床がフローリングの住宅に住んでいる人は多いでしょう。このためか、最近はコードレスクリーナーに「拭き掃除」機能を搭載した製品が登場しています。
ハイアールジャパンセールスが5月11日に発売するコードレスクリーナー「MIZUKI(JC-M1A)」も、吸引掃除と水拭き掃除、さらには乾拭きまでできるというハイブリッドな掃除機です。まだ数こそ少ないハイブリッド式クリーナーですが、実際どれくらい便利なのでしょう。製品発表会で体験してきました。
吸引と水拭きを同時に行い、汚れた水は自動回収
MIZUKIは幅261×奥行き266×高さ1,116mmと、標準的なコードレススティッククリーナーのサイズ。「水拭きもする」という性質上、本体に水タンクと汚水回収用のタンクを2つ配置しています。
ヘッドもガッチリとした形なので、実際に製品を見ると「大きい」印象を受けます。本体の重さも4kgあり、コードレスクリーナーとしては重量級。ただし「床に圧力をかけて汚れを拭き取る」という拭き掃除にとって、本体の重さはメリットでもあります。
本体上部には容量0.6Lの給水タンクを配置。うれしいのは、60℃までの温水や洗剤も利用できるところ。一般的な電動水拭きクリーナーは、お湯や洗剤が使えないことが多いので、これはかなり魅力的な仕様です。お湯や洗剤が使えることで、落ちにくい油汚れにも対応しやすくなります。
給水した水はヘッド内部のブラシに供給されるので、水拭き時は常に濡れたブラシで床掃除が可能。ヘッド内部の吸引口上部には金属製ブレードがあり、ブラシ回転にあわせて汚れた水とゴミをかきとり、集じんタンクに吸引するという構造です。
ブレードはブラシの余計な水分もかきとるよう設計されていて、ブラシの水分量は常に「絞った雑巾」くらいをキープ。このため、カーペットや畳といった床材でも水拭き掃除ができるそうです。もちろん水を供給しない「ドライ」モードもあり、乾いたブラシで掃除すれば普通のコードレスクリーナーとして使えます。
水拭きの実力は……?
MIZUKIの仕組みが分かったところで、実際に水拭き掃除をしてみましょう。発表会の会場に用意されていたフローリング床材に、トマトケチャップ、土、黒い保湿用オイルクリームを塗り付けてMIZUKIで水拭き。
べっとりと付着した黒いクリームは見るからに掃除が大変そうですが、ヘッド一往復でしっかりと汚れが落ちていました。ブラシの回転スピードが速いからか、雑巾で掃除をするより短い時間でしっかり汚れが落ちる印象です。今回は常温の水で掃除をしたのですが、温水や洗剤入りの水ならさらに汚れ落ちがパワーアップするはず。
掃除直後の床を触ってみると、少しだけしっとりとした感触はありますが、ティッシュが貼りつかないくらいの水分量です。体験時は5分ほどでサラサラとした感触に乾きました。MIZUKIは標準で2本のブラシが付属するので、床の湿り気になるときは、水拭き後に乾いたブラシに交換して乾拭きするとよさそうです。
加えて、セルフクリーニング機能も特徴的。MIZUKIを充電台にセットしてハンドル上部のセルフクリーニングボタンを押すと、汚れたブラシを自動的に掃除してくれます。遠心力と風の力によって、完全には乾きませんが乾燥まで行います。
拭き掃除ができる本格的なコードレス掃除機といえば、今年(2023年)発売されたエレクトロラックスの「UltimateHome 700」が記憶に新しいところ。こちらはノズルの交換により「吸引」と「拭き」が両方できるというものでした。
今回のMIZUKIは吸引と拭き掃除を「一度に」できる点が画期的。しかも、汚れた水まで自動回収してくれる点も魅力です。多機能なだけに本体の大きさや重さ、汚れた水の処理など気になる点もありますが、「床が足の皮脂でベタベタする?」といった床掃除のストレスを感じている家庭なら、購入の検討リストに入れてみるといいかもしれません。