Intelは5月18日、オンラインの形で同社のPackaging技術に関する説明会を開催した。先端Packagingに関しては昨年8月のHotChipsでも説明が行われているので、ここからのUpdateについてご紹介したいと思う。
大きなロードマップそのものとしては従来から特に変更は無いが、前回からの大きなUpdateとしてはEMIB+Foverosという組み合わせのPonte Vecchioが正式にIntel GPU Maxとして量産開始されたことだろうか。つまりここまではMass Production Provenとなった訳だ。
これに続く話であるが、まずFoverosはBump Pitchを現在の36μmから25μmに縮小、またFoveros Directは第1世代はBump Pitchが36μmと予告されているが、これに続く世代はBump Pitchが9μmになる。またガラスベースのSubstrateとかCo-Package Opticsなども言及されている(Photo02)。
もう少し詳細なロードマップがこちら。今回明らかになったのは
- 次世代Foveros DirectのBump Pitchは正式に9μmと表記された。量産への適応時期は2024年。
- Foverosも2024年には第3世代がBump Pitch 25μmに。
- EMIBは2024年に92mm×92mmまでに対応。
- 2026年にはEMIBにTSVが利用可能。このTSVは、別に複数ダイをTSVを使って積層するという意味ではなく、EMIB層をTSVで貫通させる形で、電源/GNDを直接パッケージに接続できるようになる目的との事。
- FCBGAパッケージも2024年には92mm×92mm、2026年には100mm×100mm超まで大型化される。
といったあたりだ。またCo-Packaged Opticsに関しては、2023年後半にサンプル出荷を開始する、という説明があった(Photo03)。こちらに関して言えば、Primaryは800G Ethernetを睨んだもので、既にLaneあたり224G(112G PAM-4)のSilicon Opticsのデモは行われており、Ethernet PHYあるいはスイッチに向けたソリューションという事になるかと思われる。
今回の説明では、特にIFS(Intel Foundry Services)に関する話が目立った。PackagingはIFSの差別化の大きな要因の一つであるとしたうえで(Photo05)、IFSの一部として提供するOSATサービスも大きなビジネスに繋がるとした(Photo06)。
今回は特に新しい発表は無いという話であり、実際にUpdateが幾つかあった程度であるわけだが、何故この時期にあえて説明会を設けたのか? という事を考えると、IFSの売り上げが伸び悩んでいる事は一つ挙げても良いかもしれない。IFSはPhoto05にもある様に、本命はIntel 3とIntel 18Aだが、これに先駆けてIntel 16(22nm FFLの再設計版)のサービスを既に提供開始しているが、あまり売り上げは芳しくない。あと、Mature/SpecialtyとあるのはTower Semiconductorのアナログ半導体の分野だが、こちらも売り上げが落ちている(特に中国への提供に色々支障が出ている事も関係している)。
前工程のIntel 3/18Aの提供が可能になるのはもう少し先の話であり、それまでの間は後工程のそれこそOSATサービスでの売り上げをもっと高めたい、という辺りが今回の説明会の背景にあるかと思われる。IFSのビジネスが本格的に軌道に乗るのは、まだ先になるのかもしれない。