銀座のクラブといえば、言わずと知れた大人の社交場です。しかし、キャバクラやコンカフェ、ガールズバーとは異なり、SNSで情報発信を行っているお店はまだまだ少数派。そのため「なかなか具体的なイメージがわかない」という方も多いはずです。

銀座のクラブとは、一体どんなところなのでしょう。

今回は、同じナイトレジャーの中でも、うっかり混同されがちなクラブとキャバクラ、それぞれの相違点に触れつつ、「銀座のクラブでの遊び方」について解説してみたいと思います。

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クラブは一見さんお断り

先日、読者さんから私のX(旧Twitter)のアカウントあてに「銀座のクラブで遊んでみたいのだけれど、どうしたらいいですか?」とお問い合わせがありました。一見さんでも気軽に利用できるキャバクラと異なり、クラブは「会員制」であることが一般的です。

そのため、銀座のクラブで遊ぶには、まずお店とのコネを手に入れる必要があります。

具体的には、お店で働く女性(ママやホステス)、もしくは男性(オーナーや黒服さん)の関係者である必要があります。例えば、ホステスは移籍をする際に「〇月〇日からクラブほにゃららでお世話になることになりました。」と、お客様に対して案内状を送ります。そして案内状を受け取った男性は、彼女の働くクラブの新たな顧客(会員)として、そのお店に通うことができるというわけです。

また、すでに銀座のクラブの顧客としてお店を利用している男性の紹介を受けて、そのお店の会員になる、という手段もあります。

なぜ一見さんOKのキャバクラと異なり、クラブは会員制なのか。その理由はクラブ特有の支払いシステムにあります。

お金さえあればいいってもんじゃないのがクラブ

クラブの支払いのシステムのひとつに「ツケ(売掛)」というものがあります。ツケとは文字通り、飲食代をその場で支払わず、後日まとめて支払う方法です。

クラブは接待で利用されることも多い場です。接待の際に、お相手の目の前でお財布を広げ、お会計を行うのは大変見栄えが悪い。そう考えたお金持ちは、この「ツケ」システムを利用するようになりました。

その日の飲食代については後日、ママや担当ホステスが請求書を発行・送付し、お客様に支払いをお願いします。なお、支払いが遅れた場合は、ママや担当ホステスがその飲食代をお客様に代わって支払うことになります。つまり、ツケ=信用です。

銀座のクラブで遊ぶには「こちらの男性はお店のルールとマナーを厳守し、支払いが遅れたこともありません」と、ママやホステスからお墨付きをもらう必要があるのです。

クラブは永久指名制

お客様とママ、担当ホステスが信頼関係を築いていくのがクラブです。そのため、クラブはキャバクラとは異なり「永久指名制」であることが一般的です。1度指名を受けたママやホステスは「係り」、関西地方では「口座」と呼ばれ、お客様はそれ以降、よほどのことがない限り指名を変えることはできません。

これも、「ツケ」というクラブ特有の支払いシステムがあるためです。

とはいえ、お客様は浮気ができないわけではありませんのでご安心ください。お席に呼ぶ女の子、同伴する女の子、アフターに付き合ってもらう女の子はそれぞれ選びたい放題です。どの女の子と遊んでも、売上は「係り」のものですので。どうぞどうぞご自由に〜!ということです。

私のお客様の中には「若い女の子じゃないとイヤ!」とおっしゃって、私ではなく、女子大生ちゃんとばかり同伴している方も(笑)。

お金持ちにとってママやホステスは仕事仲間

前述のとおり、クラブは接待で利用されることも多い場です。接待相手に気持ちよくお酒を飲んでもらい、大口の契約をまとめたい……そんなときに心強いパートナーとして協力してくれるのが「係り」の女性です。

「Aさんはぽっちゃりした女の子が好み」「Bさんはお酒が好きだからとにかくガンガン飲ませて」「Cさんはシャイな人だから盛り上げ上手な女の子がいると助かる」そんなことを、あらかじめ「係り」の女性に伝えておくことで、よりよい接待ができるはずです。

とあるお客様は「銀座の女性には何億も何十億も稼がせてもらった」と、おっしゃっていました。彼いわく「クラブに女を口説きに来ている男はまだまだボウヤ」とのことです。お金持ちにとってママやホステスは仕事仲間なのです。

上司に「飲みに行こう」と誘われたらチャンスと思って

今回は現役ホステスの視点で「銀座のクラブでの遊び方」について解説しました。基本的には、一見さんは銀座のクラブで遊ぶことはできません。また、お店のマナーやルールを守らなかったり、ツケで遊んだ分の飲食代の支払いが滞ってしまったりすると、信用を失い、最悪の場合お店から「出禁」とされてしまいます。

銀座のクラブで遊べるって、本当に特別なことだと思います。最近の若い人たちは上司の方に「飲みに行こう」と誘われると、億劫に感じるそうですね。私も20代の頃はそうでした。でも、上司の方が「今日は銀座で飲むぞ」と誘ってくれたときは、ぜひとも飲みに出かけていただきたいと存じます。

銀座はごく一部の選ばれた人しか遊べない街です。ビギナーさんには、私たちおばちゃんが手取り足取り「銀座での遊び方」を伝授しますし、一人前の遊び人に育ててみせます。そして、いつか大切な接待の際は協力させてくださいね。