LINEヤフーは2月17日、名古屋大学大学院教育発達科学研究科・教育学部の内田良教授監修のもと、全国の小中学校の教員および保護者を対象に実施した、「学校と保護者の連絡に関する実態調査」の結果を公表した。調査の結果、学校・保護者間の連絡におけるデジタル化率は教員41%、保護者46%といずれも半数に満たないことが明らかになった。
このレポートは、日本全国の20~69歳の保護者および教師を対象に、2024年10月4日~10月9日に実施されたアンケート調査の結果に基づく。
教員と保護者それぞれに、学校と保護者間の連絡手段を尋ねると、連絡時にデジタルツールを利用している割合(以下、デジタル化率)は教員で41%、保護者では46%と半数以下であった。
具体的な連絡内容別のデジタル化率では、「遅刻・欠席・早退の連絡」が最も高く、教員55%、保護者63%であった一方、最もデジタル化率が低い項目は「面談の日程調整」で教員24%、保護者30%となった。
さらに、連絡内容別の「デジタル化希望と現状」の差を比較すると、教員は平均27ポイント、保護者は平均19ポイントの開きがあり、デジタル化のニーズと実際の利用状況には乖離があることがわかった。
教員と保護者それぞれに、学校・保護者間の連絡において困っていることを尋ねると、最も多かったのは 「紙のプリントを子どもが保護者に渡し忘れる」(77.3%)、次いで 「電話が日中につながらず勤務時間外になる」(77.0%)、3位は 「保護者との連絡に時間を取られる」(69%)であった。
一方、保護者の連絡手段に関する課題で最も多かったのは 「子どもがプリントを出し忘れる」(49%)、次いで 「電話だと日中に出られない」(47%)、3位は 「新しいアプリ・ツールを入れるのが面倒」(34%)となった。
教員・保護者それぞれに現状使用している連絡手段の数と、希望について聞くと、教員は平均3.2個、保護者は平均2.8個の連絡手段を使用していた。さらに、現在2つ以上の連絡手段を使用している人のうち、「1つのアプリやツールに統一したい」と考えている割合は、教員87%、保護者89%と高いことがわかった。
さらに、前述の「学校・保護者間の連絡において困っていること」の調査では、「現状のアプリ・システムでは、校務支援システムとの連携ができていない」54%、「アプリ・システムを使いこなせない教員がいると、使える教員に負担がかかる」50%など、デジタルツールに関する課題を持つ教員も半数以上いることがわかった。
教員や保護者の負担を軽減するためには、「なるべくアプリを増やさずに、誰でも使える簡単なシステムで、教員と保護者のコミュニケーションを網羅的にサポートできる」ツールや仕組み作りが求められているといえる。
教員・保護者それぞれに「学校の『LINE公式アカウント』を利用して保護者/学校との連絡が『LINE』で実施できるとしたら魅力的だと思うか」を聞いたところ、魅力的と回答した人は教員73%、保護者71%と、ともに約7割に上り、教員・保護者ともに「LINE」を活用した保護者連絡システムへのニーズが高いことが明らかになった。
なお、LINEヤフーは、学校と保護者の連絡課題を解決するためのシステム「LINEスクール 連絡帳」 を提供している。教員や保護者の負担を軽減するため、無料で利用できるフリープランを用意しており、さらに 2026年3月末までは有料プランも無償で利用可能だ。