写真の検索性を向上させ、部分的な補正も自由自在
【2008年10月号掲載】
スペック
[発売元] アドビ システムズ [価格] 3万3,600円 [OS] Mac OS X 10.4.11~10.5.2 [メモリ] 1GB以上 [備考] Mac OS X 10.5以上を搭載したインテルMacでは64ビットに対応 [掲載号] 「Mac Fan」2008年10月号
OVERVIEW
プロ向けの画像管理および汎用RAW現像ソフトとして人気の高い「Adobe Photoshop Lightroom」の最新バージョンが登場した。今回のバージョンでは、画像管理にいっそう力を入れてきており、キーワードやレンズ情報などのメタデータで表示を絞り込む「ライブラリフィルタ」という新インターフェイスを搭載。また、Mac OS Xのスマートフォルダのような管理機能「スマートコレクション」も搭載し、目的の画像を素早く見つけることができるようになった。
(1) さまざまな条件で画像を検索 |
さらに、ツール類がヒストグラムパレットの下の位置に配置されるようになり、視覚的にもわかりやすくなったほか、従来のツールに加えブラシツールが装備され、より細かなレタッチワークがLightroom上で実現する。マルチモニタへの対応も果たし、いっそう使い勝手の増すバージョンアップとなっている。
インテルMacとレパードの組み合わせなら、64ビットモードで動作させることが可能だ。64ビットへの対応が直接高速化につながるわけではないが、64ビットアプリケーション化することにより、より大きなメモリ空間を活用して処理を行うことが可能になる。
FOCUS ON
前バージョンと比べると、フォルダの切り替えなど一つ一つの動作がきびきびとした動きになっている印象があり、サムネイルの表示なども遅れがなく、快適に使用できる。
また、マルチモニタに関しては、必要なときだけメニューから呼び出して表示の切り替えができる。作業状況に合わせてさまざまな表示方法を選べるなので、使い勝手は高い。
新たに搭載されたブラシツールは、基本的には部分的な覆い焼きや焼き込みを行うときに使うツールで、ブラシで書き込んだ部分の露光量を下げたり、彩度を上げたりといったことが可能になる。ブラシのサイズやぼかし量なども調節でき、ヒストリー機能で行程を戻してブラシストロークをやり直すこともできる。この機能の搭載により、Photoshopを起ち上げなくても、かなり細かな作り込みが可能となった。
190種類を超えるカメラRAWファイルフォーマット、JPEG、TIFF、およびPSDファイルなど、対応の幅広さも評価できる。同シリーズは新しいカメラへの対応も比較的早く、安心して使い続けられる1本だ。
AFTER REVIEW
前回のバージョンの完成度が高かったこともあり、今回のバージョンアップは一見すると地味に見えるかもしれない。しかし、ライブラリフィルタやスマートコレクションなど検索に関しての細かな仕様の追加は、大量の写真を扱うフォトグラファーにとって大いに役立つ機能アップで、実際の使い勝手もいい。また、マルチモニタ環境を構築しているユーザにとっては、マルチモニタ対応の恩恵も大きい。