日本ではゲーミング製品から完成品PCの展開で知られるMSIが、COMPUTEX 2025では別フロアにブースを二分してサーバー向けのラック製品や、IoTソリューション、さらにEV向け充電器の展示を行っていました。なんでも日本への正式導入も予定しているとのこと。忙しい方向けにまとめておくと、消費者向けに展開予定の製品は据え付けて使うモデルと車載して持ち運べる2モデル。商業施設向けの急速充電タイプも開発を進めているそうです。
昨今台湾電機メーカーによるEV向け充電器(EVSE、Electric Vehicle Supply Equipment)市場への参入が相次いでいるそうで、たしかにここ数年このような展示会のブースで見かけることもしばしばありました。あまりEVに明るくない筆者にしてみれば、車両そのもののメーカーがセットで専用の充電器を販売しているものなのかと思っていましたが、案外そうでもない模様。コンセントの形状、電圧、車両側のプラグ形状等を対応する仕様で揃えれば、社外品のような、いわゆるサードパーティ製品も選択肢として有力だそう。
そこでMSIはEVに乗る消費者向け製品として、自宅に据え付けて設置するタイプの「EV Life」と、車載して持ち運び、移動先等で用いる「EZgo」を展開予定(製品名は変更されるかも)。EV Lifeは単相200VAC入力・最大出力6kWの壁掛け型で、別売りのスタンドも用意。プラグはType 1、いわゆるSAE J1772に対応します。
加えて、持ち運び用の充電器「EZgo」も展開予定。単相200VACか三相400VACで15Aまでの入力に対応し、単相では最大3kW、三相では最大10kWの出力をサポート。1.8インチのモニターを備えて動作状況を知ることができるようになっています。
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「EZgo」。よく知るmsiのロゴが入っていてPC周辺機器のような雰囲気
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Bluetooth接続にも対応してスマホアプリとの連携も可能
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展開先の地域に応じて様々なプラグを用意します
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制御デバイス上部を取り外して互換性のあるケーブルに変更できます
このほか、まだ日本での展開は未定ながら上位モデルの展示もありました。専用カードでの認証機能を搭載して充電の開始・終了を制御できるほか、ナンバープレートを読み取ることでその手間自体を省ける最上位モデルも展開。クラウドやローカルで動作状況を一覧できるサービスも用意し、複数台を管理することもできるとのこと。
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上位モデルの「EV AI」と「Eco Premium」
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カードで知らない車が勝手に充電することを防げます
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ナンバープレートを読み取って特定の車両にのみ充電を行うことも可能
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統合ユーティリティ「MSI eConnect」。複数の充電器を一覧できますが、今のところWi-Fi機能に対応した上位モデルのみの対応です
商業施設用のモデルもありました。買い物のような短時間でもしっかり充電を行えるよう最大8kWの急速充電に対応し、1台で2台充電できます。本体は薄く、強烈に重いケーブルを支えてくれるウィンチも内蔵していました。