Adobeは3月19日(米国時間)、生成AIサービス「Firefly」において、「Fireflyカスタムモデル」のパブリックベータ提供を開始した。
Fireflyカスタムモデルは、ユーザー自身の画像アセットから特定の画風やキャラクターデザイン、写真表現などを学習させた独自モデルである。これにより、クリエイターやブランドは自身のビジュアル資産を基にカスタムモデルを構築し、視覚的な一貫性を保ちながらアセット制作を効率化できる。Adobeによれば、特に次の3つのクリエイティブ作業において高い効果を発揮する。
- イラストのスタイル: 線の太さ、塗り、色彩の統一
- キャラクター: 異なるシーンでも同一人物の特徴を保って再現
- 写真スタイル: 特定の光や色、雰囲気を複数の画像で維持
学習には10~30枚の画像が必要で、ファイル形式はJPGまたはPNG、解像度は最小1000ピクセル、縦横比は最大16:9とされる。画像をアップロードすると、学習素材としての適性が分析され、トレーニングセットのスコアと改善提案が表示される。利用者は、自動生成されたモデルタイトルや説明、タグ、各画像のキャプションなどを確認・編集したうえで学習を実行する。
カスタムモデルのトレーニングの生成クレジットは500クレジットで、学習開始時点で消費される。所要時間はモデルの複雑さなどに応じて30分から数時間。作成したカスタムモデルはデフォルトで非公開に設定され、学習完了後はワークフローの一部としてモデル一覧から選択できる。
利用モデルを広げ、Fireflyを制作ハブに
Fireflyでは、一般提供開始となったAdobeの「Firefly Image Model 5」のほか、Googleの「Nano Banana 2」や「Veo 3.1」、Runwayの「Gen-4.5」、新たに加わったKlingの「2.5 Turbo」など、30以上のモデルを利用できる。
モデルにはそれぞれ得意分野や利点がある。Adobeのモデルは安全な商用利用に配慮した設計になっている。映画的な動きの表現、イラストレーション、フォトリアリズム、あるいは様式化されたデザインに優れたモデルなど、クリエイターの多くは目的に応じて複数のモデルを使い分けている。
AdobeはFireflyを「オールインワンのクリエイティブAIスタジオ」と位置付け、単一の制作環境の中で複数モデルの横断的な利用を可能にしている。1つのモデルで生成した結果を別のモデルで調整し、出力結果を比較しながらAdobeのクリエイティブツールで編集を続けられる環境をFireflyは提供する。

