こんにちは。eスポーツライターの小川です。
2026年3月19日に、全国の大学生がeスポーツで競い合う「マイナビeカレ ~esports全国大学選手権 2026~」(主催:株式会社マイナビ)の決勝大会が渋谷ストリームホールで実施されました。
昨年も筆者は同イベントを現地取材して「マイナビeカレはオフラインでの集客を放棄して、オンラインに注力している」という旨の記事を書きました。
果たして今年のオフライン大会はどのような盛り上がりを見せたのでしょうか。
全国64チームの頂点へ、大学生最強決定戦が開幕
第4回目となる「マイナビeカレ ~esports全国大学選手権 2026~」は、昨年に引き続き、「Apex Legends」と「STREET FIGHTER 6」(以下、スト6)を競技タイトルとして実施されました。
今回取材したのは、スト6の部門です。
全国のeスポーツ大学生「64チーム」の頂点を決める戦いです。
今年のトップ4に残った大学は以下のとおりです。
- 名古屋大学
- 法政大学
- 京都文教大学
- 名城大学
注目のチームは、昨年のマイナビeカレでトップ4に残りながらも敗れた、名古屋大学です。
名古屋大学の執念、リベンジを果たした優勝劇
中でも注目したいのが、名古屋大学のカミクラ選手。
プロライセンスの保持者という強力なプレイヤーです。
チームメイトのKURI選手とともに昨年のリベンジに燃えています。
今回はそんな名古屋大学の戦いを中心にお届けします。
準決勝では、法政大学との対戦です。
先鋒のKURI選手が敗れるも、中堅のおっさん選手が勝利、大将のカミクラ選手に勝敗が預けられました。
結果は見事、カミクラ選手の勝利。
名古屋大学は昨年に続いて、決勝の舞台に立ちます。
決勝は、京都文教大学との戦いです。
京都文教大学は、VRIGHTZ所属のシュウジ/Syuji選手、VARREL YOUTH所属のほしがた選手を有する強力なチームです。
準決勝では中堅で勝利したおっさん選手(プレイヤーネーム)が、決勝では先鋒として登場、見事に勝利。
その後、KURI選手は敗れ、カミクラ選手に希望を託します。
大将戦は、カミクラ選手とシュウジ/Syuji選手の戦いに。
カミクラ選手が使用するキャラクターは昨年と同様の、モダン操作の舞です。
モダン舞vsガイルという、プロシーンではなかなか見られない組み合わせ。
普段、プロシーンを取材することが多い筆者も楽しみなマッチアップです。
見事、勝利したのはカミクラ選手。
優勝した名古屋大学は、64チームの頂点に立ちました。
優勝チームコメント
カミクラ選手「本当にうれしいです。ずっとこの大会のために頑張ってきたので、この舞台でいい結果を残せて本当に最高です!」
KURI選手「自分としては今日はあまり成績が振るわなかったものの、今日はカミクラさんが試合でめちゃくちゃ勝ってくれたことが優勝に繋がりました。強いメンバーがそろう京都文教大学に、泥臭い根性で頑張ってきたこのチームで勝ててよかったです」
おっさん選手「直前で『めっちゃ攻めたほうがいい』とアドバイスをくれたアンバサダーなるおさんにありがとうと伝えたいです。もう一つは名古屋で配信を見て応援をしてくれた人にも感謝を伝えたいです」
大学eスポーツの価値と課題、現地観戦で見えた本質
ここからは筆者の感想です。
まず、名古屋大学の優勝(リベンジ)には、大きな意味があります。
これは、マイナビeカレが継続開催されていることで生まれたドラマといえます。
大学生のeスポーツ大会を文化とするべく、歴史が積み上げられているのを感じました。
また、ドラマがあったのは優勝チームだけではありません。
筆者は、法政大学の「チーム結成の秘話」に注目しました。
法政大学ではeスポーツのサークルがあるわけではなく、チームメンバーはマイナビeカレのために結成されたとのこと。
マイナビeカレの公式DiscordチャンネルとSNS上で「法政大学のひといませんか?」と募集したといいます。
マイナビeカレをきっかけに大学内での交流が生まれたケースです。
個人的には、直近まで「カプコンカップ12」「ストリートファイターリーグ: ワールドチャンピオンシップ 2025」があったので、観戦体験として「見劣りしてしまうのではないか」という懸念があったのですが、そんなことはありませんでした。
プレイヤー視点になりますが、実は今回のマイナビeカレの2日前(3月17日)にスト6のゲームバランスに調整が入っているので、その変更に選手がどのように適応しているのか気になる点でした。
また、マイナビeカレでは、プロシーンとは異なった選手とキャラクターの活躍が見られるので、プロシーンでは見ないキャラ同士の戦いがあります。
年度末の実施が定着してきたマイナビeカレは、同じく年度末に開催される、カプコン公式のイベント群と合わせて観戦することで、スト6の魅力を余すことなく楽しめるイベントになりつつあるといえるでしょう。
最後に、今回のイベントがオフラインイベントとしてどうだったのか、言及します。
毎年、気になる点ではあるのですが、事前のプロモーションの切り口はもっとあったように思えます。
例えば、今回の場合、前述のとおりゲームバランスの調整が入った直後である点に着目すると「最新パッチで最初の賞金制大会」として、現役プレイヤーの注目を集めることができたかもしれません。
とはいえ、正直、筆者としては、マイナビeカレを一般的なeスポーツ興行のイベントの枠組みに当てはめて、比較するべきではないという考えになりつつあります。
それだけ、今回の大学生たちの体験は、彼らにとって何物にも代えがたいものだったからです。
マイナビeカレは「eスポーツ×大学生の大会を"観客"に見せるコンテンツ」という側面だけでなく「eスポーツ×観客の大会を"大学生"に体験させるコンテンツ」であるともいえます。
「マイナビeカレ」のような意義深いイベントは、単純な「視聴者数」だけではない、また別の尺度でその価値を見定めるべきなのかもしれません。
















