米AMDは8月25日(現地時間)、同社公式ブログを更新する形で、次期グラフィックス技術「AMD FidelityFX Super Resolution 3(以下、FSR 3)」について情報を明らかにした。FSR 3はもはや超解像技術だけにとどまらず、新規描画フレームを生成してパフォーマンスを引き上げるほか、描画処理の遅延低減にも役立てられる。
FSRは2021年に登場した技術で、現行バージョンとしてFSR 2が提供中。ディスプレイのネイティブ出力よりも小さい解像度でレンダリングし、そのあと引き延ばして画面表示することによってパフォーマンス向上を目指すアプローチがとられている。AMD FSRの特色としては、この超解像機能(アップスケーリング)に加えてアンチエイリアスでも利用できるほか、オープンソースソフトウェアとして公開されており導入が容易。AMD RadeonシリーズだけでなくNVIDIA GeForceシリーズでも利用できる高い互換性を備えている点がポイントだ。
今回、この最新バージョン「FSR 3」では「AMD Fluid Motion Frames」機能を搭載してNVIDIA DLSS 3のようなフレーム生成に対応する点が最大の特徴。これによって大幅な性能向上を実現するとしており、『Forspoken』では最大3.3倍もパフォーマンスが高まるという。
注目すべきは、「AMD FSR 3 is an open technology that does not require machine learning hardware.(AMD FSR 3は機械学習専用コアが必要ないオープンな技術だ)」と述べられている点だろう。AMD FSR 3はAMD Radeon RX 7000シリーズ専用機能ではなく、なんと従来通り競合のNVIDIA GeForceシリーズにも対応。フレーム生成機能すら、NVIDIA GeForce RTXシリーズでも利用できるという(Intel Arc GPUに関しては記述がない)。
なお、FSR 3の極めて高い互換性には注意書きもある。というのもFSR 3は確かに多くのGPUで利用可能だが、十分なGPU性能がある場合にこそパフォーマンスを最大化できるとのこと。あまりにグラフィックス性能が低い場合にはFSR 3に回せる余力がなく、性能向上は微々たるもの・あるいは全くない場合があるという。目安として、ゲームそのものを60fps前後で動かせるくらいにゲーム設定を調節するよう提案している。