昨年、この時期紹介しようとした商品がある。しかし、品切れで量販店をいくつか回ったが手に入らなかった。Amazonでも在庫なし。レビューしたくても、商品自体が手に入らない。たとえ、たまたま手に入って原稿をアップしてもその商品が売り切れだったら、読者の皆様に申し訳ない。ということで、紹介を見送ったものがある。それは何かというと、カイロである。使い捨てではない。何度でも繰り返して使える充電式カイロである。名前はeneloop kairo(エネループカイロ)「KIR-SL1S」、そしてもう一つが「KIR-S3S」の2機種。eneloopという名前が付いているので、おわかりの方も多いと思うがメーカーは三洋電機である。

一年が経った。今年は在庫がある。eneloop kairoを使いたい、という願いがかなった。冬のカイロはいい。自動販売機で温かいコーヒーを買ったときのような、ほんわか優しい気持ちになる瞬間がいいのである。冬の寒さにかじかんで硬くなった体も気持ちも、カイロがあると和らぐのだ。ここのところ、朝は冷えこむ。そろそろ、暖房が必要な季節になってきた。ということで早速、KIR-SL1SとKIR-S3Sの二つを使ってみた。

eneloop kairo「KIR-S3S」(ピンク)

eneloop kairo「KIR-SL1S」(黒)

KIR-SL1Sには単3形エネループを

スイッチを入れると表面がほんわかと暖かくなってくる。実のところ、eneloop kairoには液晶ディスプレイがない。KIR-S3Sは「オフ」「弱」「強」のボタンが付いているが、KIR-SL1Sは写真の通りとてもシンプル。どうやって「オン」「オフ」などの状態を知らせるのだろう? とお思いの方もいるだろう。

真ん中にある発光部分。そこが光って、充電中、暖め中などの状態を知らせてくれるのだ。例えば、KIR-SL1Sなら充電中は発光表示部分が緑色に点灯し、充電が終わると消灯する。カイロ使用中は温度スイッチを押すごとに、「弱」「強」とモードが変わる。それに合わせてランプもオレンジ色の点滅、赤色の点滅と変わる。スイッチを入れても、表面がほんわかするまで数秒の間がある。その間、何も反応がなければ本当にスイッチが入ったのか、少しだけ不安な気持ちになるだろう。でも、eneloop kairoの発光部分が光って教えてくれるので安心できる。

KIR-SL1S(シルバー)

KIR-SL1Sはエネループを使用

このカイロは充電できるところがなによりの特徴だ。細長いKIR-SL1Sは充電時間が約4.5時間。卵のような形をしたKIR-S3Sは約3時間かかる。

KIR-SL1SとKIR-S3Sの違いはデザインやスイッチの形だけではない。大きく3つある。一つ目は電池。KIR-S3Sには専用のリチウムイオン電池が内蔵されている。約500回繰り返して使える。他方、KIR-SL1Sは単3形エネループを使うのである。

ふたを開けて、エネループを入れる。別に充電器を用意する必要はない。充電機能はKIR-SL1S自体についている。オフシーズンになったらKIR-SL1Sは充電器としても使える。普段の生活で単三形電池を使う場面は多い。取材用の録音機や子どものゲームなど、電池がなくなり不便を感じることが良くあるのだ。なので、以前からエネループは欲しいと思っていた。この際、カイロと一緒に買ってしまうのも良いアイディアだと私は思う。

使い捨てカイロとどちらがいいのか

第2の違いは、温まるのが両面か片面かということだ。KIR-SL1Sは両面、KIR-S3Sは片面。ポケットに入れるにしろ、手で持つにしろ、片面でも不便だということはない。そして第3の違いはKIR-S3Sはストラップがつけられるように、通しの穴がついている。自分のお気に入りのストラップを用意して、つけるのも楽しい。

「強」「弱」の設定は個人の好みだが、私は寒がりなので「強」が好みである。マイコン制御で温度の上がりすぎを防止している。だから、「強」でも安心だ。KIR-S3Sの連続使用時間は外気が10℃のとき、「強」だと3.5時間、「弱」だと4時間。付属の携帯用の袋に入れるのが長持ちさせるコツ。KIR-SL1Sの連続使用時間は10℃のとき、「強」だと2時間、「弱」だと2.5時間である。両方の機種とも、外気の温度が低くなると、さらに短くなる。

KIR-S3S ※充電中

携帯袋に入れると長持ち

実は、ぐうたら主婦。ピアノを習っているのである。しかも、大好きなジャズ。曲を自分自身で解釈して弾く。アドリブはまだぎこちないが、なんとも楽しいのである。でも、冬は指がかじかむ。レッスンの場所に着いても、手が冷たくなってすぐには動かない。eneloop kairoで手を温めておけば指はかじかまない。大人だけでなく、お子様がお稽古でピアノを習っている方にもおすすめできる。

価格は、マイコミジャーナル価格情報(11月6日時点)で次の通り。KIR-S3Sは3,480円~4,980円。KIR-SL1Sは4,431円~6,051円だ。KIR-SL1Sのほうが少し高め。だが、エネループの充電機能が必要だという人はKIR-SL1Sのほうがおすすめだ。KIR-S3Sはストラップがつけられるし、デザインもかわいい。色はピンク、白、黒の三色から選べる。見た目重視の方はKIR-S3Sがおすすめである。

使い捨てカイロは商品によって価格は異なるが、30個入りで1,000円程度のものが店頭で売られている。1個当たり約33円。11月~3月の間、ほぼ毎日使うとすると、およそ5,000円になる。カイロを毎日使う人なら、eneloop kairoのほうがお得のようだ。そもそも、eneloopは充電式の電池で、使い捨て電池と比べて環境に配慮した商品である。ゴミを減らしたい、という方にはeneloop kairoはおすすめである。

イラスト:YO-CO