世界初プログレッシブ出力対応! MacでフルHDを手軽に編集
【2008年5月号掲載】
スペック
[発売元] 日本ビクター [価格] オープンプライス [実勢価格] 17万円前後 [解像度] 1920×1080ピクセル [HDD] 120GB [インターフェイス] USB2.0、HDMI出力、ヘッドフォン、AV出力、コンポーネントビデオ出力、i.LINK(FireWire)出力 [サイズ/重量] W79×D130×H73mm/約500g(グリップベルト含む) [備考] CCD:1/5インチプログレッシブCCD(57万画素×3)、焦点距離:f=3.3~33(35mm換算:39.5~395mm)、記録方式:MPEG-2(映像)、MPEG-1 Audio Layer II 2ch(音声) [掲載号] 「Mac Fan」2008年5月号
OVERVIEW
家庭用ビデオカメラとして世界で初めて1920×1080ピクセルのフルハイビジョン(フルHD)撮影を実現したエブリオ。本製品は、同社がさらに小型軽量化を目指して開発したモデルで、世界で初めてプログレッシブ出力(1920×1080/60P)に対応した。フルHDテレビなどにHDMI接続し、極めて高精細な映像を表示できるのが特徴だ。
記録媒体には120GBの大容量HDDを内蔵し、最高画質(フルHD)モードで約10時間、1440×1080ピクセルでの撮影モードでは約24時間の記録が可能だ。撮像素子は画質面で有利な3CCDで、記録方式はMPEG-2。業務用として定評のあるフジノンレンズを搭載し、光学式手ブレ補正などの高精度な撮影補助機能を備えている。
(1) 手ブレ補正付きの高性能レンズ搭載 |
(2) すっきりとした背面 |
FOCUS ON
大口径レンズと直線的なデザインには高級感があるが、同クラスの他社機種に比べるとやや重い。ファインダを省いた液晶モニタ専用機なので撮影スタイルにも若干制約がある。しかし実際に撮影してみたところ、画像のシャープさや色出しの鮮やかさなど、他社のAVCHD規格のカメラよりも画質面で優れている。
(5) USBケーブルでMacと接続 |
本製品で撮影した動画ファイルは「TOD」という形式となっており、Macでは付属プラグインをインストールすれば、iMovieやFinal Cutで読み込める。ただし、現時点ではiMovie 08では動作しないため、iMovie HD 6が必要だ。さらに、バージョン10.5.2にアップグレードしたLeopardでは読み込めない場合がある。同社は詳細を現在調査中で、近々対応予定としている(※)。
ただし、撮影した映像は付属のプラグインを利用しなくても、フリーウェアの「MPEG Streamclip(ストリームクリップ)」を使って、フルHDのムービー形式に変換して書き出しておけば、iMovie 08やiMovie HD 6で読み込める。
(3) MPEG Streamclipで変換が可能 |
(4) iMovieでフルHD編集 |
AVCHD規格のカメラで撮影したH.264形式の動画がインテルMacのiMovieで簡単に取り込めるようになった今、以前と比べてMac用のプラグインソフトを添付した本製品の魅力がやや薄れているのは確かだ。しかし、AVCHD規格のカメラと比べると、MPEG-2のフルHD映像は画質面で非常に魅力的。今後互換性の問題さえ改善されれば、Macでの高クオリティのHD編集に最高の一台となってくれるだろう。
AFTER REVIEW
撮影した約1GB程度のTODファイルをiMovieに取り込んで変換すると、約4GB程度になる。iMovie HDへの取り込みにかかった時間は約20分だ。一方、MPEGストリームクリップで同ファイルをMOVへ変換するには約20分。それをiMovie HDへ取り込むのには約8分程度。この結果を見ると、iMovieへ直接取り込むのも、オンラインソフトを使って変換後読み込むのも、あまり時間は変わらない。変換の手間を厭わなければ、Macの最新環境でもすぐに使える。
(※現在は、不具合を解消するアップデートパッチが配布されています)