に入り」が、ステップ05で入力したデータ値と同じ「Favorites」に変更されました。ちなみに初期状態に戻すには、「(既定)」のデータ値を削除してください(図11)。

そもそも、HKEY_CURRENT_USER \ Software \ Microsoft \ Windows \ CurrentVersion \ Explorerキーの初期状態は、コンピューターを指す{20D04FE0-3AEA-1069-A2D8-08002B30309D}キー、ホームフォルダーを指す{59031a47-3f72-44a7-89c5-5595fe6b30ee}キー、ごみ箱を指す{645FF040-5081-101B-9F08-00AA002F954E}キー、Internet Explorerを指す{871C5380-42A0-1069-A2EA-08002B30309D}キー、ネットワークを指す{F02C1A0D-BE21-4350-88B0-7367FC96EF3C}キーの5つが並んでいます。

それぞれのキーに並ぶ「(既定)」に対してチューニングを行なうことで、特殊フォルダーの名称を変更してください。また、上記に含まれていないクラスIDは下記の表にまとめました。前述の手順を参考に各クラスIDをキー名として作成し、名称を変更してください。

特殊フォルダー	キー
ライブラリ	{031E4825-7B94-4dc3-B131-E946B44C8DD5}
コンピューター	{20D04FE0-3AEA-1069-A2D8-08002B30309D}
コントロールパネル	{26EE0668-A00A-44D7-9371-BEB064C98683}
お気に入り	{323CA680-C24D-4099-B94D-446DD2D7249E}
ごみ箱	{645FF040-5081-101B-9F08-00AA002F954E}
ホームグループ	{B4FB3F98-C1EA-428d-A78A-D1F5659CBA93}
ネットワーク	{F02C1A0D-BE21-4350-88B0-7367FC96EF3C}

ちなみにキー名からもわかるように、本チューニングはログオンユーザーに対するものですが、システム全体で特殊フォルダー名を変更するには、HKEY_CLASSES_ROOT \ CLSID \ ｛クラスID｝キーで操作します。各キー内にある展開可能な文字列値「LocalizedString」のデータ値を変更してください。今回は容易に元の名称に戻しやすくするため、初期値を掲載しました。チューニングのお役にたてば幸いです。

特殊フォルダー	キー	LocalizedString値の内容
ライブラリ	HKEY_CLASSES_ROOT\CLSID\{031E4825-7B94-4dc3-B131-E946B44C8DD5}	@%SystemRoot%\system32\shell32.dll,-50691
コンピューター	HKEY_CLASSES_ROOT\CLSID\{20D04FE0-3AEA-1069-A2D8-08002B30309D}	@%SystemRoot%\system32\shell32.dll,-9216
コントロールパネル	HKEY_CLASSES_ROOT\CLSID\{26EE0668-A00A-44D7-9371-BEB064C98683}	@%SystemRoot%\system32\shell32.dll,-4161
お気に入り	HKEY_CLASSES_ROOT\CLSID\{323CA680-C24D-4099-B94D-446DD2D7249E}	@%SystemRoot%\system32\shell32.dll,-21796
ごみ箱	HKEY_CLASSES_ROOT\CLSID\{645FF040-5081-101B-9F08-00AA002F954E}	@%SystemRoot%\system32\shell32.dll,-8964
ホームグループ	HKEY_CLASSES_ROOT\CLSID\{B4FB3F98-C1EA-428d-A78A-D1F5659CBA93}	@%SystemRoot%\system32\shell32.dll,-50688
ネットワーク	HKEY_CLASSES_ROOT\CLSID\{F02C1A0D-BE21-4350-88B0-7367FC96EF3C}	@%systemroot%\system32\NetworkExplorer.dll,-1

それでは、また次号でお会いしましょう。

阿久津良和(Cactus)