2023年にコナミデジタルエンタテインメント(KONAMI)から発売された『桃太郎電鉄ワールド ~地球は希望でまわってる!~(桃鉄ワールド)』は、プレイヤーが鉄道会社の社長となり、総資産ナンバーワンを目指す国民的すごろくゲーム「桃太郎電鉄」シリーズの最新作だ。

今作の舞台は「地球」。世界のさまざまな都市をめぐるため、各地の特色を活かした物件や名産品、歴史上の偉人など、ゲームプレイを通して多種多様な文化に触れられる。

そんな『桃鉄ワールド』ならではの魅力を活かし、子どもたちに楽しく世界の国旗を学んでもらおうと、『桃鉄ワールド』体験会イベントが開催された。会場は、東京学芸大学附属小金井小学校。いつも授業を受けている教室内にモニターとゲーム機がずらりと並び、参加者は「国旗クイズ」やゲームプレイを楽しんだ。

  • 桃鉄小学生イベント

    ゲームをプレイしながら、世界中の駅を巡って地理を学び、国旗博士を目指す『桃鉄ワールド』体験会が開催された

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    会場の東京学芸大学附属小金井小学校の教室。「夏休みの学校でゲームをする」という特別感が、子どもたちをワクワクさせる

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    机の上には、コントローラーの操作方法やメモ用紙が準備されていた

まずは「国旗クイズ」にチャレンジ! 何問わかるかな?

体験会の参加者は、東京学芸大学附属小金井小学校に通う小学1〜6年生の生徒。学年の近い3〜4名のチームに割り振られた子どもたちは、指定の席に着席し、イベントのスタートを今か今かと待ちわびる。

まず「桃太郎電鉄」シリーズのPRを担当するクイスト笑美さんから挨拶があり、PRの仕事内容や本作の魅力が紹介された。クイストさんが、「『桃太郎電鉄』を知っていますか?」と質問を投げかけると、一斉に手を挙げる子どもたち。1作目の発売から35年続くシリーズが幅広い年代で楽しまれていることが分かる。

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    KONAMIのPR担当であるクイストさんからの質問に元気よく答える子どもたち。ほとんどの参加者が「桃太郎電鉄」を知っていた

ゲームを始める前に、みんながどれくらい世界の国旗を知っているか、「国旗クイズ」が出題された。筆者も子どもたちと一緒にチャレンジしてみたところ、勘に頼りながら10問中6問を正解。初めて見る国旗も多く、改めて世界にはさまざまな国があることを実感した。

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  • ゲームをプレイする前に出題された国旗クイズ。何問正解できるか、ぜひチャレンジしてみてほしい

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    体験会のために予習をしてきたのか、迷うことなく正解の旗に丸をつけていく子もいた

国旗クイズの答え合わせをしたあとは、いよいよ『桃鉄ワールド』のゲームプレイを開始。1チームに1名スタッフが付き添い、操作方法などを丁寧に解説する。すでに「桃太郎電鉄」シリーズをプレイしたことのある子が、未経験の子に教える姿も見られ、「青がプラス駅で、赤がマイナス駅だよ」「このカードには、こんな効果があるよ」といった基本的なルールだけではなく、ときには「この物件を買ったほうが収益率が高いよ」など、攻略方法を熟知した的確なアドバイスが飛び出た。

また、目的地から一番遠かったプレイヤーに取り憑く貧乏神の「ボンビー」が出題する意地悪なクイズにも、多くのチームがみんなで知恵を出し合い、協力して挑んでいた。お互いの総資産を競うルールとはいえ、みんなでゲームを楽しもうとする子どもたちのひたむきな姿が印象的だった。

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    参加者の中には今回初めてゲーム機に触れる子も。KONAMIのスタッフだけでなく、子ども同士で教え合う姿も見られた

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    赤いマスはマイナス駅で、持ち金が減ってしまうから避けたほうがいいと教えてあげる女の子

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    ボンビーから「湖の形から名前を当てる」という高難易度のクイズが出題されると、みんなで相談しながら見事に正解を当てた

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    ボンビーからは、国旗クイズも出題される。不正解だと持ち金を減らされたり、物件を売り払われたりするので注意が必要だ

気になったのはどの国旗? 調べて、メモして、みんなの前で発表!

約2時間半かけてゲームを楽しんだあとは、本作で新搭載された「マイワールド」を使い、各地の国旗を調べる時間が設けられた。「マイワールド」は、これまでに到達した駅や発生したイベントなど、旅の記録を振り返ることができる機能。子どもたちは、「虫メガネ」のカーソルを動かしながら、ゲームをプレイして気になった国や国旗を調べ、思い思いにメモを取っていた。

「アメリカの国旗には、現在の州の数を示す星が50個描かれている」と知って、一つひとつ数えながら星を描く子や、「イタリアの国旗は、緑と白と赤の三色で描かれている」と丁寧に色分けをしながら描く子など、みんな熱心にレポートをまとめる。

ゲームプレイ中は、どうしても目的地にたどり着くことに夢中になってしまうが、こうしてあとからゆっくりと世界の地理や歴史を振り返れる機能は、「復習」にぴったり。全366駅の踏破を目指すコンプリート要素も、子どもたちの収集欲を大いに刺激するだろう。

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    『桃鉄ワールド』で新搭載された機能「マイワールド」。旅の記録を振り返ることができる

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    「虫メガネ」のカーソルを駅に合わせて「物件リスト」や「旗の解説」をチェック

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    各地の物件やイベントは、旅行ガイドブック『地球の歩き方』が監修。国旗だけではなく、名産品や観光スポットなど地域の特色が学べる

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    色鮮やかなイタリアの国旗に惹かれたと話す女の子チーム。みんなで旗の解説を読み、デザインに込められた意味や由来を学ぶ

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    定規や色鉛筆を使いながら、細かな部分まで国旗を模写する子も。解説を読み、しっかりと特徴を捉えている

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    子どもたちは、みんな熱心にメモを取っていた

体験会の終盤では、チームでひとつ「気になった国旗」を選び、代表者が発表。「ネパールの国旗の形が不思議で、どんな理由があるのか気になった」「月と星が描かれた、モロッコの国旗が印象的だった」といった意見や、「カジノで1億円儲けたから」なんて理由でアメリカの国旗を選出したチームもあった。

あわせて、子どもたちからは「今日の感想」が発表され、「いろんな国旗を学べて楽しかった」「勉強が嫌いな子でも楽しく学べると思った」「楽しかったから、家に帰ったらゲームを買ってもらいたい」など、さまざまな感想があがった。

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    チームの代表者が、「気になった国旗」と「今日の感想」を発表。なんと全10チームがそれぞれ異なる国旗を選んだ

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    「剣がかっこよかった!」と大きくサウジアラビアの国旗を描いた男の子。一生懸命書いたレポートを見せてくれた

全チームの発表が終わったところで、再び国旗クイズを実施。体験会を通して子どもたちがどれくらい国旗を覚えられたかを調査すると、ゲームプレイ前より点数が上がった子の姿も見られた。筆者も再チャレンジしてみたところ、10問中7問正解とわずかながらに成績が上がった! 目に見えて点数が上がると、勉強に対するやる気も格段に増すだろう。

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  • 2度目の国旗クイズにチャレンジ。問題を解きながら、「目的地だった国の旗だ!」なんて声があちこちから聞こえた

体験会の最後に、ゲーム内で登場する制作者のメッセージがクイストさんから伝えられた。

「『桃鉄ワールド』は 地球上のすべての都市が 線路や空路でつながっている 平和で自由な世界が舞台です。プレイヤーは その路線をつかって よりよい未来を創ろうとしている 電鉄会社の社長さんたちです」

「毎日が 桃太郎電鉄のような 平和な日々でありますように」

そして、今回の体験会を通し、世界中の国旗を学んだことが、平和な未来を創るきっかけになってくれたらうれしいと、子どもたちへメッセージを贈った。

  • 桃鉄小学生イベント

    PR担当のクイストさんから、本作に込められた制作者の想いが語られる。子どもたちは最後まで真剣にクイストさんの話に耳を傾けていた

ここで、家に帰ってからもゲームを楽しみながら学びを深めてもらうため、参加者全員に『桃鉄ワールド』のゲームソフトがプレゼントされることが伝えられる。思いもよらぬサプライズに、子どもたちは大はしゃぎ! 「買ってほしいとねだられるのではないか……」と心配していたであろう保護者たちからも喜びの声が上がり、この日一番の盛り上がりを見せた。

歓喜の雰囲気に包まれながら、とびきりの笑顔で集合写真が撮られ、体験会は無事終了。帰りに『桃鉄ワールド』のゲームソフトを受け取り、子どもたちは幸せいっぱいで帰路についた。

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    最後は参加者全員で集合写真を撮影。子どもたちの眩しい笑顔が、『桃鉄ワールド』体験会イベントの楽しさを物語る

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    プレゼントされたゲームソフトを手に持ち、みんなで記念撮影。子どもはもちろん、保護者にとっても良き思い出となっただろう

筆者も、これまでに多くのことをゲームから学んできた。学校の授業で習ったことは綺麗さっぱり忘れても、ゲームを通して学んだことは、今も色褪せずに心に残っている。

今回の体験会に参加した子どもたちにも、『桃鉄ワールド』で遊びながら学んだ知識が「楽しい夏の思い出」として心に深く刻まれたことだろう。

前作『桃太郎電鉄 ~昭和 平成 令和も定番!~』では、学校などの教育現場に向けて、ブラウザ版『桃太郎電鉄 教育版Lite ~日本っておもしろい!~』(桃太郎電鉄 教育版)が制作され、大きな話題を呼んだ。

「ゲームで遊びながら、楽しく勉強ができる」と広く伝えていくためにも、今回のような体験会イベントの継続的な開催と、『桃鉄ワールド』の教育現場への展開も期待したい。

©さくまあきら ©Konami Digital Entertainment