ロジクールより、MXシリーズの最新モデル「MX ANYWHERE 3S」と「MX KEYS S」が発売されました。どちらも人気モデルの後継機種ということもあり、新たにマウスやキーボードをお探しの人だけでなく、既存のモデルをお使いの人も注目しているのではないでしょうか。

今回はそんな新製品のうち、マウス製品「MX ANYWHERE 3S」の実機を使って、どのような製品に仕上がっているのかをご紹介していきます。

  • MX ANYWHERE 3S。ロジクールのフラッグシップ「MX」シリーズ最上位にあたる高性能マウスです。直販価格は13,970円

約2年半ぶりに登場した「MX」の小型高性能マウス

まずはマウスとしての特徴を簡単におさらいしていきましょう。

MX ANYWHERE 3SはロジクールのMXシリーズ最上位にあたるコンパクトマウス。サイズ感やデザインはベースとなる「MX ANYWHERE 3」とほぼ同一であり、左右対称で小柄なシンプルさと、それをチープに見せない上質さが感じられます。

カラーバリエーションはグラファイトとペイルグレーの2色。いずれもベース部分のシルバーがアクセントとなっており、マットな質感も相まって高級感がありますね。

筆者の手長は約18cmと男性平均的な大きさですが、いわゆるかぶせ持ちだと手のひらの下側辺りが余ってしまう印象。つまみ持ちやつかみ持ちで軽く操作するのが合っていると感じました。

  • MX ANYWHERE 3S(グラファイト)を間近でどうぞ。前モデル「MX ANYWHERE 3」は2020年10月発売、ちなみに大きいサイズの兄弟機「MX MASTER 3S」も2022年6月に登場しています

  • マットな質感で価格相応の高級感があります

  • かぶせ持ちしたところ。手のひらの下側がやや余り気味でした

サイド部はラインの入ったシリコン素材になっており、指先でグリップしやすいのもポイントです。マウスソールの滑りもなかなかスムーズでストレスがありません。

本体のみの重さは94g(実測値)と軽量で、動かしていて腕が疲れにくいのはもちろん、持ち歩くのにもうってつけ。高性能センサー(Darkfieldセンサー)のおかげでどんな場所でも快適にトラッキングできるため、自宅&外出時の兼用にもオススメです。

  • 左右の側面は、滑りにくいラインの入ったシリコン素材

  • 充電用にUSB Type-Cポートが前面に付いています

おなじみMagSpeed電磁気スクロールホイールも健在

金属製のMagSpeed電磁気スクロールホイールは、ゆっくり回すと段階的な感触があるラチェットモード、素早く回すと高速でスクロール可能なフリースピンモードに自動で切り替わる「Smartshift」機能を搭載。

これは専用ユーティリティソフトで機能のオンオフを設定できるほか、本体のモードシフトボタンを押すことで常にフリースピンモードに切り替えることもできます。

  • MagSpeed電磁気スクロールホイールは、刻まれた凹凸が高品位な感じを醸し出している上、適度な重みがあり回しやすいのも特徴。ホイールの上にあるボタンがモードシフトボタンです

また、サイドボタンを押しながらホイールを回すことで左右のスクロールも可能。スプレッドシートや動画編集など、幅広く活躍してくれそうです。

本体裏側には「Easy-Switch」用のボタンが用意されており、最大3台のデバイスとの接続をすぐに切り替えることが可能。デスクトップPC・ノートPC・タブレットなど、複数の環境に合わせて柔軟に活用できる仕様となっています。

  • Easy-Switchボタン。押すことで、1~3までのペアリングしたデバイスを適宜切り替えられます

静音スイッチは違和感控えめ、程よいクリック音

続いて、「3S」の新たな特徴をチェックしていきしょう。最もわかりやすい違いとしては、左右ボタンに静音スイッチを採用したことによるクリックの静音化が挙げられます。

一般的なクリック音の高域をマスキングしたような音で、バネの響きも聞こえません。静音でありつつもちゃんとカチカチとした感触があり、いわゆる静音モデルにありがちなクリックの違和感が抑えられているように感じました。

人によっては「もっと静かな方がいい!」という方もいらっしゃるかもしれませんが、個人的には程よい落とし所だと思います。少なくとも、静かな場所で使っても気にならないレベルであることは間違いありません。

トラッキングセンサーの解像度も8,000DPIに向上しており、細かな動きをより精密に認識できるようになっています。また、先述の通りガラス面の上など「あらゆる表面上で作業できる」というトラッキング性能をうたっているだけあって、場所を選ばずに使用することができるのも特徴です。

  • MX ANYWHERE 3Sの「S」の名の通り、左右クリックボタンが静音に

  • 押した感覚がわかるカチカチとしたクリック感はあり、全くの静音ではありませんが、気にならないレベルです

  • センサー技術は、ガラス面でも操作できるおなじみDarkfieldセンサーを搭載

新しいマクロ機能で「原稿集中モード」を作ってみた!

そしてもちろん、同社のPC向けユーティリティ「Logi Options+」にも対応。新たに追加された「Smart Actions」機能により、非常に自由度の高いマクロ機能を設定することが可能となりました。

試しに「原稿集中モード」というSmart Actionsを作成してみます。なお、今回は検証にMac版を使用しました。

今回作った「原稿集中モード」は、マウスのモードシフトボタンをトリガーに設定し、「Option+Command+M(アクティブなウィンドウを最小化)」、「Option+Command+H(非アクティブなウィンドウを隠す)」を入力後、「テキストエディット」を表示させるというもの。

これにより、どんな状況でも1ボタンで画面上をテキスト編集画面のみにすることができるため、集中して原稿作成に取り組むことができます。

  • Logi Options+に新しく加わった「Smart Actions」

  • 画面上にテキストエディット以外の余計なモノを入れない「原稿集中モード」を作ってみました。「アクティブなウィンドウを最小化」→「非アクティブなウィンドウを隠す」→「テキストエディットを表示」という一連の作業を、1ボタンで行なえます

  • 作成したマクロ機能はSmart Actions画面で管理・編集できます

  • 原稿集中モードはモードシフトボタンをトリガーにしました

このように、従来だと単一のキーボードショートカットしか設定できなかったところが、さまざまな操作を想定して、ワンボタンで実現できるようになったというわけです。

Smart Actionsには豊富なプリセットも用意されているので、その中から好きなものを保存し、一部だけ作り替えて使うこともできます。プリセットも参考にしつつ、自分だけの便利なアクションを探してみるのも面白いのではないでしょうか。

なお、Logi Options+ではSmart Actions機能だけでなく、本体機能のカスタマイズも充実しています。ポインタ速度やスクロールホイールの動作など、細かい部分まで自分好みに設定できるのが嬉しいですね。

一見シンプルなマウスながら、こうした使い勝手のカスタマイズ性に優れているというのも、フラッグシップモデルならではの大きな特徴のひとつだと思います。

  • センサー解像度が8,000dpiに向上し、ポインタ速度のカスタマイズ幅も拡大

  • 以前から用意されていた特定のアプリを起動する機能も便利です

  • スクロールホイールも、好みに合わせて細かなカスタマイズが可能

以上、MX ANYWHERE 3Sのご紹介でした。持ち運んで使いやすいポータビリティと幅広い機能性が魅力的な、まさに「コンパクトマウス」の利便性が詰まったモデルです。

出先で作業されることが多い人はもちろん、自宅で使うマウスも小さなサイズが良いという人もぜひチェックしてみてくださいね。

  • ちなみに接続は独自規格のLogi Boltと、Bluetoothの2通りが選べます。USBドングルは標準では同梱されていない(別売)ので、その点だけご注意を