2024年2月22日~25日の4日間、みなとみらいにあるパシフィコ横浜にてCP+2024が開催されました。Synology(シノロジー)はここ数年CP+の常連となっていますが、今回はNASではなく、新しく登場したBeeシリーズ(BeeDrive/BeeStation)を目立つ場所に配置。ひとことでBeeシリーズを紹介すると、初心者向けに必要最小限の機能に絞って導入しやすさを意識した製品です。

  • CP+2024のSynologyブース。これは初日の開場直後なので閑散としていますが、最終日のセミナーはブースから人があふれんばかりでした

  • 今年のCP+は超大手ブース以外、モデルさんがほぼいないなか、Synologyは例年通りモデルさんを配置していました。手に持っているのは主力のNASです

HDDストレージのBeeStationは、キットタイプのNASとは異なり、最初からHDDが組み込まれた形で販売されています。これも初心者向けの製品といえます。

  • 今年のSynologyのイチオシはBeeシリーズ。こちらはHDD NASタイプのBeeStation。HDDが1ドライブ、かつ組み込み済で販売されているため、コンセントとLANケーブルを接続して、製品に入っているQRコードでセットアップできるという容易さが魅力

近ごろ、「子どもがお風呂やビニールプールに入っている写真」「蒙古斑が見える写真」をクラウドストレージに保存すると、アカウント抹消されるという事例が報告されており、バックアップの内容には少々センシティブな状況です(必ずしも抹消されるとは限りませんが、児童ポルノと判断されると警告なしで抹消されるケースもあります)。

自宅のHDDに保存しつつ、友人にシェアしたり出先で閲覧するといった「パーソナルクラウド」としての使い方を意識しており、「NASは便利らしいけど、キットにHDDを入れるなんてできないし、機能も多すぎてよく分からない。スマートフォンに入っている大切な画像を保管したいだけ」という人向けといえるでしょう。こちらは簡略化されたNASなので、LAN接続となりパソコンレスで使えます。BeeDriveは1T/2T/4TB、BeeStationは4TBの製品が現在販売中です。

パソコンのバックアップやファイル同期が簡単にできるだけでなく、スマートフォンのバックアップも行えるのが特徴。SynologyのNASで人気のPhoto機能と同様に写真をシチュエーションや人ごとに自動的にタグを付けて管理しやすくする機能はありますが、全体的に簡略化された作りで初心者向きとなっています。

  • 保存した写真や動画は一覧で閲覧できます。BeeStationのポイントが、自宅からだけでなく外からスマートフォンなどで閲覧できること

  • Beeシリーズは、写真の整理とバックアップというCP+的には不可欠な2つの機能に簡略化されています。Bee Photosは、従来のPhotosの簡略化版ですが、写真の自動振り分け機能は健在です

  • こちらはバックアップの画面。世代バックアップにも対応しており、うっかりセーブしたけど古いものを呼び出したい、というニーズに応えます

SSDポータブルストレージのBeeDriveは、フラッシュメモリーを搭載したコンパクトな製品で、ノートパソコンと一緒に持ち運べる製品となっています。 USBストレージ+αとしての利用ができるため、利用範囲は広い反面、「パソコンがないと使えない」という点には要注意です。

  • こちらはSSD DASタイプのBeeDrive。パソコンにさして使うものですが、携帯性の高さが魅力です

  • もちろん主力のNASも紹介。こちらはNASキットとしては下位モデルとなるDS223。23年モデルの2Bay製品という意味です

  • こちらはDS923+。プラスシリーズは性能がアップし、9bayまで対応(標準で4bayで、追加の5bayを足すことができます)。23年モデルはM.2 SSDをキャッシュとして追加できるようになっています

  • さらに性能アップのDS1823xs+。10GBネットワークにも対応しており、複数人での共用ストレージとして活用できます

  • NASにはHDDが不可欠。SynologyブランドのHDDも発売しているのですが、今回はWestern DigitalのNAS用HDD「WD RED」を展示

  • NASキットとしてはトップセールスを誇るDS223jだと思うのですが、説明のPOPがありませんでした。冒頭に掲載したように「モデルさんが持つ用」として用意してあったのかも