こんにちは、阿久津です。筆者のようにWindows OSの使い方を解説する機会が多いと、初期状態で使用するクセが付いてきます。もちろん仮想化ソフトウェアのゲストOSで確認し、画面を撮影すれば済む話でしょう。しかし、実際のコンピューター上で動作するWindows OSと前述のゲストOSの動作は、ハードウェア特有のクセが反映されないため、若干の違和感を覚えることもしばしば。

筆者は元来カスタマイズ好きなので、メイン&原稿書きマシンで我慢したぶん反動がほかのコンピューターのカスタマイズに出てしまいます。趣味のサブマシンは配色から動作まで設定を変更し、Snow Transformation Packのようなデザインを著しく覆すツールを導入したこともありました。もっとも、カスタマイズした次点で満足し、数日後にはシンプルな構成に戻してしまうのですが……。

このように"自分の好み"や"オリジナリティ"を出すためにカスタマイズを施すのはWindows OSを楽しむポイントの一つですが、Windows 7には、デスクトップの背景画像(壁紙)を自動的に切り替える機能が備わっています。

個人設定などからデスクトップの背景を呼び出しますと、プリセットされた背景画像の一覧が表示されますが、複数の画像にチェックを入れることで、背景画像を自動的に切り替える機能が有効になります。簡単な操作で見た目にも派手な効果を得られますので、早々に試した方も少なくないでしょう(図01)。

図01: デスクトップの何もないところを右クリック→<個人設定>→<デスクトップの背景>と順に操作し、複数の画像にチェックを入れることで、デスクトップの背景の切り替えが可能になります

背景画像の切り替えタイミングは初期状態で30分間隔ですが、「画像を変更する間隔」のドロップダウンリストには、10秒/30秒/1分/3分/5分/15分/20分/30分/1時間/2時間/3時間/4時間/6時間/12時間/1日と複数の項目が並んでいますので、好みに応じて切り替えることが可能です。また、本機能を有効にすることで、個人設定に並ぶ「デスクトップの背景」は背景画像名から「シャッフル」に切り替わります(図02~03)。

図02: デスクトップの背景の切り替え機能が無効な状態

図03: デスクトップの背景の切り替え機能が有効になると、背景画像名が「スライドショー」になります

なお、デスクトップのコンテキストメニューには、<次のデスクトップの背景>という項目が加わり、同項目を選択することで選択した画像がデスクトップの背景画像の手動切り替えも可能です(図04)。

図04: デスクトップのコンテキストメニューには、<次のデスクトップの背景>が加わります

デスクトップの背景画像の切り替えは、既存の画像がフェイドアウトし、新しい画像がフェイドインするアニメーション効果が施されますが、今回はこのデスクトップの背景画像の切り替えスピードを調整するチューニングをお届けしましょう。

1.管理者権限でレジストリエディターを起動します。
2.HKEY_CURRENT_USER \ Control Panel \ Personalization \ Desktop Slideshowキーを開きます。
3.DWORD値「AnimationDuration」を作成し、10進数で値のデータを「5000」に変更します。
4.[F5]キーを押してから、レジストリエディターを終了させます。

これでチューニングが終了しました(図05~10)。

図05: [Win]+[R]キーを押して「ファイル名を指定して実行」を起動し、テキストボックスに「regedit」と入力して<OK>ボタンをクリックします

図06: レジストリエディターが起動したら、HKEY_CURRENT_USER \ Control Panel \ Personalization \ Desktop Slideshowまでキーをたどって開きます

図07: 右ペインの何もないところを右クリックし、メニューから<新規>→<DWORD値>と順にクリックします

図08: 「新しい値 #1」の名前を「AnimationDuration」に変更します

図09: DWORD値「AnimationDuration」をダブルクリックで開き、<10進>をクリックしてから、値のデータを「5000」に変更して<OK>ボタンをクリックします

図10: 操作を終えたら[F5]キーを押した後、<×>ボタンをクリックしてレジストリエディターを終了させます

早速結果を確認してみましょう。前述のようにデスクトップの何もないところを右クリックすると現れるコンテキストメニューの<次のデスクトップの背景>をクリックしてください。すると、それまで1~2秒ほどで切り替わっていたデスクトップの背景画像が、ゆっくりとしたアニメーション切り替えが行われるようになります(動画01~02)。

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動画01: チューニング前の状態。デスクトップの背景画像がすぐに切り替わります

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動画02: チューニング後の状態。デスクトップの背景画像がゆっくりと切り替わります

ステップ03で作成したDWORD値「AnimationDuration」の値はミリ秒単位となるため、今回のチューニングでは5秒ほどかかるようになりました。また、同データ値を「0」に変更しますと、アニメーション効果は追加されず、瞬時に背景画像が切り替わります。なお、初期状態に戻すにはDWORD値自身を削除してください。

それでは、また次号でお会いしましょう。

阿久津良和(Cactus)