Microsoftが米国時間2024年7月15日にリリースしたDevチャネル向けのWindows 11 Insider Preview ビルド26120.1252は、いくつかの機能改善を備えているが、注目は更新プログラムの管理である。

同日に公開した公式ブログによれば、Windows 11 バージョン24H2およびWindows Server 2025に毎月配信する累積更新プログラムの適用負担が軽減されるようだ。

チェックポイントという新たな概念を導入し、更新プログラム適用時にチェックポイントを作成。ここから関連するアップデートパッケージと、チェックポイント情報に含まれるバイナリーファイルのバージョンを踏まえた増分ファイルを含むパッケージを配信するという。

Microsoftはこれにより「時間や(ネットワーク)帯域幅、およびストレージスペースを節約できる」と説明している。

本機能が有効なのはビルド26120.1252以降のため、どのように累積更新プログラムが提供されるか不明だが、「ノートPCを開いたらWindows Updateがはじまって作業がままならない」という場面も軽減するだろう。なお、WSUS(Windows Server Update Services)やMicrosoft Updateカタログによる運用・管理も行える。

  • ビルド26120.1252のWindows Update

ただ、類似の機能は以前から用意されてきた。Windows 11 バージョン 21H2は不要なファイルを含めない範囲読み取りを実行して、更新プログラムのファイルサイズを約40%も小さくしている。

さらにバージョン22H2もダウンロードサイズやインストールに必要な作業スペース、ストレージ使用量を削減し、対バージョン21H2からダウンロードサイズ13%、ストレージ使用量17%の削減に成功した。

つまり今回の更新プログラムに対する改善は目新しいものではないが、喜ばしい進化である。なお、ビルド26120.1252に対する他の更新は公式ブログを参照してほしい。

前述した公式ブログの注目点はもう一つある。それは「Windows 11 バージョン24H2は今年後半にすべてのデバイスで従来の機能更新プログラムとして利用できるようになる」の一文だ。

チェックポイントによる累積更新プログラムのテストはDevチャネル段階。ここからベータチャネル、リリースプレビューと検証を重ねていくことと、過去のリリースタイミングを鑑みれば今秋が妥当だろう。

もっとも筆者はバージョン24H2をさほど楽しみにしていない。すでに毎月の品質更新プログラムでバージョン23H2は問題なく動作し、新機能も場面に応じて利用・有効化できる。バージョン24H2で大きなトラブルは発生しないと思われるので、過去のWindowsと比較してもスムーズな更新になりそうだ。

  • バージョン23H2(ビルド22631.3880)でも「Win」+「T」キーは使用可能