見事に復活を遂げたPolaroidの最新インスタントカメラ「Polaroid I-2」、いよいよ日本でも販売が始まります。今回販売を開始するのはクラウドファンディングサイト「GREEN FUNDING」で、4月24日にプロジェクトが始まる予定です。支援価格は未定ですが、担当者は「4月24日~25日の2日間限定で特別価格で販売する。特別価格は9万円台の予定で、それ以降は2万~3万円ほど高くなる見込み」としました。

  • 懐かしいポラロイドカメラのシルエットを残しつつ、最新のデジタル技術を盛り込んだインスタントカメラ「Polaroid I-2」

インスタントカメラの元祖として知られるPolaroidですが、デジタルカメラの隆盛を受けて2001年に破綻。2008年にはポラロイドフィルムの生産もいったん終了したものの、オランダにある工場が有志により救済され、生産を継続。その後、新しいカメラの開発も目指し、Polaroidの商標も取得。2023年、ブランドロゴの一新とともに欧米で登場したのがPolaroid I-2です。

  • ポラロイドの新ブランドロゴ。5色のイメージカラーをカメラのレンズ部にもあしらっている

  • この20年ほどのポラロイドは激動の連続だった。ポラロイドに熱い思いを持つ有志が、消え去ってしまうのを防いで見事によみがえらせた

Polaroid I-2のおもな特徴は以下の通り。

  • 従来のポラロイドフィルムと互換性あり、i-Type、600、SX-70の各フィルムが使える
  • フィルムは8枚入りで3,000円前後の見込み
  • 日本人技術者が開発した高画質レンズを搭載、35mm判換算の焦点距離は98mm相当
  • 測距用のLiDARセンサーを用いたオートフォーカス機構を搭載
  • 撮影モードはオートや絞り優先、シャッター優先など6種類を用意、露出補正も可能
  • ファインダーは光学式、ファインダー内に各種撮影情報を表示
  • 充電式バッテリーを内蔵、USB Type-C経由で充電可能
  • Bluetoothでスマホ連携が可能、リモート操作やフィルムのデジタル化が可能
  • 重さは約563g
  • 大きなレンズをあしらった前面パネル。赤いボタンはシャッターボタンで、下のスリットから撮影したフィルムが排出される

  • カメラの構え方はポラロイドらしく独特だ

  • フィルムは底面カバーを開けて装着する。ファインダーの接眼部が後方まで伸びている

Polaroid I-2は、伝統的なアナログ体験と最新のカメラ技術を組み合わせたインスタントカメラのハイエンドモデル。インスタントフィルムは、以前と同じポラロイドフィルムが使えるほか、専用のフィルムも投入します。

  • ポラロイドフィルムのサイズはこれまでと同じ。フレームに色や柄を施したものも用意する

  • ポラロイドフィルムは従来機種用のSX-70フィルムや600フィルムも利用できる。それぞれ感度が異なるので、フィルムの装着後に設定する必要がある

  • さまざまなブランドとコラボしたフィルムもある

  • フィルムの販売価格は8枚入りがおおむね3,000円前後になるとのこと。フィルムはオランダ製(Made in Enschedeとの記載あり)

まず特徴的なのが、画質を高めたこと。35mm判換算で98mm相当の中望遠レンズユニットは、3枚のレンズで構成されており、いずれもガラスレンズにそん色のない光学性能を持つプラスチックレンズが使われています。レンズ開発には、かつてオリンパスでイメージング事業を手がけた小島佑介氏や、同じくオリンパスで光学機器の開発を手がけたToshimasa Akagi氏が携わっています。レンズ部には49mm径のフィルターが装着できます。

  • レンズは、オリンパスでカメラ開発を手がけた技術者が開発した。35mm判換算の焦点距離は98mm相当で、開放絞りはf8となる

  • 開発時のラフスケッチと2名の技術者。3枚のレンズで構成されているのが分かる

オートフォーカス機構も搭載します。測距には、レンズ脇に設けられたLiDARセンサーを用いる仕組みで、室内など光量の少ない状況でも正確で素早いピント合わせができます。

  • レンズ横にある2つの丸い部分がLiDARセンサーだ

撮影モードはオート、絞り優先、シャッター優先、マニュアル、多重露光、セルフタイマーの6種類を用意。レンズ部の根元にある露出補正ダイヤルを併用すれば、自身のイメージに合わせた仕上がりにできます。

  • 撮影モードは背面のボタンで切り替えられ、白表示のパネルも備える

  • レンズ部には露出補正用のダイヤルを備える

背面のファインダーは光学式で、像の大きさと明るさにこだわって設計したといいます。内部に情報表示用のディスプレイも備えており、絞りやシャッター速度、露出計、手ブレ警告などが確認できます。

  • 特徴的な造形の背面。ファインダー窓が左上にある

  • ファインダー内には情報表示用パネルを搭載。さまざまな情報が確認できる

Bluetooth経由でスマホと連携する機能も備えています。スマホからのリモート操作だけでなく、撮影したフィルムをスキャンして四角く補正したうえでスマホに保存する機能も持ちます。

本体の電源は充電式のバッテリーで、本体背面のUSB Type-C端子から充電できます。フル充電時の撮影枚数は非公開。本体サイズは149.9×119.3×91.2mm、重さは約563g。

  • 背面に充電用のUSB Type-C端子を備える。左隣はフラッシュのシンクロ接点だ

  • 底面には三脚穴を用意。I-2のロゴの下には、現CEOのメッセージが刻まれている

Polaroid I-2は、現在リニューアル中のSHIBUYA TSUTAYA内の4階フロアに開設する「GREEN FUNDINGタッチ&トライ」にて、4月25日から展示する予定です。