GoogleがPCとモバイルのブラウザ、そして、AndroidとiOSのGoogleアプリにおいて、検索AIモードでの日本語の提供を開始した。
今回は日本語に加えてインドネシア語、韓国語などでの提供も順次開始される。展開は今週からだ。このコラムを読んでいるなら、運がよければGoogle検索のページを開いて、すぐにAIモードを試してみることができるはずだ。
具体的にはGoogleの検索結果一覧のページに表示されるAIモードタブからこのモードを開始する。つまり、一度は従来型の検索が必要なようにみえるが、Google検索のトップページの検索ボックスに探したいもののキーワードを詳しく入れたあとにクリックするAIモードボタンや、または、ダイレクトにAIモードからスタートするURLも用意されている。
Google検索のAIモードがついに日本語対応
AIモードはGemini 2.5のカスタムバージョンを利用して実現されている。従来は複数回の検索が必要だったような、長くて複雑な質問を一回の検索で回答する。
過去におけるGoogle検索でも、AI による概要(AIオーバービュー)が検索結果一覧の先頭に表示されていたが、今回のAIモードはその拡張ともいえるものだ。AIによる概要の導入以降、ユーザーはより長く、より複雑な質問をする傾向が強まっているという。一部のユーザーは、AIによる生成応答を期待し、クエリの末尾に「AI」と追記するくらいらしい。
このモードではクエリ ファンアウトと呼ばれる技術を使っている。ひとつの質問をサブトピックに分解し、それぞれのトピックに対して検索を実行し、これまでよりはるかに深くウェブを探索できるようになるという技術だ。
また、本格的なマルチモーダル体験ができるようになっていて、テキストはもちろん、音声、カメラ、画像などを使って質問ができる。
現時点では180カ国で提供されているAIモードだが、すべては英語での提供だ。今後は各国語での利用が可能になる。
AIモードと生成AI「Gemini」は何が違う?
既存のAIチャット、GoogleならGeminiとのコミュニケーションの違いは、AIモードがウェブページを見つけるためにあるということだ。
検索のスタイルが変わり、検索ボックスに複雑な質問を入れられるようになり、その結果が、より確からしいものになるわけだが、その次のアクションは、そこで紹介されたページを参照することだ。
生成されたAIの回答を読んで完結とはならない。可能な限りAIによる回答を表示することを目指すものの、信頼性が低いとAIが判断した場合には、ウェブ検索結果が表示される。
検索から対話へ、AIモードで変わるパソコン体験
Googleの創業は1998年だ。2000年頃には誰もが知る検索手段になり、2000一桁年代にはなくてはならない存在に成長した。ほぼ四半世紀がたった今、パーソナルコンピュータとの対話による新たな体験の生成というパラダイムシフトを起こそうとしている。
その一方で、AI利用周辺には早急に解決しなければならないさまざまな問題もある。著作権のことやプライバシーのこと、そして企業機密にいたるまで、放置してはならないテーマは山積みだ。
それでも、コンピューターとの対話は今回のAIモードの展開によって一気に促進されるだろう。少なくともパーソナルコンピューターの使い方が変わるには十分な理由となるはずだ。
