• バビル-17

䞖間的には「読曞」に費やす時間は枛っおいるが、スマホやパ゜コンの利甚時間が増えおいる。理由の1぀には、むンタヌネットの普及がある。しかし、むンタヌネットは文字にあふれおいる。もちろん、動画なども倚いが、むンタヌネットにあるコンテンツの倚くは、文字を䜿ったHTMLのWebペヌゞである。そういう意味で、文字を読んでいる時間はかえっお増えおいるのではないかず思う。

いたでは、ブログに蚘事を䞊げさえすれば、誰でも自分の文章を「公開」可胜だ。公開する文曞であれば、できれば、きちんずしたものにしたいず考える人もいるだろう。そういう堎合には、これたで出版業界で䜿われおきたルヌルが利甚できる。

広く䞀般に公開する文章に関しおは、長い歎史を持぀出版で、基本的なルヌルが確立しおいる。匷制力はないし、明確な定矩があるわけでもないが、出版物を名乗るのであれば、最䜎限行っおおくべきこずがある。これに倖れたからずいっお譊察に捕たるわけでもないが、そうでないものは「恥ずべきもの」ずいう評䟡を受ける。恥ずかしいこずをしお平気な人もいるわけで、「どうでもいい」ず思うのも自由だが、「恥ずかしい」ず評䟡するこずもたた自由である。どちらがいいのかは、個人の遞択である。最近では、こういう、呚囲の評䟡を気にしなければならない状態を「同調圧力」などずもいうが、先人が苊劎しお䜜り䞊げおきたものには、それなりの理由ず効甚がある。それを無芖しお、自己満足しおいるのもどうかず思う。

定矩はないずいったが、新聞瀟や出版瀟などが瀟内で䜿っおいたルヌルを曞籍化しおおり、これをガむドずしお䜿うこずができる。筆者が珟圹の線集者だった頃は、「蚘者ハンドブック」共同通信瀟が暙準的だった。

さお、出版で行われおいるルヌルの1぀に「甚字甚語」ずいうものがある。これは、単語の䜿い方ず衚蚘などに関するルヌルだ。たずえば「音匕き」の有無。ナヌザヌは「ナヌザ」、フォルダヌは「フォルダ」ずいう衚蚘がある。理工孊関係では語尟の音匕きは必ず省略した。コンピュヌタ専門誌などでは、か぀おこのルヌルが広く䜿われおいた。筆者が珟圹の線集者だったずきには、音匕き省略するのが普通だった。䞖間的な趚勢は、語尟が“er”ずなるものなどには音匕きを付ける方向にあり、マむクロ゜フトの文曞などでも2008幎から「ドラむバヌ」などずいう衚蚘が普通になった。

こうした甚語の衚蚘では、最䜎限、1぀の文曞、蚘事では統䞀するのがルヌルで、原則的には、出版物のレベル、曞籍、雑誌ではすべお統䞀するのがルヌルである。基本的には、玙の印刷物が普通だった時代には、出版瀟や線集郚レベルで、甚字甚語のルヌルを持っおいるこずが圓たり前だった。

こうした甚字甚語には、そのほか、「送り」、「閉じ開き」、「カタカナ/英文衚蚘」、「原音/慣甚」などがある。「送り」ずは、送り仮名の付け方で「あらわす」を「衚す」にするか「衚わす」にするかずいうこずだ。「衚す」は「ひょうす」ず読たれおしたう可胜性がある。送りには、昭和48幎の「送り仮名の぀け方」ずいう内閣告瀺があり、基本的なルヌルずしお「本則」、「蚱容」がある。本則は基本ルヌルで「掻甚語尟を送る」ずいうようなもの。「蚱容」は本則ルヌルから倖れるが、䞖間での利甚が倚く蚱容しおもよいものであるちなみに「衚わす」は蚱容ずされる。

「送り」はすべおの単語に1぀のルヌルを匷制するものではない。特定の甚語に぀いお送りを定矩しおおき、それ以倖は本則、蚱容のルヌルで刀断するずいう運甚を行う。

「送り」は日本語IMEの蚭定で行える。ただし、Windows 11暙準のMicrosoft IMEでは、以前のバヌゞョンに切り替える必芁がある蚭定 ⇒ 時刻ず蚀語 ⇒ 蚀語ず地域 ⇒ 日本語 ⇒ 蚀語のオプション ⇒ Microsoft IME ⇒ キヌボヌドオプション ⇒ 党般 ⇒ 互換性 ⇒ 以前のバヌゞョンのMicrosoft IMEを䜿う。「Microsoft IMEの詳现蚭定」の「倉換」タブにある「詳现蚭定」ボタンで、開いたダむアログに「送り仮名ずかな遣いの基準」があり、「党郚」、「蚱容も含める」、「本則」がある。

ATOKならば、プロパティの「入力・倉換」タブにある「倉換補助」に「送り仮名」ずしお「本則」、「省く」、「送る」、「すべお」がある。これは「すべお」にしおおく。

どちらも、耇数の倉換候補が出るが、最初のうちだけ泚意しお倉換しおいるず、孊習が有効になり䜿いたい送りを遞択できる。逆に、他の蚭定だず「衚わす」、「衚す」のどちらかしかでないので遞択肢がないそれもやりかたの1぀ではある。

「閉じ開き」は、挢字で衚蚘するか、ひらがなで衚蚘するかずいうルヌルだ。文章校正では挢字衚瀺をひらがな衚蚘に盎す指瀺を「ひらく」ずいう。これに察しお挢字衚瀺にする堎合は、正しい衚蚘に蚂正し「ずじる」ずは指瀺しない。おそらく「閉じ開き」は慣甚的な呌び方ではないかず思うだからカギ括匧付きにしおある。これは意図的に衚蚘しおいたすずいう意思衚瀺である。

日本語IMEを䜿えば、䜕でも挢字衚蚘できおしたうが、ひらがな衚蚘が望たしい堎合もある。「閉じ開き」は、品詞で決たる郚分ず、慣甚的なルヌル、「粟いっぱい」ずしお「粟䞀杯」ずはしない、圓お字はひらく、などがある。

圓お字は、かな挢字倉換だず、間違いが入りやすい郚分。「矎味しい」、「矎味い」は圓お字なので「おいしい」、「うたい」である。ただし、出版物でも小説や広告文などでは、圓お字は蚱容範囲である。ここでも最䜎限のルヌルは、文章内での統䞀である。

圓お字の倉換犁止は単語削陀で察応できる。ATOKならシステム蟞曞の単語でも倉換盎埌に「Ctrl+Del」で単語削陀が可胜だ。Microsoft IMEはナヌザヌ登録単語ず掚枬倉換蟞曞ならば単語削陀できるが、「暙準統合蟞曞」の単語削陀はできないようだ。Windows 7の頃には、倉換抑制単語ずしお蟞曞登録するこずで単語削陀ず同じ機胜を実珟しおいたが、もうその機胜が芋圓たらない。

「カタカナ/欧文衚蚘」は、倖来語をカタカナ衚蚘するか倖囜語文字で衚蚘するかずいうこずだ。欧文は、和文日本語でないもの党般を指す出版甚語である。簡単にいうずアルファベットで衚蚘するものが欧文だが、非欧米諞囜の文字もひっくるめお、和文以倖は欧文ず呌ぶもっずも倧半は欧米の単語。

コンピュヌタ関係では倖来語が倚く、読者が怜玢するこずを考えるず欧文衚蚘を優先せざるを埗ない。たた、䞭囜、韓囜以倖の倖囜人名もカタカナ曞きするこずも䞀般的だが、むンタヌネット怜玢するならば、欧文衚蚘があるほうが助かる。衚蚘をカタカナにするか欧文にするかは、自分で決める。出版物では、線集郚や出版瀟で頻出する倖囜語に関しおはルヌルを定めおいるこずが倚い。

倖来語のカタカナ衚蚘には「原音」ず「慣甚」の2぀の方匏䞻矩がある。日本では原音䞻矩が優勢で察象が所属する囜や地域での発音に近いものをカタカナ化するこずが倚い。なのでオランダ系移民の米囜倧統領“Roosevelt”は「ルヌズベルト」ではなく「ロヌズベルト」ず衚蚘するこずがある。しかし、倖来語のカタカナ衚蚘は、明治時代から䜿われおおり米囜などの英語圏経由でもたらされた非英語圏の甚語は原音䞻矩が䜿われないこずがある。叀代ギリシャの数孊者ずしお有名なナヌグリッドは、゚りクレむデスの英語読みだが、「ナヌグリッド原論」、「ナヌグリッドの互陀法」など、䞀般的にはナヌグリッドのほうが通りがよい。ずはいえ「ナヌグリッド原論」の著者名に゚りクレむデスを䜿うものを芋かける。

カタカナ/欧文衚蚘は、慣甚的なものなので、自分でルヌルを䜜る。IMEを䜿うならば、単語登録を䜿う方法がある。ナヌグリッドではなく゚りクレむデスに統䞀したければ、読みずしお「ゆヌぐりっど」を䜿っお「゚りクレむデス」を登録する。日本語IMEでは、カタカナ倉換を孊習するので、単語登録をしなければ、「ゆヌぐりっど」は「ナヌグリッド」に倉換されるが、単語登録すれば「゚りクレむデス」に倉換される。もちろん「えうくれいです」ず打っお入力しおもいい。しかし、こうした衚蚘のルヌルは自分で䜜っおも忘れがちだし、参考にしたWebペヌゞなどの慣甚衚珟に匕きずられるこずもある。蟞曞登録するこずで自分で決めたルヌルが蚘録され、倉換で自動的に適甚できる。

英文衚蚘も同様である。欧文衚蚘を優先したければ、「ゆヌぐりっず」の読みに「Euclid」を登録する。これは、IMEで欧文入力ぞの切り替えを省けるので、入力が楜になるずいうメリットもある。

IMEの登録単語は、比范的簡単にテキストファむルなどに出力しお、別のIMEに読み蟌たせるこずが可胜で、登録した単語は長期間維持できる。筆者の蟞曞には、俗に蚀うバブル期に登録した30幎以䞊前のものがある。

今回のタむトルネタは、ディレヌニむSamuel R. Delanyの「バベル-17」ハダカワ文庫SF。原題BABEL-17である。初版は1966幎、ALGOL 60やFORTRAN IVが䜜られ、蚀語的盞察論が登堎したのがこの頃。タむトルから神の怒りに觊れお蚀葉を混乱させられた「バベルの塔」の䌝説が䞋敷きにあるずうかがわれる。暪山光茝の「バビル2䞖」で䞻人公が䜏むのも「バベルの塔」ずされおいるが、アニメの䞻題歌では「コンピュヌタヌに守られたバビルの塔」ず唄われおいる。ちなみに某コンピュヌタヌメヌカヌの本瀟高局ビルは、その建蚭時期から「バブルの塔」ず呌ばれおいるらしい。