米NVIDIAは11月19日(現地時間)、2026年度第3四半期(2025年8〜10月期)の決算を発表した。売上高・利益ともに市場予想を上回り、過去最高となる好決算であった。

今回の決算で注目されたのは、発表直後の株価の動きである。AIバブル崩壊への懸念からリスクオフムードが強まり、「好決算でも株価は上がらない」との見方もあった。しかし、同社が予想を上回る強気なガイダンスを示したことで、時間外取引で同社株は一時4%以上上昇した。

8〜10月期の売上高は前年同期比62%増の570億600万ドルで、アナリスト予想の549億2000万ドルを上回った。GAAPベースの純利益は319億1000万ドルで、前年同期の193億900万ドルから65%増加した。調整後1株当たり利益(EPS)は1.30ドルで、予想の1.25ドルを上回った。

事業部門別の売上高は以下の通り。

  • データセンター:512億ドル(前年同期比66%増)
  • ゲーミング&AI PC:43億ドル(前年同期比30%増)
  • プロフェッショナル・ビジュアライゼーション:7億6000万ドル(前年同期比56%増)
  • オートモーティブ&ロボティクス:5億9200万ドル(前年同期比32%増)

データセンター事業は売上高全体の約9割を占め、その主力顧客はハイパースケーラーと呼ばれる巨大クラウドプロバイダー(Amazon Web Services、Microsoft Azure、Google Cloudなど)である。AIインフラ投資が急拡大する一方、投資家の間では「最終的な利用者の需要が追いつくのか」との疑念が強まり、需要鈍化や在庫積み上がりを懸念する声もあがっている。これに対し、ジェンスン・ファンCEOは「クラウドGPUは完売状態である」と述べ、Blackwell世代GPUの売れ行きについても「桁外れである」と旺盛な需要を強調した。

決算説明会では、コレット・クレスCFOが複数のパートナー企業の成果を挙げ、AI投資が実際にビジネス価値を生んでいると説明した。たとえば、MetaではAIレコメンド強化によりFacebookやThreadsの利用時間が増加している。Anthropicは年換算の売上高見通しが70億ドル規模に達した。SalesforceではAIコード支援ツール「Cursor」の活用により、エンジニアの生産性が少なくとも3割向上したという。

2026年度第4四半期(2025年11月〜2026年1月)については、売上高見通しを650億ドル(±2%)とした。アナリスト予想の617億ドルを上回る水準であり、少なくとも現時点では需要の減速を織り込んでいないことを示した形である。