3月13日、Androidの次期メジャーアップデート「Android 16」の初のプラットフォーム安定版となる「Android 16 Beta 3」がリリースされた。Auracast放送オーディオのサポートが追加されたほか、Local Network Protection (LNP) のテストが可能となった。
Android 16 Beta 3のリリースに伴い、Pixel 9デバイスがAuracast放送オーディオに対応したLE Audio対応機器をサポートする。これは、Androidが音声アクセシビリティを強化する取り組みの一環である。
Auracastは、Bluetooth LE Audio規格に基づく音声伝送技術であり、対応する補聴器やイヤホンが特定の送信機から直接オーディオストリームを受信できる仕組みである。従来のBluetooth接続とは異なり、ペアリング不要で複数のデバイスが同時に音声を受信できる。これにより、空港やコンサート会場、教室などの公共の場で、クリアな音声案内や音楽を直接聴くことが可能になる。特に、聴覚補助が必要なユーザーにとって、大幅な利便性向上が期待される。
また、視力が低下したユーザーの可読性を向上させるため、Android 16 Beta 3では「アウトラインテキスト」機能が導入された。これは従来の「ハイコントラストテキスト」に代わるもので、テキストの周囲により広いコントラストエリアを作成し、視認性を向上させる。
LNP(ローカルネットワーク保護)は、将来のAndroidメジャーリリースで正式導入される予定の機能で、ユーザーがローカルネットワーク上のデバイスへのアプリのアクセスをより細かく制御できるようにする。悪意のあるアプリによる無断アクセスの防止、ネットワーク上のデバイスの保護、ユーザーの管理強化といったセキュリティおよびプライバシーの向上が期待される。LNPの導入でアプリのネットワーク権限の管理方法が変わる可能性があり、Beta 3から開発者がLNP導入後の環境に備えたアプリの動作テストを行うことが可能となった。
Beta 3を導入可能なデバイスは、Pixel 6/6 Pro、6a、7/7 Pro、7a、8/8 Pro、8a、9/9 Pro/9 Pro XL、Pixel Fold、Pixel 9 Pro Fold、Pixel Tabletなどである。
プラットフォーム安定版は、APIおよびシステムの動作が確定し、次期メジャーアップデートの正式版リリースに向けた最終段階にあたる。Android 16の開発は4月にBeta 4をリリースし、第2四半期中に正式版の提供を開始する予定である。Googleは5月20日〜21日に開発者カンファレンス「Google I/O 2025」を開催する。