「外出自粛要請」が出されてかなりの時間が経過した。

依然先は見せず、不便な暮らしを強いられていることには変わりないが、むしろこんな世の中だからこそ、生まれた新しいエンタメもある。

それが「リモート飲み会」である。

「ZOOM」などのオンライン会議ツールを使い、各々自宅に居ながら、歓談し合うと言う新しいコミュニケーション方法である。

当初は「そこまでして他人と繋がりたいか」「暇を持て余した神々(リア充)の遊び」と言われていた。

しかしよくよく考えてみれば、こういった「ネット上での交流」というのは、我々インターネット野郎どもが、ネットが生まれた時からやってたいたことである。

つまり逆にリア充どもがやっと我々に追いついた、とも言える。

慣れてないんだから、最初は慎重にひきこもるといいよ

それはともかく、現在、例えネット上でも人と交流することは大事である。

不安な社会情勢の中一人でいると、どんどん悪い想像ばかりが膨らみ「となりの家の奴が俺の悪口を言っている」など別の病(ビョウ)を発症してしまう恐れがある。

もちろん、ネットで真偽不明の悪い情報や、人間の汚い部分ここに極まったような話ばかり見て「もはや人類を滅ぼす他ない」という別の病(ビョウ)を患う可能性もあるが、それはあまり良くないネットの使いかたである。

出来ればネットは、正しい情報を得たり、不安を和らげるための他者とのコミュニケーションツール、何より他人のおキャット様画像を見るために使った方が良い。

それが出来そうにないという時は、あえてアイパッドの裏側をまな板代わりに料理をしてみるなど切り替えをした方が良い。「ネットから離れる時間を作る」というのも、今の外出自粛状態に必要な健康法の1つである。

外出自粛により、平素から外にでない「ひきこもり」が思わぬ強さを見せていると言われているが、そのひきこもりだって、家で何をしているかといえば、ツイッターやピクシブで好みのイラストを見つけて「心の100億イイネを押す」などの、広い意味での他者交流だったりするのだ。

社会問題視されているような「ホンモノのひきこもり」だって、ネトゲ上では「KING」と呼ばれていたりする。

オンでもオフでも全く他者と関わらないで全くメンをヘラないという人間の方が少数派なので、リモート飲み会のような外部との交流は積極的にしていった方がよいと思う。

  • リア充どもがやっと我々に追いついた「リモート飲み会」の功罪

実際やってみたらリモートワーク並に効果を実感?

ところで、コロナ禍でたまたま生まれた「リモート飲み会」という文化だが、体験者からは「普通の飲み会よりも良い」という声も挙がっているので、もしかしたら、コロナが去ったあとでも定番化する可能性がある。

リモート飲み会のメリットは、まず現地に行かなくて済む、参加したい時に参加し、抜けたい時に抜けられ、参加が容易かつ、時間的な制約がない。また「飲み会」と銘打っているが、もちろん酒を飲まなければいけないということはなく、飲めない人間がうしろめたさを感じる必要もない。

また「割り勘問題」も完全解決している。同額の割り勘は公平なようで、よく見たら、酒を飲まない奴が「腑に落ちない」というようなアンニュイな表情をしていることがある。または「俺がとりあえず払っとくから」と言った奴が己のカードでポイントを稼ごうとしているのを見たりと、飲み会でありがちな、ピリっとする瞬間が、リモート飲み会では起こらない。

もちろん、注文を取ったり、サラダを取り分けたりなど女子力()が介入する隙もない。つまり、飲み会で感じがちなストレスがかなりフリーになるということだ。

また当然ながら安全である。感染リスクが低いのはもちろんだが、酔っぱらって事故に遭ったり、鉄格子のある部屋に留置されるなどのトラブルもないし、酔わせてワンチャンという悪事を企てることもできない。

このように、非常にメリットが多いリモート飲み会だが、当然デメリットもある。

外での飲み会の場合、終電というタイムリミットがあったり「家に無事帰宅する」というミッションが最初から課せられていたりするため、時間も気にするし飲む量もセーブする。

しかし、リモート飲み会の場合、時間的制限がない上、家ゆえに最悪酔いつぶれても大丈夫、という安心感があるため「普通の飲み会より飲み過ぎる」という報告が多い。

さらに、リモート飲み会は、思い立ってすぐ出来る上、在宅勤務で翌日出社しなければいけないという制限もない場合「連日リモート飲み会で酔いつぶれる」という生活サイクルに陥る可能性がある

つまり「アルコール依存症者が増えるのでは」と言われている。

リモート飲み会をしている者だけではなく、外出自粛により、家から出られない、やることがない、じゃあ酒を飲むか、という一世代前の早死に定年退職マインドになっている人もいるのではないだろうか。

敵はコロナだけじゃないことも思い出しておこう

一番警戒すべきなのはコロナであるが、他にも健康を害せるポイントは山ほどあるので、気をつけないとコロナが去っても別の病(ビョウ)を発症している恐れがある。

ちなみに、新しい文化が起こると必ず、悪事を企てる奴が出るものだが、今回もちゃんと現れているので安心してほしい。

「Zoom Bombing(ズーム爆撃)」と言われ、突然ZOOMのルームに知らない奴が乱入し、ポルノ画像を爆撃していくという被害が報告されている。

飲み会ぐらいだったらまだ良いが、ビジネス会議に突然のポルノが、という笑えない例もある。

おそらく、ZOOMを使った嫌がらせや犯罪などもこれから増えるだろう、使用の際は当然セキュリティに注意である。