年の瀬を迎え、忘年会などで飲酒の機会が増える時期。電動キックボードなどのマイクロモビリティサービスを展開するLuupが、飲酒運転防止に向けた新たな取り組みを開始しました。
渋谷区内のLUUPポートでのアルコール検査や、LUUPアプリでの認知テストを行うことで、安全対策を強化していくとのこと。本稿では、発表会の模様をレポートします。
飲酒運転への二重対策+ヘルメット装着推奨を強化
今回の取り組みはLuup単独のものではなく、一般社団法人渋谷未来デザインおよび渋谷区と連携し発足した官民連携プロジェクト「Shibuya Safe Ride Project」の一環。その第一弾として、年末年始に向けた飲酒運転対策などを展開します。
乗車前のアルコール検査
12月に渋谷区内のポートに警備員が立ち、機械によるアルコール検査を行います。アルコールが検出された場合、利用者はライドを開始できません。
この検査は抜き打ちで、主に夜間に実施。あえて終了期間は公表していません。将来的には無人で可能な検査も考えているものの、現状は技術上、アルコール検査器を野外に常設することは困難ということでした。
人員を配置したこの取り組みは、Luup岡井社長によれば「採算度外視」。まずは有人での対策を行って、その実効性を検証したいと語りました。モビリティシェア事業者が利用前にアルコール検査を行う取り組みは同社によれば世界初といいます。
乗車前の「反応テスト」
12月中旬以降、渋谷の繁華街エリアでライドを開始するユーザーを対象に、LUUPアプリ上での「反応テスト」を導入。認知機能のテストによる飲酒運転の防止を図ります。
メディア向けに事前公開されたデモを見たところ、ネタバレは避けますが、「通常の覚醒状態なら余裕だが、泥酔していたら落第するだろう」と思われる内容でした。
このテストに関して、高井社長は「単独で100%の効果があるものではないが、アルコール検査などほかの施策と合わせて展開することで安全性を高めたい」と語りました。
12月9日から15日まで、渋谷区内の広告枠を活用した啓発広告を掲出するほか、SNSやWebメディアでも注意喚起を実施。これまでも継続してきた安全講習会も引き続き開催します。
ヘルメット着用をスタッフが推奨する試験も
12月12日・15日の15時~18時まで、渋谷マークシティ、コインパーク神山町第5、代官山T-SITEの各ポートでヘルメットの有人貸出を試験的に行います。
これ以前に行ったヘルメット貸出の実証実験の結果、無人でレンタル可能な状態にしても、衛生面の不安などから装着率は低かったとのこと。今回は人員を配置することで、より一層の着用推奨を目指します。
創業の地で「安全運転の土台作り」を推進
今回の試みの場を渋谷にしたのは、渋谷がLuup創業の地で、最もループの利用率が高い街であることも大きく関係しています。
渋谷は1日10,000人以上LUUPの乗降があり、駅前から駅から遠いエリアへ行くため、あるいは公共交通機関では遠回りなルートを直接移動する手段などとして使われています。
「LUUPを渋谷で使う」と聞くと、何となく観光利用も多そうに感じますが、実はほとんどが住民による利用。6割ほどが通勤・通学用途といいます。岡井社長は「LUUPはまちなかの駅前化のための事業なので、住んでいる人に使ってもらえれば」と言い添えました。
一連の飲酒運転撲滅、安全運転の啓発施策に関して、日本有数の人口密集地帯である渋谷でモデルケースを作り、うまく行ったものを全国展開する方針です。
会見中、岡井社長が何度も口にした「採算度外視」というフレーズが印象的でした。LUUPは普及フェーズを過ぎ、利用者はもちろん、非利用者から見た安全性をどう担保するかが最重要課題になっていると言えそうです。
飲酒運転は乗り物の種類を問わずいまだ根深い社会問題。今回の取り組みで、LUUPのみならず、都市部での軽車両全体の意識向上にもつながることを願いたいところです。









