NTTモバイル社会研究所は4月20日、2022年11月に実施した親と子に関する調査から、タブレット・パソコンを利用した授業の感想についてのデータを公表した。
授業回数が多いほどそのメリットを実感できる
学校におけるタブレット・パソコンを利用した授業の感想をまとめたのが次のグラフ。タブレット・パソコンを利用した授業の回数が月数回以下で頻度が低いグループと、週数回以上で頻度が高いグループに分けてグラフ化している。項目の並び順は、頻度が低いグループと頻度が高いグループの差が大きい順となっている。
全体として、「良い点」がグラフの上のほうに集まっており(=頻度による差が大きい)、頻度が高いグループのほうが高い比率となっている。一方で、「悪い点」はグラフの下のほうに固まっている(=頻度による差が小さい)。つまり、タブレット・パソコンを利用した授業のメリットは回数が増えるほど強く実感されていくのに対し、デメリットについては回数の多寡であまり感想が違わないということのようだ。
先生について「授業をじょうずにすすめてくれている」の比率は授業回数の多いほうが高く、「先生が大変そうだ」は授業回数の少ないほうが高いあたり、先生も授業回数をこなすことでだんだんなれてスムーズになっていくという状況がうかがえる。
ネットリテラシーの習得をメリットに挙げる児童・生徒が多い
感想のうち、「良い点」に分類される内容について、学年別にその比率をまとめたのが次のグラフ。どの学年層も、もっとも高い割合だったのは「ネットでやってはいけないこと、気を付けなければいけないことが理解できた」だった。
小学校低学年はまだタブレット・パソコンの操作に不慣れ
次のグラフは「悪い点」を学年別にまとめたものだ。「タブレットやパソコンが重く、通学時が大変になった」は学年とともに減っていき、「目が疲れたり、肩がこった」が学年とともに増えていくのはおもしろい。
小学校低学年では「操作方法が難しかった」がやや多く、まだこの年代だとタブレット・パソコンの操作に不慣れなことがわかる。一方で小学校低学年では「ネットがつながらなかったり、動画がとまったりした」を挙げる人が少ないのは、こういったトラブルを自分が正しく操作できなかった結果ととらえているということもあるかもしれない。
小学校低学年では先生のサポートが重要
最後は、タブレット・パソコンを利用した授業について、先生への感想をまとめたグラフ。
学年による差はそれほど大きくないが、小学校低学年で「わからないことがあった時、先生はくわしく教えてくれた」の比率がやや高いのは、先の「悪い点」と同様、低学年のほうがパソコン・タブレットに不慣れなことの反映ではないかと思われる。
調査概要
- 調査名:2022年親と子の調査
- 調査方法:訪問留置調査
- 調査対象:関東1都6県・小学生及び中学生とその親
- 有効回答数:600件
- サンプリング:QUOTA SAMPLING、性別・年齢(5歳刻み)・都道府県の人口分布に比例して割付
- 調査時期:2022年11月