全国各地の美術館や博物館で行われる展覧会の情報は、かつては地域ごとに発行されている情報誌などで知ることができた。
しかしネットの時代になってからは、逆に情報が溢れかえるようになったこと、また「ここさえ見ておけば大丈夫」という決定版といえるサイトが不在ということもあり、情報収集がかえって難しくなった印象がある。実際に訪れた人がSNSに書き込んでいるのを見て開催を知るというパターンも、増えているのではないだろうか。
今回はこうした、全国各地の展覧会の情報を集めているサイトをまとめて紹介する。扱っている展覧会の数はもちろんのこと、検索の切り口やソートキーなどはサイトによって異なるため、自分にとって「ここさえ見ておけば大丈夫」というサイトを探す場合の参考にしてほしい(データは2024年11月5日現在)。
Tokyo Art Beat
Tokyo Art Beatはアートビートが運営。「展覧会」カテゴリからは、都内を中心としたエリア、ジャンル、タグ、さらに遅くまで開館している展覧会や入場無料といった条件で展覧会を検索できる。7日以内に終了・開始といった絞り込むための条件も多いほか、新着順・評価の高い順などソートキーの多さも際立つ。また地図から展覧会を探せる「マップ(β版)」はほかのサイトにはない機能。ほかのサイトと異なり、美術館そのものを検索する機能はない。
アイエム
アイエムは丹青社が運営。「展覧会」カテゴリでは地域および都道府県、種類、開催日、ジャンルによる展覧会の検索が行える。ソートキーは新着順、人気順、終了日順、開催日順の4つ。また「美術館・博物館」では館種やミュージアムショップ・レストランなどの設備の有無、ジャンルなどで美術館・博物館を絞り込むことができる。巡回展の情報や、主要なミュージアムの年間スケジュールを紹介するページもある。登録されている美術館・博物館の数は8,150。
artscape
artscapeは大日本印刷が運営。「展覧会」カテゴリでは、おすすめの展覧会のほか、地域および種類、会期、フリーワードでの検索が行える。会期および企画展・常設展の種別で絞り込めるが、ソート機能は用意されていない。このほか「ミュージアム」では、地域およびフリーワードで美術館・博物館・ギャラリーを探すことも可能。登録されているミュージアム数は2,232。
美術手帖
美術手帖はカルチュア・コンビニエンス・クラブが運営。「美術館・展覧会」のカテゴリで、エリア、開催期間、展覧会名・会場名のほか、もうすぐ終了・もうすぐ開始、入場無料、18時以降もオープンといった条件で、展覧会を検索できる。並び替えは新着順・終了日順・人気順の3つ。このほか「美術館・ギャラリー」ではエリアおよび名称から美術館・ギャラリーを検索する機能も用意されている。登録件数は公表されていない。
美術展ナビ
美術展ナビは読売新聞が運営。「美術展一覧」のカテゴリでは、キーワード、地方、都道府県、開催状況をもとに検索が可能。このほか「美術館検索」のカテゴリでは、キーワード、都道府県、美術館名といった条件で美術館を検索できるが、ソート機能がないのがやや難。GPS情報をもとに現在地の最寄りの美術館を探す機能もある。登録されている美術館の数は430。
アートアジェンダ
アートアジェンダはFAITHが運営。「EXHIBITION」カテゴリでは、全国の展覧会を地域(最大12カ所)、開始日、終了日、キーワードなどの条件で検索が可能。並び順についても開催日の近い順、終了日の近い順、クリップ数の多い順など多くのキーが用意されている。「MUSEUM」では全国の美術館を都道府県・対象期間・キーワードから検索できる。登録されている美術館の数は311。