米NVIDIAは、CES 2026にあわせて最新技術「DLSS 4.5」を発表した。第2世代Transformerモデルの導入によって超解像機能における品質をさらに引き上げ、ダイナミックフレーム生成では最大6倍までAIを用いたフレームを映像出力に差し込めるようになっている。しかし、旧モデルでは性能面にやや負担があるようだ。

  • 「NVIDIA DLSS 4.5」はRTX 20 / 30にはちょっと荷が重い。“Preset”設定項目を確認しよう

    「NVIDIA DLSS 4.5」はRTX 20 / 30にはちょっと荷が重い。“Preset”設定項目を確認しよう

NVIDIA DLSS 4.5をTuringベースのRTX 20やAmpereベースのRTX 30で有効化すると、性能に若干不利があるというもの。NVIDIA DLSS 4.5リリースにあたって公式ガイダンス「DLSS Programming Guide」の内容が更新され、ハードウェアの世代に応じたVRAMの使用量やフレームタイムに関する情報が開示されている。いずれの世代でもVRAM使用量や実行時間が若干大きくなっているが、特にRTX 20 / 30のような旧世代モデルで顕著になっていることがわかる。

  • NVIDIA公式ドキュメントより抜粋

    NVIDIA公式ドキュメントより抜粋

「DLSS 4までは旧世代製品でも快適だったのになあ」という声が海外を中心に大きくなり、これを受けて公式フォーラム内でNVIDIAの社員が説明を行う一幕が見られた(外部リンク)。NVIDIAのTim氏は、「DLSS 4.5 Super Resolutionでは、第2世代Transformerモデルを導入しており(中略)、FP8精度を採用しました。RTX 40/50シリーズでの高速化処理を行うことで、より高性能なモデルによるパフォーマンスへの影響を最小限に抑えています」と言及。

要するに、RTX 40以降ではハードウェアがFP8精度での推論動作にネイティブ対応しているために性能と品質を両立できたが、それ以前ではFP8精度に対応できず速度面で不利になっている。なお、RTX 20/30シリーズでも多少の性能がトレードオフになることを前提にすれば、高品質を目的にDLSS 4.5を利用すること自体は可能だ。

続けてTim氏は、「RTX 20/30シリーズはFP8に対応していないため、これらのGPUでは新しいモデルの使用によるパフォーマンスへの影響がより大きくなります。そのため、FPSを優先したいユーザーの方は、既存のPreset K(DLSS 4.0)設定のまま使用されることをお勧めいたします」と説明した。DLSS 4.5の展開以降もDLSS 4を手元で任意に設定することで、品質よりも性能を重視したいRTX 20 / 30のユーザーは性能低下を抑制できる。

ここでDLSSのPreset機能について補足しておくと、NVIDIAはDLSS等に活用するモデルをユーザー側で任意に変更できる機能をNVIDIA App内で提供している。第1世代のTransformerモデルを導入したDLSS 4は「Preset K」として選択可能。今回新しく第2世代Transformerモデルを採用した「DLSS 4.5」は「Preset L」「Preset M」が担当しており、最新(Latest)を選択すると自動的にPreset Mが選択されるようになっている。

  • 適用中のDLSSモデルはNVIDIA App内のオーバーレイで確認可能。正式リリースは1月13日だが、すでにゲームに適用して最新機能を体験できる

    適用中のDLSSモデルはNVIDIA App内のオーバーレイで確認可能。正式リリースは1月13日だが、すでにゲームに適用して最新機能を体験できる

  • 詳細に検証したわけではないが、シャープネスが高められてくっきりした気がする。この画像はDLSS 4.5 Balanceを適用したもので、掲載用にリサイズしているので比較には適さない

    詳細に検証したわけではないが、シャープネスが高められてくっきりした気がする。この画像はDLSS 4.5 Balanceを適用したもので、掲載用にリサイズしているので比較には適さない

ちなみに、各Presetの内容についても上述したドキュメント内に記述がある。多くのゲームタイトルではPreset Kがデフォルト設定されているとみられ、今後LやMを手元で差し替えるられる形になりそう。NVIDIAとしてはPreset LからPerformanceモードを推しているようで、第2世代Transformerモデルを活用した超解像機能の効率・品質面に自信が伺える。

  • Preset F (Ultra Perf/DLAAモード向け): 次のSDKサイクルで廃止予定のため、使用しないでください。
  • Preset G: 使用しないでください。デフォルトの挙動に戻ります。
  • Preset H: 使用しないでください。デフォルトの挙動に戻ります。
  • Preset I: 使用しないでください。デフォルトの挙動に戻ります。
  • Preset J: Preset K に似ています。Preset J は、わずかにゴースト(残像)が少ない可能性がありますが、代わりにちらつきが増える場合があります。通常は、Preset JよりもPreset Kが推奨されます。
  • Preset K: DLAA/Balanced/Quality モードのデフォルトPresetです。Preset Lと比較して、パフォーマンス面での負荷が低くなっています。
  • Preset L: Ultra PerformanceモードのデフォルトPresetです。Preset JやKよりもゴーストが少なく、よりシャープで安定した画像を提供しますが、パフォーマンス面での負荷は高くなります。RTX 40 シリーズ以降の GPU で最高のパフォーマンスを発揮します。
  • Preset M: PerformanceモードのデフォルトPresetです。Preset Lと同様の画質向上を実現しつつ、処理速度はPreset JやKに近くなっています。RTX 40 シリーズ以降のGPUで最高のパフォーマンスを発揮します。