作業効率を求めてマルチモニター環境を構築する人もいると思いますが、個人的には43インチ4Kのような高解像度かつ大画面のモニター1️台の環境が好みです。

そんな折、毎日のように使っていたモニターの調子が急に悪くなり、いいモニターはないかと探していたところ、デルの5K2Kモニターの新型「U4025QW」が国内でも発売されました。前モデルの「U4021QW」の存在は知っていて5K2K解像度(5,120×2,160ドット)が気になっていたので、いい機会だからと思い切って購入、しばらく使ってみたので実際にレビューします。

  • 「Dell U4025QW」レビュー、5K2K解像度・120Hzの圧倒的性能を堪能できる40型ウルトラワイド

5K2K(5120×2160ドット)の高解像度で120Hz高速駆動、DCI-P3 99%カバー

U4025QWは40インチの大型サイズで、5K2K(5120×2160ドット)という高解像度、画面比率21:9のウルトラワイド、リフレッシュレート120Hzというハイエンドなモニターです。4K(3840×2160)に比べて約34%領域が広くなっており、複数のウィンドウを画面上に配置できるだけでなく、動画編集アプリなどをスペースいっぱいに使うことで効率化が高まったり、ウルトラワイドを活かして映画などの映像コンテンツをより楽しめたりとメリットがとても多いです。

  • デル U4025QW。原稿執筆時の価格は257,158円

IPSパネルを採用しており、視野角は水平垂直ともに178度とほぼ真横からみても見え方に変化がほとんどありません。色域はsRGBカバー率100%、DCI-P3カバー率99%と色の再現力も非常に高いです。なお、応答速度は標準で8ms(GtoG)となっています。

曲面スクリーンを採用しているというのも特徴です。画面中央を正面から見たときと目線を端側に合わせたときの距離がほとんど同じになるので、フラットな大型モニターよりも明らかに見やすいです。曲率は2500R(数値が小さいほど大きく曲がる)とそこまできつくなく、両端の視認性をよくしつつも、曲面のゲーミングモニターと比較すると緩やかなカーブで歪み感はあまり感じない、ほどよい塩梅だと感じました。

  • 40インチ、WUHD(5,120×2,160ドット)、リフレッシュレート120Hzの圧倒的なスペック

映像入力はDisplayPort 1.4×1、HDMI 2.1×1、Thunderbolt 4×1が用意されています。Thunderbolt 4は140WのUSB PDにも対応しているので、対応したポートを備えるノートPCであればケーブル1本で映像出力と給電まで行うことができて便利です。

ただし、5K2Kという高解像度なため、接続するPCによってはこの解像度で出力できなかったり、出力はできてもリフレッシュレートが30Hzになってしまったりする点には注意が必要です。

また、ドッキングステーションのような機能があり、アップストリームポートで接続したPCからモニターに接続した機器が利用可能になります。ポートの数も多いため、よほどのことでない限りUSBポートが足りないという事態には陥らないかと思います。15W出力の充電に対応したUSB Type-Cポートがありスマホの充電も可能です。

さらに、ポータブルSSDやUSBメモリなど常時接続しないようなデバイス用に、ポップアップクイックアクセスポートと呼ばれるポートが用意されています。使うときだけUSBポートを出すことができるため、普段は見た目をスッキリさせられて快適です。

2台のPCの映像を同時に表示できるPbP(Picture by Picture)と、PiP(Picture in Picture)にももちろん対応しています。PbPの比率を50:50だけでなく細かく設定できるのも便利。さらに、1つのキーボードとマウスを2台のPCで操作できるKVM機能も搭載しています。

スタンドを含めたサイズが幅94.66cm×高さ47.23~62.23cm×奥行き25.28cmと巨大なので、それなりに大きなデスクでなければかなり窮屈になってしまいます。重量も12.22kgと重量級、設置の際は十分注意しましょう。

  • 映像出力とUSB PD対応のType-Cポートがあれば、ケーブル1本でノートPCの映像表示と給電が同時に行える

  • 背面ポート類は左からHDMI 2.1、DisplayPort 1.4、Thunderbolt 4(デイジーチェーン対応)、Thunderbolt 4(アップストリーム、140W給電対応)、USB Type-C(アップストリーム)、USB Standard-A×3、音声ライン出力、USB Standard-A、2,5GbE LANポート

  • ポップアップクイックアクセスポートにはUSB Type-C×2とUSB Standard-Aの計3ポート

  • OSDメニューからPbPやPiPの有効化などができる

  • 背面には電源ボタンとOSDメニューを操作するためのジョイスティック

  • 付属品は電源ケーブル、DisplayPort 1.4ケーブル(1.8m)、HDMIケーブル(1.8m)、Thunderbolt 4アクティブケーブル(1.5m)、USB C-to-Aケーブル(1m)

Dell U4025QWのここがイイ!

まずはシンプルに作業領域が広がったことで作業効率が上がりました。今までは43インチの4Kモニターを使っており、それでも十分快適だったんですが、解像度が横に1,280ドット広がったのが想像よりも恩恵がありました。

普段は画面を縦に三分割して使っていて、一番使う真ん中を幅1,920ドットにしています。4Kだとその時点で1,920ドットしか残されていないので、左右が960ドットとかなり狭くなってしまいます。5K2Kだと3分割したうちの1つを1,920ドットにしても3,200ドット残るので、左右を1,600ドットで使うことができるんです。思ったよりもこの差は大きかったですね。

43インチ4Kから40インチ5K2Kになったことでドットピッチが小さくなるので、文字が小さすぎて見づらくなるかなという懸念もありましたが、モニターから60~70cm離れて使う分には全く問題なかったので杞憂でした。

  • 5K2Kの解像度は縦三分割でも広く使うことができる

U4025QWの特徴の1つに、120Hzの高リフレッシュレートがあります。つまりゲームもヌルヌルです。ウルトラワイドに対応したタイトルであれば5K2Kの高解像度かつ120Hzのリフレッシュレートで、迫力満点なゲーム体験が楽しめます。作業用だけでなくゲーム用としても素晴らしいモニターです。

  • 40インチ5K2KでプレイするAC6は没入感も高まって最高

筆者はデスクトップPCとノートPCの両方を使い分けているので、ノートPCで作業をしたいときにケーブル1本接続するだけで映像出力と給電が行えるのは非常に便利です。

KVM機能を備えているため1つのキーボードとマウスで2台のPCを操作できるのもグッド。マルチペアリング可能なキーボードやマウスもありますが、それだと都度接続先を切り替える必要があります。U4025QWでは映像のソースを切り替えるだけで自動的にキーボードとマウスの接続先が切り替わるので、手間とストレスがとても減りました。

映像ソースの切り替えやPbP、PiPなどのOSDで操作できる機能は、Dell Display Managerで設定したホットキーで素早く呼び出すこともできます。毎回背面のジョイスティックにアクセスする必要がないので、設定しておくと非常に快適になります。

U4025QWの価格は257,158円(記事制作時点)。唯一無二の性能を鑑みれば、コスパがいいとはいえ普通に高額な商品です。しかし、そもそも毎年買い替えるようなジャンルの製品ではないですし、3年の保証もついていて安心。なによりも、一度使えばこれ以外のモニターを使えなくなるんじゃないかというレベルの衝撃を与えられました。間違いなく買ってよかったと言えるモニターです。