Nothingは3月4日、低価格スマートフォンの新製品「Nothing Phone(3a)」を発表した。6.77インチの大画面OLEDパネル、望遠カメラを含む3眼カメラ、おサイフケータイに対応したFeliCa搭載など充実装備に仕上げながら、54,800円からの低価格に抑えた。デザインと性能を両立しながら手ごろな価格に抑え、「iPhoneは高くて買えないが、デザインがダサいスマホや性能が低いスマホは欲しくない」と考える若年層に響きそうだ。

Nothing Phone (3a) の注目ポイント

  • 54,800円と安いのに3眼カメラやFeliCa搭載、最新スマホとしてはコスパ抜群
  • 望遠カメラは最大30倍ズームに対応、画質や手ぶれ補正は実機での検証が必要
  • 背面の一部が光る透明デザインで個性を演出、背面パネルはガラス化して質感が向上
  • 楽天モバイルでブルー色を独占販売、実店舗で実機を確かめてから購入できる

価格は、メモリー8GB+ストレージ128GBモデルが54,800円、メモリー12GB+ストレージ256GBモデルが59,800円。発売は4月15日。国内の大手キャリア(MNO)では初めて楽天モバイルが取り扱いを発表し、楽天モバイル限定色のブルーも用意する。

  • 英Nothingが発表した低価格スマートフォン「Nothing Phone(3a)」。個性的な光る透明デザイン、3眼カメラ、おサイフケータイ対応、6.77インチの大画面OLEDパネルなどの充実した装備を持ちながら、54,800円からの意欲的な低価格で販売する

  • メモリーやストレージの多い上位モデルでも59,800円と、10万円超えが当たり前になった昨今のスマートフォンとしては圧倒的に安い

54,800円でも3眼カメラ

2024年4月に発売した低価格モデル「Nothing Phone (2a)」の改良版。シリーズの特徴である透明パーツやLEDを用いた背面デザインを継承しつつ、背面パネルは従来のプラスチックからガラスに一新し、薄さと触感を向上させた。カラーはブラックとホワイトの2色で、ブルーモデルを楽天モバイル独占で販売する。

  • Nothing Phone(3a)を手にするNothing Japan代表の黒住吉郎氏

  • 画面は6.77インチと大きく、明るさも十分。独自デザインのホーム画面も備える

  • ひと目でNothingスマホだと分かる透明デザインを採用。背面パネルはプラスチックからガラスに変更し、薄型化に貢献するとともに触感がよくなった

大きな改良点がカメラ機能。Nothing Japanの代表を務める黒住吉郎氏は「これまでのNothingスマホはカメラ性能がいまいち、と言われていたので全面的に見直した」と語り、この価格帯の低価格スマホでは珍しく広角、超広角、望遠の3眼タイプとした。スマホユーザーが重視する望遠カメラは光学2倍、ロスレスで4倍、デジタルズームで最大30倍の望遠撮影に対応する。3つのレンズは横一線に並べ、デザイン性も重視した。

  • 横一線に並ぶカメラ。カメラ周辺のデザインは日本の枯山水をイメージしたともいわれている

  • 望遠カメラは光学2倍ながら、ロスレスズームやデジタルズームも備える

ディスプレイは、Nothingスマホで最大となる6.77インチの有機EL(OLED)パネルで、これはiPhone 16 Pro Max(6.9インチ)に匹敵するサイズ。明るさは3000ニトと明るく、屋外でも視認性が高い。チップはAI性能を高めたSnapdragon 7s Gen3で、AI処理やゲームで不満のない性能とした。

日本のユーザーが重視する装備も網羅した。本体はIP64の防塵防滴構造で、水しぶきのかかる状況でも使える。FeliCaチップを内蔵し、おサイフケータイにも対応した。Nothingスマホで初めてeSIMにも対応した。バッテリーは5000mAhの大容量タイプで、最大50Wの急速充電にも対応する。

ユニークな新機能として、日常で気になったことやアイデア、ひらめきなどをまとめて取り込む「エッセンシャルスペース」機能を新たに搭載した。取り込んだ情報をAIが分析し、さまざまな提案をしてくれる。本体右側面には、情報を取り込むための専用のエッセンシャルキーも用意した。

楽天モバイルでも販売、専売色のブルーを用意

Nothing Phone(3a)は楽天モバイルでも販売する。ホワイトとブラックの2色に加え、楽天モバイル専用カラーとしてブルーを用意するのが特徴。全国の楽天モバイルショップの実店舗でも展示し、購入前にNothing Phone(3a)を手に取って試せる。Nothing Japanの黒住吉郎氏は「楽天モバイルのリアル店舗で展示できるのはNothingにとって魅力的」と語り、実店舗での展示でNothingスマホを知らなかった層への認知拡大を狙う。

  • 大手キャリアとしては初めて楽天モバイルがNothingの端末を販売する

  • 日本では楽天モバイル限定販売となるブルーモデル(右)

  • 深いブルーにまとめられており、安っぽさはない

  • 楽天モバイルは標準色のホワイトとブラックも取り扱う

楽天モバイルでの販売価格は、メモリー8GB+ストレージ128GBモデルが54,890円、メモリー12GB+ストレージ256GBモデルが59,900円。ブルーモデルは、それぞれ2,000円高となる。MNPでRakuten最強プランを初めて申し込んだ人は、Nothing Phone(3a)の購入時に最大2万ポイントの楽天ポイントを還元する。

  • Nothing Phone(3a)を手にする左からQualcomm Japan社長の中山泰方氏、黒住吉郎氏、楽天モバイル コーポレートマネジメントディビジョンディレクターの大久保公博氏

  • NothingでCEOを務めるカール・ペイ氏も発表会に来場した