カシオ計算機(カシオ)は11月6日、高知県内のすべての県立高校33校で、授業特化型アプリ「ClassPad.net」が今月末までに導入・活用されることを発表した。都道府県単位での一斉導入は、今回の高知県が初の事例となる。
「ClassPad.net」は、デジタルノート、授業支援機能、数学ツール、オンライン辞書などの学習コンテンツを統合した、授業に特化したアプリ。教師と生徒によるインタラクティブな授業や生徒同士の議論に活用でき、思考力の育成や効率的な学びに役立つ。現在、全国の高校を中心に402校で導入されており、国語の授業で便利な縦書き機能や、グループワークでの動画・画像データ共有機能が高く評価されている。
高知県はGIGAスクール構想により、2021年度に県立高校で1人1台の端末を整備した。2022年4月には、カシオ計算機と「高知県立学校におけるデジタル学習支援に関する協定」を締結し、県立高校でのICT活用の実践と検証に「ClassPad.net」を導入。共同研究で得られた効果は、アプリの機能改善に生かされてきたという。
今回、「ClassPad.net」は、探究的・協働的な学びに役立つデジタルノートなどの機能を7月31日にアップデートした。これにより、生徒が他グループのノートを閲覧できるほか、教師が生徒全員にノートを一斉配布できる機能が追加された。こうした新機能や従来の機能が高知県から高く評価され、今月末までに県内全ての33県立高校に順次導入される予定だ。
また、学校への本格導入に先立ち、高知県教育委員会と協力して地域ごとに説明会や実技講習を開催したことで、スムーズな導入を導入につながったという。今後、カシオは「ClassPad.net」の公式YouTubeチャンネルや教師向けのコミュニティサイトなどを活用し、対面およびオンラインの両方で各学校の導入・活用をサポートする計画だ。