米Intelは2月14日(現地時間)、Linuxカーネル向けのグラフィックスドライバに対して、かなり先行したパッチを送信した。Linux関連のテック媒体であるphoronixが報じている。

  • 次期「Intel Lunar Lake」に統合される“Xe2”グラフィックスには、適応鮮明化フィルターが搭載される?

Intel Lunar Lakeは、今年後半にもローンチが行われるのではと目されている次期モバイル向けプロセッサ。CPUも刷新されるが、新しくXe2-LPGベースのグラフィックスを組み合わせている点が特徴で、今回その新機能がLinux向けのドライバで垣間見えた形。「adaptive sharpening(適応鮮明化、筆者訳)」なる機能が搭載されるようで、他社グラフィックス製品とはまた異なる品質向上アプローチがとられているようだ。

パッチのカバーノートには「ピクセルの特定領域にのみ作用する」と記載されており、描画されるフレーム全域に作用するわけではない点がポイント。LODが作用してざっくり描画される部分や、被写界深度の効果でぼけている背景のような部分を鮮明化せず、プレイヤーが注視している部分のみをくっきり描画する技術になるようだ。

この機能には「ディスプレイエンジンに基づく」という記載も見られ、Intel Arcシリーズでのみ利用可能な機能になるかもしれない。さらに“LNL以降”という記載もあり、現行のXe世代では利用できない可能性もある。

これらの新機能がうっすら見られたことで、音沙汰がなく進展が不明だとされていたXe2-LPGグラフィックスの開発が順調であることを歓迎する向きもある。