今回は、ヨドバシカメラ マルチメディア横浜にAPS-Cサイズ以下のミラーレスカメラの売れ筋を尋ねました。
売り場全体におけるここ最近の傾向について、スタッフの松本耀平氏は「コロナ禍が収まったことで盛り上がっているのは感じますね。特に、APS-C以下のモデルは本体がコンパクトなので手軽に持ち運ぶにはちょうどいいですし。一方で、物価高の影響もあって、カメラ自体の値段は上がっています。そこを相殺しても復調していると言っていいかなと思います」と解説してくれました。
直近の売れ筋トップ5を尋ねたところ、「人気上位のモデルは各社で拮抗していて、週単位で見ると特定のモデルがランキング上位でぐるぐる動いている印象です」とのことでした。今回は5モデルが同率1位ということで、順位を付けずに「売れ筋5製品」として紹介したいと思います。下記の「APS-C以下のミラーレスカメラ選びの3ポイント」を踏まえて、追いかけていきましょう。
<APS-C以下のミラーレスカメラ選びの3ポイント>
- 売り場で確かめる人が多いのは、フォーカスを合わせる速さ。思い通りに扱える感覚を持てる機種を選ぼう。
- 動く被写体を撮るなら、連写速度の比較も重要。機種によって差が大きい部分でもある。
- 重さや大きさの比較も重要だが、持ち出すアイテムだからこそ何より愛着が持てる見た目を意識したい。
※本文と写真で掲載している価格は、2023年11月29日15:50時点のもの。日々変動しているので、参考程度に見てください。
売れ筋その1:被写体追尾に優れた「VLOGCAM ZV-E10」
ソニーのAPS-Cモデルで売れ筋に挙げられたのは、タッチパネル対応のバリアングルモニターを備えるソニーEマウントモデル「VLOGCAM ZV-E10」でした。人物の瞳にピントを合わせる「リアルタイム瞳AF」や、被写体を自動追尾する「リアルタイムトラッキング」機能などを搭載しています。ダブルズームキットの取材時の価格は129,800円でした。
「ソニーはブランド全体として動体検出力が優れています。そのなかでも、ボディ重量が343gと軽く、女性でも扱いやすいこのモデルがよく売れていますね。ファミリー層が中心という印象で、もちろん男性にも選ばれています」
売れ筋その2:ファインダー付きで夜景にも強い「Z 50」
ニコンのAPS-Cモデルでは、2019年11月に登場したニコンZマウント対応の「Z 50」が今もなお堅調とのこと。タッチパネル対応モニターとファインダーを備え、ボディ重量は約450gとなります。ダブルズームキットの価格は148,270円でした。
「ダブルズームレンズキットのレンズのクオリティが高くて、特に夜景が綺麗に撮れます。暗い場所や星空などを撮りたい人にお勧めですね。明るい場所ではファインダーでしっかり確認しながら撮影できるという強みも好まれていますね」
売れ筋その3:プレゼントにもよく選ばれる「EOS R50」
キヤノンのAPS-Cモデルで選ばれたのは、キヤノンRFマウント対応の「EOS R50」です。最高15コマ/秒の連写速度を備え、ボディ重量はホワイトで376g、ブラックで375gとなります。取材時のダブルズームキットの価格は156,200円でした。
「APS-Cの人気上位モデルではボディサイズがもっとも小さいので、女性からの人気が高い製品ですね。大きな手でなくても扱いやすいところが特に評価されていて、高校に入ったお子さんへのプレゼントに選ばれることも多い印象です」
売れ筋その4:コンパクトを追求する人に選ばれる「PEN E-P7」
マイクロフォーサーズモデルでは、OMデジタルの「PEN E-P7」が定番人気となっているようです。ボディ重量は337gで、ダブルズームキットの価格は104,130円でした。
「レンズ交換式で、できるだけ小さいモデルを追求する人の定番モデルですね。アクセサリーもかわいいデザインが多く、こちらも女性人気が高いシリーズといえます。とにかく荷物にならないコンパクトさが武器です」
売れ筋その5:動画重視で選ばれる「LUMIX DC-G100」
マイクロフォーサーズでは、パナソニックの「LUMIX DC-G100」も拮抗した売れ方をしているとのこと。ソニーの「VLOGCAM ZV-E10」と同じく、ビデオブログ(Vlog)撮影に重きを置いたミラーレスで、標準レンズにトライポッドグリップを付けたキット「DC-G100V-K」がよく選ばれるそうです。取材時の価格は84,150円でした。
「マイクの集音性が優れたモデルで、カメラの後方にいる撮影者の声を集中して拾ったり、前方から音を拾ったりと柔軟に切り替えられます。レビュー動画や観光動画でナレーションを残したい人にお勧めですね」
はみ出し情報・・・売れ筋モデルを僅差で追う、おしゃれな「Z fc」
5機種の売れ筋モデルに準じる人気を得ている製品として、松本氏はニコンのAPS-Cモデル「Z fc」を挙げました。同社の「Z 50」に近い性能を備えており、外観を重視する人によく選ばれているといいます。価格は「Z fc 28mm f/2.8 Special Editionキット」で161,700円となります。
「通常のカラーバリエーションはシルバーとブラックのみですが、Z fcプレミアムエクステリアThe New Color 張替サービスという有料オプションを利用すると、チョークブルーやマスタードイエローなど5色の人工革から選んで張り替えてもらえます。好みのカラーリングにできるということで、10代や20代の方を中心に人気があります。また、往年のフィルムカメラを愛用していた世代の方もよく買われていきます」