オーツェイドは7月29日、同社の有線イヤホンフラッグシップモデル「intime翔」の300台達成を記念した「intime翔 Special Version」を、88台限定で発売する。価格は149,600円。

  • 「intime翔 Special Version」フルチタンボディを採用

同商品は、2020年12月に発売した「intime翔」の販売台数が300台に達したことを記念し、同社の最新技術を盛り込んだ特別なイヤホン。日本の職人の匠の技を活かし、フラッグシップの限定モデルに相応しい内容に仕上げている。88台限定で、1台1台にシリアルナンバーを刻印した。

  • シリアルナンバー

環境問題と音質の両面から開発に取り組み、2022年のクラウドファンドで好評だった非鉛系圧電セラミックツイータKNN(ニオブ酸カリウムナトリウム)を用いたVST-Kを、一般店舗で扱う製品としては初めて搭載した。

VST-Kは従来の同社VSTと比較してダイナミックレンジは劣るが、セラミック部の構造を変更してその排除体積を増大させて感度を補正した。これにより倍音成分も増大し情報量の豊富なツイータとして実用化に辿り着くことができた。KNNセラミックの持つ倍音豊かで歪み感の無い高音は、粒立ちが良くみずみずしい音作りに大きく貢献しているという。

  • VSTとVST-Kの違い

既存の「翔」は筐体をフルチタンで構成していたが、内部部品の一部には樹脂を用いていた。今回はすべて切削加工による金属部材で構成。特に頑強であることが必要とされているユニット固定部材にアルミニウムを用いてユニットの強固な固定を図った。これにより、音の伝達効率を向上させ、スピード感があり解像度の高い音質に仕上げることが可能となったとしている。

  • 金属筐体の応力

音のバラツキにもつながるチタン筐体の表面の加工変質層(加工歪)は、群馬県の職人がサンドブラスト加工を施し加工変質層を取り除いた。さらにサンドブラストした筐体表面を、燕三条の職人が陽極酸化加工を施しなめらかにしている。同時にintimeブルーを着色し、金属筐体に対しても徹底的なこだわりを盛り込んだ限定モデルとなった。

付属ケーブルには、日本ディックスと共同開発したオリジナル銀コートバランスケーブルを採用した。数種類の導体から、より伝送損失が少なく、抵抗値の低い導体を厳選し、銀コート6NOFCを採用。外界からのノイズに強い素線構造、耐久性の高い編み構造を取り入れることで、全帯域に渡ってノイズ感が低く、解像度が高いながらもよりクリアで繊細な音質を実現した。

イヤホン筐体内部の配線用ケーブルには日本製の4N純銀線と錫メッキ線のハイブリッド構成(HOT側とCOLD側で異質材を構成)を採用した。intime翔の開発を通して得られた内部配線の音質に与える影響を参考に、VST-Kの搭載に合わせ新たな導体を厳選。さらにハイブリット構成を採用することで、重厚でありつつも全帯域にわたり粒立ちのよい高解像度再生を強化した。

同商品では、翔と同様に音響補正デバイスとしてTBI Audio System LLCの特許技術であるHDSS技術を採用している。HDSSの持つ音場補正要素とVST-Kの高域特性の最適化を図り、VST-Kの持つ特性を最大限に活かせるチューニングを行った。

イヤピースは、標準としているiSep01と、音場が大きく広がるiReep01、さらにオリジナルの低反発型イヤピース(Mサイズのみ)の3種類を同梱した。楽曲やリスナーの嗜好に合わせてイヤピースを選択できる。

  • 「intime翔 Special Version」付属品