世界最大級のテクノロジーイベント「CES 2024」で最優秀賞を受賞したアイテム「WILLCOOK PACKABLE」が、応援購入サイト「Makuake」で販売を開始しています。
電気で発熱する「布」を内蔵したバッグで、表のポケットが約10分で100度ほどの熱さに温められ、レトルト食品やペットボトルなどをこのバッグ1つで温められる優れモノ。3月26日に開催されたMakuakeの家電新製品体験イベントで、実物を見てきました。
モバイルバッテリーをつなぐとバッグが発熱
「WILLCOOK PACKABLE」を開発したWILLTEXは、繊維1本1本が発熱する布「EXFIBERS」(エクスファイバーズ)を活用した事業を展開するベンチャー企業です。
今回応援購入をスタートした「WILLCOOK PACKABLE」は、シリーズの3代目にあたる新製品で、すでにサコッシュ型の「WILLCOOK HO-ON」(初代)、折りたたみ式の「WILLCOOK TREK」(2代目)が発売済み。いずれもバッグの側面にEXFIBERSを内蔵し、専用バッテリーをつなぐと、中に入れた食品や飲料などを温められることが特徴です。
新製品の「WILLCOOK PACKABLE」も“温められるバッグ”という特徴はそのまま。外側のポケットに、「EXFIBERS」を組み込んだ発熱パーツを備え、市販のモバイルバッテリーを接続することで、すぐに外側ポケットを温められます。バッグ自体はトートバッグとしても、リュックとしても使える2WAYデザイン。メインポケット部分は温まらないので、日常使いも可能です。
温められた外側ポケットに手をいれると、一瞬手を引っ込めてしまうほど、かなりの熱を感じます。発熱もスムーズで、モバイルバッテリーの電源をいれると数秒で温まり始め、例えばレトルトのカレーなら約20分でホカホカ、約40分でアツアツにできるそう。WILLTEXは災害時の備えとしても活用できると推奨しています。
防災やアウトドアに活躍、温度は4段階で調節できる
WILLCOOK PACKABLEの外側ポケットに取り付けられている発熱パーツは取り外し可能。単体で、寒い日のひざ掛け用途や、防災時の暖房器具としても活躍します。
温める温度は4段階で設定でき、ポケット内部の温度はレベル1で約40~55度、レベル2で約60~85度、レベル3で約85~120度、レベル4で約100~130度と、実用的な発熱具合です。最長60分のオフタイマー機能のほか、切り忘れを防ぐための自動切センサーも搭載。スマートフォンとの連携もでき、本体を背負ったまま専用アプリから温度を設定することもできます。
なおポケット内部はアルミシートなどを使った断熱構造となっているため温度が上がりやすいですが、熱源となるEXFIBERS自体は最大60度までの発熱となっています。ポケット内部の優れた保温性能を活かし、冷たい飲み物を冷たいまま長時間保存することにも適しています。
3月27日時点でMakuakeに用意されているリターンは、希望小売価格(29,500円)から33%割引となる早割標準セットが19,750円。本体とモバイルバッテリーのセットは32%割引となる22,100円から用意されています。
温められるバッグ、開発に至ったワケ
「WILLCOOK」シリーズの“肝”ともいえるEXFIBERSは、三機コンシスが特許を持つ繊維技術「HOTOPIA」をベースにした素材。銀あるいはステンレスを繊維にコーティングして編むことで、伸縮性・耐久性を保ちながら導電性も持たせた面状の導電体となっています。
布が発熱する――というアイデアは、WILLTEXの上田彩花CTOが真冬に子どもの部活応援をしていた際の寒さ対策からスタートしたといいます。厳しい寒さを防ぐべく、発熱するウェアが開発できないかと試行錯誤するなか、三機コンシスが特許を持つ“発熱する布”「HOTOPIA」と出会い、これを生かした製品の企画・開発・販売に至ったそうです。
通常の布と同じく洗濯も可能。繊維はタオル地よりずっと薄く、発熱させるのに大掛かりな設備もいらないため、ジャケットや手袋といった衣類のほか、病院のベッド用ヒーターや工業用ヒーターなど幅広いジャンルで使われているとのこと。第4弾となる新製品の開発も進んでいるとのことで、今後の展開がとても気になる製品でした。