前回に引き続き、カシオの新製品発表会から、2023年10月発売のG-SHOCK新製品を実機写真とともに紹介する。前編を未見の方々は、ぜひそちらも会わせてお読みいただきたい。
防泥構造を持つ「MUDMASTER」旗艦モデル
G-SHOCKの中でもプロフェッショナルユースに耐えるタフネスを誇るMASTER OF Gシリーズ。その中で、防泥構造を持つ「MUDMASTER」(マッドマスター)に新作が登場する。
金属の外装により、高い耐久性と装着性を実現。瓦礫や土砂が山積、散乱するようなハードな環境に対応する。カラーは3色をラインナップ。バンドがバーガンディの「GWG-B1000-1A4JF」、ブラックの「GWG-B1000-1AJF」、ダークグリーンの「GWG-B1000-3AJF」だ。価格は各121,000円。
ケースには、軽量ながら高い堅牢性を誇るカーボンコアガード構造を採用。本作は、カーボン繊維強化樹脂と高精度の鍛造技術によるメタルベゼルを併せ持つ、MUDMASTERの旗艦モデルだ。
ケースサイズは縦58.7×横52.1×厚さ16.2mm、重さは114g。風防は内面反射防止コーティングのサファイアガラス。ケースとベゼルの一部、およびバンドにバイオマスプラスチックを採用しているバイオマスプラスチックを用いたバンドのディテール|
マルチバンド6対応の電波時計(日本2局・中国・北米・イギリス・ドイツの標準電波)をはじめ、タフソーラー、Bluetoothによるモバイルリンク機能、針位置自動補正機能、ダブルLEDライトなどを装備。方位、気圧/高度、温度を計測できるトリプルセンサーも搭載する。
さらに、アプリで任意の地点を設定することで、3時位置の小針が常にその方向を指し示す「ロケーションインジケーター機能」を装備。豪雨や砂嵐などで視界が阻まれても安心……と、そんな機会は滅多にないと思うが、登山やハイキングで目的地点を設定しておけば道に迷わずに済む。あるいは、広大な駐車場で自分の車を置いた場所をポイントしておけば帰りに見つけやすいなど、日常生活でも便利に使えそうだ。
モチーフは忍者!? デザインのテーマは忍術!?
「忍者」や「忍術」をイメージしてデザインされたモデルが登場する。
G-SHOCKのアイデンティティである「NEVER GIVEUP」の精神と、将軍や大名に仕えてさまざまな隠密活動をタフに行っていたとされる忍者のイメージがリンク。デザインのモチーフに採用したという。
ラインナップは3モデル。赤い手裏剣を、ダイヤル(DW-6900NNJ)、ダイヤルとバックライト(DW-5600NNJ)、インダイヤルの小針(GA-2100NNJ)、裏ぶたなどにデザインしている。型番の「NNJ」もそれっぽい。また、それぞれ異なる「忍術」をデザインテーマとして設定した。
「DW-6900NNJ-1JR」(20,900円)のテーマは、人並み外れて速く走る「忍者走り」だ。疾風のように駆け抜けるグラフィックをケースにマルチアングルプリントで表現している。
「DW-5600NNJ-2JR」(18,150円)は「水とんの術」。ネイビースケルトンのベゼルは水中をイメージしたもの。しかもこの暗さは、おそらく夜の潜入を表現しているに違いない(個人の感想です)。
「GA-2100NNJ-8AJR」(22,550円)は、ご想像の通り「火とんの術」。グレースケルトンのケースと有機的なダイヤルは煙をイメージ。ちなみに「火とんの術」というと火炎放射的なイメージを思い浮かべるかもしれないが(私もその一人だ)、カシオ広報によれば、実際はそうではないとのこと。
藁(わら)や薪(まき)に火を点け、煙を焚いて身を隠したり、逃走に役立てたりするものらしいのだ。火薬を使った火矢や火車剣(導火線と火薬を仕込んだ手裏剣)などをも使うそうだが、いずれにしてもその目的は陽動や撹乱。少なくとも、アニメや漫画のように口から火を吹いて、あたり一面を火の海に……といった攻撃のための術ではないようだ。
すべてのモデルにスペシャルボックスが付属。日本で誕生した忍者にちなみ、本作は生産もメイド・イン・ジャパンだ。
波打つ曲線が美しい「Belle Courbe」シリーズ
フランス語で「美しい曲線」の意味を持つ「Belle Courbe」シリーズが登場。
ラインナップは、オクタゴンベゼルの「GM-S2100BC-1AJF」(31,900円)と、スクエアベゼルの「GM-S5600BC-1JF」(29,700円)の2モデル。ともに小ぶりなミッドサイズモデルで、ライトイエローゴールドのメタルベゼルにシンプルなブラックのバンドを組み合わせている。
メタルベゼルは立体的な波の形を鍛造で再現。アクセサリーのような上質で洗練された質感だ。「Belle Courbe」とは、この波打つ曲線のことを指すのだろう。
ベゼルに鍛造で波型を造形していることから、ベゼルに「G-SHOCK」や「PROTECTION」、「MODE」「LIGHT」といった文字の掘り込みが一切ないのも特徴的。ミニマルな印象をいっそう際立たせている。
「GA-B210」をより楽しくカジュアルに!「Multi color accents」シリーズ
フェスやイベントの華やかな雰囲気を差し色に使用した「Multi color accents」(マルチカラー アクセンツ)シリーズが登場。
ベースモデルは、タフソーラー駆動とBluetoothをカーボンコアガード構造で従来のサイズ感に収めた「GA-B2100」だ。
さまざまなファッションに合わせやすいブラック(GA-B2100FC-1AJF)、グリーン(GA-B2100FC-3AJF)、ホワイト(GA-B2100FC-7AJF)の、落ち着いた3色をラインナップ。ベゼルの文字埋め、インデックス、9時側の小針などに赤・青・黄・緑といった原色を使い、カラフルで個性的なモデルに仕上げている。
機能や性能はベースモデルと同じ。価格は各24,200円。
G-SHOCKであってG-SHOCKではない?「G-SHOCK PRODUCTS」
時計の新製品ではないが、最後に「G-SHOCK PRODUCTS」についても紹介しておこう。「G-SHOCK PRODUCTS」は、時計以外の商品やライフスタイルグッズを通じてG-SHOCKブランドのアイデンティティを伝えるプロジェクト。商品開発には、アパレルブランドであるBEAMSもパートナーとして携わり、歴史も5年を迎えようとしている。
デザイン性や機能性、品質の高さなど、G-SHOCKの世界観を取り込みつつ、時計とは違った表現を追求している。ブランドロゴに時計とは違う独自のデザインを使用しているのも、そのスピリッツの表れだ。商品はおもにカシオのG-SHOCK公式サイトで購入できる。