こんにちは、阿久津です。読者の方から通知領域のアイコンのクリーニングに関する質問を頂きました。過去の記事ではWindows 7を対象にチューニングを行いましたが、Windows 8.xでも適用可能か? という質問です。

Windowsのバージョンを問わず、通知領域の履歴情報はHKEY_CURRENT_USER\ SOFTWARE\Classes\Local Settings\Software\Microsoft\Windows\ CurrentVersion\TrayNotifyキーのバイナリ値「IconStreams」などで管理されてきました。Windows 8.xは、Windows 7と動作ロジックに差はないため、以前紹介した操作やバッチファイルをそのまま使用できます。

しかし、Windows 10は少々異なるようです(図01~02)。

図01 Windows 8.1のTrayNotifyキーを開いた状態

図02 Windows 10のTrayNotifyキーを開いた状態

上図のとおり、Windows 10はバイナリ値「PastIconsStream」が存在しません。Windows 10で通知領域アイコンを管理するNOTIFYICONDATAの構造が変更されたかは確認できていませんが、トースト通知がアクションセンターと連動し、「通知領域アイコン」がコントロールパネルから取り除かれたため、内部的な仕様も変化しているのでしょう。

そこで今回はWindows 10 ビルド10586を対象に通知履歴をクリーニングするチューニングをお送りします。

1. 管理者権限でレジストリエディターを起動します。
2. HKEY_CURRENT_USER\SOFTWARE\Classes\Local Settings\Software\Microsoft\ Windows\CurrentVersion\TrayNotifyキーを開きます。
3. バイナリ値「IconStreams」および文字列値「PromotedIconCache」を削除します。
4. HKEY_CURRENT_USER\SOFTWARE\Microsoft\Windows\CurrentVersion\ PushNotificationsキーを開きます。
5. バイナリ値「AppDB」を再起動します。
6. レジストリエディターを終了させます。
7. PCを再起動します。

これで操作が完了しました(図03~13)。

図03 [Win]+[R]キーを押して「ファイル名を指定して実行」を起動し、テキストボックスに「regedit」と入力して<OK>ボタンをクリックします

図04 レジストリエディターが起動したら、HKEY_CURRENT_USER\SOFTWARE\Classes\Local Settings\Software\Microsoft\Windows\ CurrentVersion\TrayNotifyまでキーをたどって開きます

図05 バイナリ値「IconStreams」を右クリックし、<削除>をクリックします

図06 確認をうながすメッセージが現れたら<はい>ボタンをクリックします

図07 文字列値「PromotedIconCache」を右クリックし、<削除>をクリックします

図08 確認をうながすメッセージが現れたら<はい>ボタンをクリックします

図09 次にHKEY_CURRENT_USER\ SOFTWARE\Microsoft\Windows\CurrentVersion\ PushNotificationsキーを開きます

図10 バイナリ値「AppDB」を右クリックし、<削除>をクリックします

図11 確認をうながすメッセージが現れたら<はい>ボタンをクリックします

図12 <×>ボタンをクリックして、レジストリエディターを終了させます

図13 スタートメニューを開いて、<電源>→<再起動>と順にクリックします

早速結果を確認してみましょう。[Win]+[I]キーを押すなどして「設定」を起動し、<システム>→<通知とアクション>とクリックして<次のアプリからの通知を表示する>を確認してください。過去に通知を行ったアプリケーションのスイッチがすべてなくなります(図14~15)。

図14 こちらはチューニング前の<通知とアクション>。多くの通知を行ったアプリケーションに関するスイッチが並びます

図15 こちらはチューニング後の<通知とアクション>。履歴がクリアされるため、「次のアプリから通知を表示する」には何も表示されません

今回いくつかのPCで動作を検証しましたが、バイナリ値「IconStreams」および文字列値「PromotedIconCache」を削除しただけでは履歴がクリアされませんでした。各アプリケーションのアイコン情報などを保持するデータベースであろうバイナリ値「AppDB」を削除することでチューニングに成功しました。なお、「AppDB」は再起動後に再生成されます。

ただし、同じ操作を行ってもアプリケーション履歴が削除されないPC環境も確認できました。不安な方はチューニング実行前に各エントリーのバックアップを作成してください。

2015年の「Windowsスマートチューニング」は今回が最後です。それでは、また来年お目にかかりましょう。

阿久津良和(Cactus)