ひと昔前まで、インターネット上で個人が情報を発信するには、Webサイト自体を作成するのが一般的でした。この作業に欠かせない存在が、今回扱うFTPクライアントです。「FTP」(File Transfer Protocol)というファイル転送のための仕組みを利用し、サーバーにHTMLや画像などのファイルをアップロードするのに広く利用されてきました。
最近ではブログの普及によって、わざわざWebサイトを作らなくても簡単に情報が発信できるようになったこともあり、個人ユーザーがFTPクライアントを利用する機会も減りつつあるようです。しかし、追加料金不要でホームページスペースを提供しているプロバイダもいまだ多いですし、今後も定番ジャンルとして重用され続けていくことでしょう。
名称 | FFFTP |
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バージョン | 1.96 |
作者 | Sota |
種別 | フリーウェア |
動作環境 | Windows 98 / Me / 2000 / XP / Vista |
2画面ファイラー風の画面が分かりやすい国産FTPクライアント
今回紹介する「FFFTP」は、2画面ファイラー風の画面を採用した国産のFTPクライアントです。2画面ファイラーのように、左右の画面に表示されたフォルダ間でファイルをやりとりする感覚で、ローカルPCと任意のリモートホスト間でアップロードやダウンロードを行えるのが最大の特長となっています。
「FFFTP」は定番のFTPクライアントソフト。2画面ファイラー風の画面が特長で、、左右の画面間でファイルをやりとりする感覚で、ローカルPCとアップロード先となるホスト間でアップロードやダウンロードを行える |
またフォルダを転送する際に、子フォルダもまとめて転送できる点や、途中で一端中断したファイル転送を再開できるレジューム機能を備えている点、さまざまなファイアウォールやワンタイムパスワードに対応している点など、FTPソフトとしての基本機能がしっかりと作り込まれているのも見逃せません。
ちなみに本ソフトはFTPクライアントの定番中の定番で、「ホームページ作成講座」といった記事には必ず取り上げられているほどの有名ですから、すでに使っているという人も多いことでしょう。そこで今回はいつもとはちょっと趣を変えて、「FFFTP」の持つちょっと便利な機能を中心に紹介していきたいと思います。
アップロード中も別の操作が可能
「FFFTP」では、ファイル内容を表示するリスト画面とファイル転送画面が別処理で動作しているので、ファイル転送中でも別の操作が行えます。サイズの大きなファイルを転送する最中でも、転送終了を待たずに効率的に作業が進められます。
左右の画面で同時に移動が可能
本ソフトが2画面ファイラー風の操作を採用していることはすでに紹介しました。このため、ローカル側とホスト(サーバー)側で同じフォルダを表示する場面も多くなります。しかし、両方の画面で同じフォルダを表示するには、通常はローカル側とホスト側でそれぞれフォルダ移動を行う必要があり面倒です。
そんな時、[コマンド]メニューの[フォルダ同時移動]にチェックを入れれば、ローカル側とホスト側のフォルダ構造が同じである限り、どちらか片方で移動するだけで、もう片方の画面も自動的に同じフォルダに移動するようになるので、余計な手間を省けます。
文字コードの自動変換に対応
「FFFTP」では、接続先ごとに「ホストの設定」を作成しておき、素早く接続したり、ホストごとに初期フォルダを設定して、接続時に任意のフォルダを表示する機能を持っています。
この「ホストの設定」画面には[文字コード]タブが用意されており、ここで文字コードを指定しておけば、ファイル転送時にファイル名やテキストファイルの文字コードを自動で変換してくれます。ファイル作成時にホストごとに対応文字コードの種類を気にする必要がなく便利です。また、半角カタカナを全角に自動変換する機能も備えています。
よく利用するフォルダを素早く開けるブックマーク機能
Webサイトの管理を行う際、特定フォルダを頻繁に利用することがあると思います。こんな時に活用したいのがブックマーク機能です。ローカル側とホスト側それぞれで、よく利用するフォルダをあらかじめ「ブックマーク」登録することで、[ブックマーク]メニューから素早く開くことが可能となります。
ローカルPCとホスト側の内容を同期するミラーリング機能
FFFTPは通常のファイル転送に加え、ミラーリング機能を備えています。これは、転送先のフォルダの内容を転送元フォルダの内容で上書きすることで、完全に同じにする機能で、「ミラーリングアップロード」ならホスト側の内容をローカル側のものと、「ミラーリングダウンロード」ならローカル側の内容をホスト側のものと、完全に入れ換えることができます。
なお、転送元にないファイルが転送先にあった場合、このファイルは削除される仕組みになっています。このため間違って実行してしまうと危険ですが、編集済みの複数ファイルを1度にアップロードしたい場合や、サーバー側のファイルを一括バックアップしたい場合などに非常に便利な機能です。また、ローカルPCで作業中のデータを、FTPサーバーにコピーしてオンラインストレージサービス風に利用したい場合などにも活用できる機能でしょう。
ファイルの一括転送に便利なミラーリング機能も用意されている。これは、転送先のフォルダの内容を転送元のフォルダの内容で完全に上書きする機能で、転送先に転送元にないファイルがあった場合、自動削除の対象となる |
便利な機能を使いこなしてさらなる効率アップを
ここまで「FFFTP」の便利な機能を中心に紹介してきましたが、今まで知らなかった機能はあったでしょうか。「FFFTP」はFTPクライアントとしての基本性能の高さも優秀ですが、こうしたちょっとした便利機能が充実している点も特長です。
今まで何となく使っていたという人は、ぜひ今回紹介した機能を活用して、より便利にそして効率的に「FFFTP」を使いこなしてみませんか?