こんにちは、阿久津です。本誌でも紹介されたように、Windows 7 SP(Service Pack)1のIT専門家向けベータ版が公開されました。ダウンロードページには、Windows Update経由でSP1ベータを更新できる実行形式と、スタンドアロン環境で更新可能になるISO形式の二種類が用意されています。筆者が確認した限り、以前リークされたビルドNoよりも新しく、昨日一部ベータテスター向けに公開された6月3日付けのものと同等でした。

同時に公開された「Documentation for Windows 7 and Windows Server 2008 R2 Service Pack 1 Beta」を確認しますと、SP1ベータでは473種類もの修正が加わっており、サーバ上の仮想マシンに割り当てるメモリ数を動的に変更するDynamic Memoryや、仮想化デスクトップなどでマルチメディアコンテンツを利用可能にするRemote FXがサポートされるとのこと。もっともこれらは、Windows Server 2008 R2 SP1用であり、Windows 7 SP1としては、Remote FXに対応するリモートデスクトップ接続が導入されるようです。

ちなみに今回のベータ版使用期限は、2011年6月30日までとなり、同年3月30日から警告通知が発せられるとのことですが、そもそも本ベータは、トラブルが発生しても自身で解決できるIT専門家向けとなりますので、一般ユーザーの方が導入することはお勧めできません。いち早くWindows 7 SP1ベータ版を試してみたいという方は、今後リリース予定となるパブリックベータテストまでお待ちください。Windows 7 SP1ベータ版に関しては、また機会を見てご報告いたします(図01~03)。

図01: ダウンロードした「WUSignUpTool_x86(x64).exe」を実行して、レジストリの内容を書き換えてからWindows Updateにアクセスしますと、Windows 7 SP1ベータ版が現われます

図02: 今回リリースされたベータ版のバージョン番号は178。ビルド番号は16562でした

図03: リモートデスクトップ接続もバージョンが上がり、RDP 7.1がサポートされています

さて、先週紹介した「ライブサムネイルの表示サイズを変更し、見やすくする」はいかがでしたか。このライブサムネイル機能は柔軟なカスタマイズ機能が用意されており、前回使用したHKEY_CURRENT_USER \ Software \ Microsoft \ Windows \ CurrentVersion \ Explorer \ Taskbandキーには、ほかのエントリを加えることで実現できるカスタマイズが残されています。

今週はライブサムネイルの空きスペースを変更して、見やすくするチューニングをお送りします。

1.[Win]+[R]キーを押して「ファイル名を指定して実行」を起動し、テキストボックスに「regedit」と入力してから<OK>ボタンをクリックします。
2.レジストリエディターが起動したら、HKEY_CURRENT_USER \ Software \ Microsoft \ Windows \ CurrentVersion \ Explorer \ Taskbandキーまでたどって開きます。
3.右ペインの何もないところを右クリックし、メニューから<新規>→<DWORD値>と選択します。
4.ステップ03で作成した値名を「ThumbSpacingXPx」に変更します。
5.DWORD値「ThumbSpacingXPx」をダブルクリックし、<10進数>を選択します。続いて、値のデータを「100」に変更してから<OK>ボタンをクリックします。
6.ステップ03~05を参考にデータ値を「100(10進数)」を持つDWORD値「ThumbSpacingYPx」を作成してください。
7.レジストリエディターを終了させ、Windows 7へ再ログオンしてください。

これでチューニング終了です(図04~12)。

図04: [Win]+[R]キーを押して「ファイル名を指定して実行」を起動し、テキストボックスに「regedit」と入力して<OK>ボタンをクリックします

図05: レジストリエディターが起動したら、HKEY_CURRENT_USER \ Software \ Microsoft \ Windows \ CurrentVersion \ Explorer \ Taskbandキーまでたどって開き、右ペインの何もないところを右クリック。メニューから<新規>→<DWORD値>と選択します

図06: 値名を「新しい値 #1」から「ThumbSpacingXPx」に変更します

図07: 図06で作成したDWORD値「ThumbSpacingXPx」をダブルクリックし、<10進数>をクリックしてチェックしてから、値のデータを「100」に変更して<OK>ボタンをクリックします

図08: 続いて右ペインの何もないところを右クリックし、メニューから<新規>→<DWORD値>と選択します

図09: 値名を「新しい値 #1」から「ThumbSpacingYPx」に変更します

図10: 図09で作成したDWORD値「ThumbSpacingYPx」をダブルクリックし、<10進数>をクリックしてチェックしてから、値のデータを「100」に変更して<OK>ボタンをクリックします

図11: DWORD値「ThumbSpacingXPx」および「ThumbSpacingYPx」の作成とデータ値の変更を終えたら、レジストリエディターを終了します

図12: 設定を有効にするため、<スタート>メニューの電源ボタンから<ログオフ>を選択して、Windows 7に再ログオンしてください

それでは結果を確認してみましょう。再ログオン後に適当なアプリケーションを起動し、タスクバー上のボタンにマウスオーバーしますと、サムネイルサイズはそのままに、ライブサムネイル自体が大きくなりました(図13)。

図13: 画面上がチューニング前、画面下がチューニング後のライブサムネイル機能を実行したときのものです。ご覧のようにサムネイルサイズが大きく変化しました

今回チューニングに用いたDWORD値「ThumbSpacingXPx」および「ThumbSpacingYPx」は、サムネイル外のスペースを調整するためのエントリ。前者のデータ値を大きくすれば横位置が広がり、後者のデータ値を大きくすれば縦位置が広がります(図14)。

図14: DWORD値「ThumbSpacingXPx」および「ThumbSpacingYPx」は赤字で示した領域に対し、影響を及ぼします

逆に各データ値を「0」に変更しますと、サムネイル画面同士の空きスペースがなくなるため、デスクトップ領域が狭い環境ではライブサムネイルも見やすくなるでしょう。お使いの環境と使用スタイルに合わせ、お好みの数値をデータ値に設定してください(図15)。

図15: 各データ値を「0」にしますと、サムネイル同士のすき間が最小限になり、狭いデスクトップ環境でも見やすくなります

それでは、また次号でお会いしましょう。

阿久津良和(Cactus)