2011年7月24日でアナログ放送が終了と地デジ放送の時代が目前に迫り、サッカーのW杯は6月11日いよいよ開幕、日本代表の初戦も間近と、地デジならではの美しいハイビジョン視聴・録画環境を"今こそ"整えようと考えている人も多いだろう。HDDレコーダーの導入が一番の王道かもしれないが、いやいや価格も機能も利便性も地デジ録画対応のPCを自分で作ってしまったほうがずっとお得なのだ。

PCに導入しやすくなった"地デジ環境"

アナログ放送では大ブームとなったTV録画PCだが、地デジではルール上の問題や視聴には高いスペック、ハイビジョン映像の録画には膨大なHDD容量が必要なことから、それほど注目を集めていなかった。しかし、最近ではマシンスペックが大幅に向上。低価格向けのPCでもデュアルコアが当たり前になり、1TB以上の大容量HDDの価格が非常に安くなったことから、地デジの視聴・録画環境を導入しやすくなっている。

また、地デジの視聴には、PCとディスプレイが著作権保護技術「HDCP」に対応している必要があるものの、現在販売されているものならば、ほぼ対応済みとなっているのも導入への敷居を下げている。

このほか、PC用の地デジチューナーボードは2008年より販売がスタート。当初は高機能とはいえなかったが、現在では改良が進み、1万円程度のボードでも編集やダビング10やムーブへの対応が当たり前となっており、非常に使いやすくなっているのもポイントだ。

小型でも拡張性バツグンのPCケース「SHADOW f」に注目!

地デジ対応のPCを自作しようと考えた場合、まず重要になるのがチューナーボードを内蔵できる"拡張性"と、録画先となるHDDを搭載するための豊富な"ストレージベイ"を持ったPCケースをチョイスすること。拡張性については、地デジチューナーにはUSB接続タイプもあるので、1番組だけの録画であればそれほど重要ではないが、多チャンネルの同時録画を求める場合は別。メーカーによっては、複数のボードやユニットを同時に接続することで、その数だけ番組を同時録画を可能にできるためだ。

もう一方のストレージベイの数は、そのまま録画時間に直結するため重要となる。地デジの番組は、そのままの画質で録画した場合は、1時間で約7.1GBもHDDが必要。それだけに、HDDを多く搭載できるPCケースがベターといえる。

それに加え、PCをHDDレコーダーとして活用するならば、リビングの液晶テレビと組み合わせて使うことも当然考える必要がある。テレビ台の脇に置いてもそれほどジャマにならないサイズであることも大切だ。

これら条件にフィットするPCケースが、タオエンタープライズの「SHADOW f」(シャドーフォルテ)だ。小型なマイクロATXサイズながら、3.5インチのHDDを最大6台も搭載できる。しかも、ボディはシンプルでスマートなブラックに統一され、前面はオーディオ機器のような光沢仕様とAVラックに置いても違和感のないデザインとなっているのも大きな魅力だ。

タオエンタープライズの「SHADOW f(シャドーフォルテ)」

オーディオ機器を思わせる光沢のある前面パネルを採用

さらに、HDDを固定するための"ツイン・シャドーフレームベイ"は、3.5インチHDDのほか、2.5インチのHDDやSSDの取り付けも可能。3.5インチと2.5インチのストレージを混合しての固定も行える。大容量のHDDは録画用、データ転送が高速なSSDはOSインストール用などさまざまなニーズに対応可能な柔軟性も持つ。

3.5インチのHDDを最大4台搭載できるツイン・シャドーフレームベイ

3.5インチHDDと2.5インチHDD/SSDを混合しての取り付けも可能。なお、2.5インチサイズならば1つのフレームベイに最大3台搭載できる

底面と前面の3.5インチベイを活用することで最大6台まで3.5インチHDDを搭載できる

2基の5インチベイ、1基の3.5インチベイとそのほかの拡張性も十分で、前後に12cm角の大型ファンを備えており、冷却性が高いのもポイント。複数のHDDも安心して搭載できる。

前後に12cm角ファンを備えており、高い冷却性も確保されている

さて、自作に使用するPCケースが決まったところで、次回は実際に組み立ての手順を紹介していきたいと思う。低価格でも高機能な地デジ録画PCの組み立てに興味があるなら、ぜひチェックしてほしい。