米Googleは2月26日(現地時間)、画像生成・編集モデル「Nano Banana 2」を発表した。正式名称は「Gemini 3.1 Flash Image」で、従来の高速版(Nano Banana: Gemini 2.5 Flash Image)の応答性能と、上位版「Nano Banana Pro」(Gemini 3 Pro Image)に匹敵する画質と制御性を併せ持つ新モデルとなっている。

Nano Banana 2は、26日よりGoogleの主要なサービスへ順次導入される。

  • Geminiアプリ: Fast、Thinking、Proの各モードにおいて、既定の画像生成モデルがNano Banana 2へ置き換えられる。Google AI ProおよびUltra加入者は三点メニューから再生成を選択することで、引き続きNano Banana Proも利用可能である。
  • Google検索: Googleアプリおよびブラウザ(モバイル/デスクトップ)において「AIモード」や「Googleレンズ」で提供される。
  • 開発者向け: AI StudioおよびGemini API、Vertex AIでプレビュー版を提供。Google Antigravityでも利用可能となる。
  • Flow: 既定の画像生成モデルとして採用され、すべてのFlowユーザーが追加クレジットなしで利用できる。
  • Google Ads: 広告クリエイティブ制作支援機能を強化。

画像生成AIではこれまで、「画質」と「生成速度」がトレードオフの関係にあった。複雑な描写や精緻な構図を求めるほど処理時間は増大し、速度を優先すれば細部が崩れやすい傾向があった。実務で活用するには、「速さ」と「破綻しにくさ(指示追従性、文字描画精度、構図の整合性)」の両立が不可欠である。 Nano Banana 2は、Googleの最新の大規模言語モデル(LLM)「Gemini 3.1」を活用することで、この課題の緩和を図った。

Gemini 3.1は、複雑かつ多層的な指示の理解能力が向上している。これにより、Nano Banana 2では指示内容がより論理的に整理され、複雑なプロンプトに対しても一度の生成でより意図に沿った正確な結果を出せる。試行錯誤の時間が削減され、ワークフローの高速化と高品質化を両立している。

また、Gemini 3.1が持つ広範な知識と、リアルタイムのウェブ検索から得られる情報を画像生成プロセスに活用している。例えば、歴史的建造物や複雑な科学的事象を図解する際、LLMが自身の知識に基づいてインターネットからも最新の情報を取得し、それら参照情報を踏まえた描写が可能となる。特に、インフォグラフィックや技術図解の正確性向上が期待される。

従来の画像生成AIでは、画像内に正確な文字を描画することは計算コストの高い処理となり、高速な画像生成では文字が崩れやすかった。Nano Banana 2ではLLMの言語処理能力と画像生成プロセスを密接に統合することで、ポスターやカードなどの文字要素をより高精度かつ高速に描写できるようになった。さらに、画像内テキストの翻訳やローカライズも、LLMの翻訳能力を活用して効率的に行える。

クリエイティブな現場で重要となる画像の制御機能も強化された。

  • キャラクターの一貫性維持:物語やコミックを作成する際、同じキャラクターを複数の画像で登場させる必要がある。Nano Banana 2では、最大5人のキャラクターの顔や特徴、および最大14個のオブジェクトの同一性を一つのワークフロー内で維持できる。
  • 多様なアスペクト比: 従来の正方形や一般的な長方形に加え、4:1、1:4、8:1、1:8など、SNS広告や特殊なデザインにも対応できる幅広い比率をサポートする。
  • 幅広い解像度サポート: 最低512ピクセルから高精細な4Kまでを公式にサポート。公式追加された低解像度の512ピクセルは、高速イテレーションや高負荷パイプラインのレイテンシ抑制に活用できる。
  • 調整可能な推論レベル: 推論レベルをMinimal (デフォルト)からHigh・Dynamicに変更できるようになり、プロンプトの複雑さに応じて推論の精度と速度を使い分けられる。

生成画像の高度化に伴い、画像が「いつ・どこで・誰によって作られ、どのような加工・流通を経てきたか」というプロビナンス(来歴情報) の重要性も増している。Googleは透かし技術「SynthID」に、来歴情報のオープン標準「C2PA Content Credentials」を組み合わせることで、プロビナンスを証明する仕組みを強化している。Googleによると、同社のSynthID検証機能は2025年11月のリリース以来、すでに累計2,000万回以上利用された。今後はGeminiアプリにもC2PA検証を導入する予定であり、AI生成コンテンツの真偽確認をより身近なものとし、信頼性と透明性の向上を図る。