「ID Manager」ver.7.3

オンラインショッピングやWebメール、ブログに動画配信と、Webブラウザを利用したサービスは今や花盛り。使ってみるとどれも便利なものばかりで、あれもこれもと利用したくなってしまいますが、そうなってくると困ってしまうのがパスワードの管理です。サービスごとにパスワードが必要で、とても覚えきれるものではありません。そこで、つい全部同じパスワードにしてしまったり、覚えやすい簡単なパスワードにしてしまいがちです。これがいかに危険かは、説明するまでもないでしょう。そんなときにぜひ利用したいのが、今回紹介する「ID Manager」です。

名称 ID Manager
バージョン 7.3
作者 WoodenSoldier
種別 フリーウェア
動作環境 Windows 98 / Me / 2000 / NT / XP / Vista / Server 2003

大量のパスワードをひとつのパスワードで安全に一括管理

数が多くなりすぎて覚えきれないパスワードを、ひとつのパスワードだけで一括して管理できるソフト。登録情報は暗号化された状態で保存されるので安心だ

「ID Manager」は、大量に登録したパスワードを、1個のパスワードだけで利用可能にするパスワード管理ソフトです。本ソフトに登録した情報は暗号化された状態で保存され、利用には専用のIDとパスワードが必要になります。このため、たった1組のIDとパスワードさえ覚えていれば、何十組ものIDとパスワードを安全に管理・利用できるわけです。

Windowsのメモ帳にメモったり、パソコンのそばに付箋紙で貼り付けたりするのと違って、「ID Manager」のパスワードを知らない人に登録情報を盗み見られる心配はありませんから、家族でパソコンを共有している場合でも安全にパスワードを管理できます。

ちなみに本ソフトでは、複数のユーザを作成して、異なるデータを保存することもできるので、家族それぞれの情報を個別に管理可能です。

WebブラウザにIDとパスワードをセットで簡単貼り付け

「ID Manager」に登録したIDやパスワードは、ボタン1発で簡単にWebブラウザなどの他ソフトのパスワード入力画面に貼り付けられるので、いちいち画面を見ながらパスワードを手動で入力する必要がなく便利だ

せっかくパスワードを保存しても、いちいち画面を見ながらWebブラウザに入力するのは面倒ですし、これでは周りに人がいたらパスワードを見られてしまいます。

しかし、本ソフトなら[一括貼り付け]ボタンを押すだけで、Webブラウザの入力フォームにIDとパスワードをセットで貼り付け可能です。また、貼り付け方法のカスタマイズもできるので、IDやパスワードが複数に分かれているような変則的なサイトの利用も問題ありません。

もちろんWebブラウザ以外のソフトにも貼り付けられるので、専用ソフトを利用するようなサービスにも対応できますし、メールソフトの起動パスワードや共有フォルダのパスワードなどの入力に利用したりと、さまざまな応用が可能です。

フォルダ管理と検索機能で大量のパスワードも効率的に管理

登録パスワードが増えてくると、利用したいパスワードを探すだけでも一苦労ですが、本ソフトではフォルダグループを利用した分類・整理が可能なので、たとえば“ネットショップ”とか“ユーザー登録”といったように、用途ごとにデータをまとめて保存できます。また、これらフォルダの中に子フォルダを作れるので、もっと細かい分類も可能です。

さらに、本ソフトには検索機能も用意されているので、データのタイトルやIDなどの登録情報を元に素早く必要なデータを探すことができ、便利です。

フォルダグループを利用した効率的な管理が可能だ。子フォルダの作成にも対応する。さらに、登録情報を対象にした検索機能も用意されている。検索時には検索対象となる項目をチェックボックスを利用して選択できる

パスワードに関連したWebサイトを一発表示

本ソフトでは、IDとパスワード以外にも、シリアルナンバーやURL、Eメールアドレスなどの各種情報もセットで記録可能で、パスワードに関連した情報をひとまとめに管理できます。さらに[URLを開く]ボタンを押せば、登録したWebサイトをWebブラウザで開くことが可能です。

この他にも、登録メールアドレス宛の新規メールを作成する機能なども用意されています。メーリングリストのコマンドメールを送るときなどに活用できるでしょう。

タスクトレイアイコンから素早く貼り付け可能

「ID Manager」には、タスクバーの通知領域に常駐する機能も用意されています。これを利用すれば、タスクトレイアイコンを左クリックするだけで、素早くパスワード貼り付け機能を利用可能です。

また、パスワードの他にも、あらかじめ登録しておいたユーザ情報を貼り付ける機能も用意されているので、住所や電話番号などの個人情報を登録しておけば、オンラインショッピングなどで個人情報を入力する手間を省けます。

ちなみに、セキュリティが心配なら、タスクトレイアイコンからの貼り付けを禁止できるので安心です。

タスクトレイアイコンを左クリックするだけで、素早く登録情報の貼り付けが可能。IDやパスワードの他に、住所などの各種個人情報の貼り付けにも利用できる

細かな条件を指定できるパスワード自動生成機能

設定条件に従ってパスワードを自動生成する機能も用意されている。パスワードの複雑性を維持するためにぜひ活用したい機能だ

本ソフトでパスワードを管理することで、安心してサービスごとに別々のパスワードを設定できるようになったわけですが、パスワードが単純なままでは意味がありません。かといって、規則性のないパスワードをひとつひとつ考えるのも面倒なもの。

そんなときに利用したいのが、本ソフトのパスワードの自動生成機能です。英語の大文字小文字、数字に記号、そして文字数と条件を指定して[パスワード生成]ボタンを押すだけで、条件に合致したパスワードをランダムに作成してくれます。

その他にも便利な機能を搭載

誤操作により大切なパスワード情報を失うことがないように、一時的に編集禁止にすることも可能。普段は編集禁止にしておき、必要に応じて解除すると便利だ

ここまで「ID Manager」の主な機能を紹介してきましたが、この他にも入力データを不用意に書き換えてしまわないように編集禁止にする機能や、独自形式に加えてXMLとCSV形式に対応した書き出しおよび読み込み機能、FTPサーバへのデータアップロード機能など、便利な機能がいろいろと用意されています。

セキュリティを強化するにはまずはパスワードから改善を

ウィルスやスパイウェアなど、PCへの脅威が叫ばれるようになってずいぶんとたちますが、いくら強力なセキュリティ対策ソフトをインストールしていても、肝心のパスワード管理がおざなりでは大切な個人情報を守ることはできません。

セキュリティ対策はまずパスワードから、あなたも「ID Manager」を活用して、大切な情報をガッチリガードしましょう。