スリックブランドの三脚を提供するケンコー・トキナー。CP+2023のブースでは、同社の三脚ラインナップが勢揃いしていました。ブースのテーマは「アウトドア」だと、広報・宣伝課の田原栄一氏は紹介します。
新たに展示されていたのは、その名も「CAMPER」という三脚と一脚。その名の通り、アウトドアで使うことを想定した製品になっています。
1つは、通常の三脚で「レプトス A294 CAMPER」。全高は1,300mm。ワンプッシュレバーを採用した4段の三脚で、最低地上高は170mm、重量は1,060g、最大搭載質量は1.5kg、自由雲台はアルカスイス互換クイックシューとなっています。
ベースとなるのは名前の通り「SLIK レプトス A294 BH」で、もともとシルバーでしたが、アウトドア向けということでライトグリーンのカラーリングとなっています。
石突ゴムを外すと、スパイク石突が現れる構造で、標準装備なのが嬉しいところ。さらに面白いのが、アウトドアテーブルが標準で同梱される点です。それほど大きなサイズではないのですが、裏面がアルカスイス互換の構造なので、三脚に乗せて安定した状態になります。
三脚なので高さは自由に変えられて、自分に最適な高さで固定できる便利さもあります。カップに小さい皿ぐらいなら置けるので、キャンプの合間に撮影する(あるいはその逆でも)という場合にテーブルとして利用できるわけです。ソロキャンプなら、持ち出すテーブルをひとつ減らせるかもしれません。
発売は3月、価格は25,000円となっています。ちなみにCP+2023では、付属のテーブルを単体で売って欲しいという声が多かったそうで、今後検討するそうですが、単体発売する可能性が高いようです。
もう一つは、自立脚付きの一脚「スタンドポッドGX CAMPER」。スタンドポッドGXシリーズがベースで、全高1,885mm、最低地上高640mm、質量1,005g、最大積載量1kgといったスペック。スマートフォン対応雲台となっています。こちらもカラーはグリーンとなっています。
中央のポールを外して自立脚に雲台を取り付ければミニ三脚としても使えます。アウトドア仕様なのは、この状態でプロジェクターを設置して、キャンプのテント内で映像を映して楽しむ、という用途の提案です。
工夫したのはケースで、広げると1枚布に早変わり。内側がホワイトなので、その状態でテント内に吊せばスクリーンとしても活用できます。昼間撮影した写真や動画を、夜には鑑賞する、といった使い方もできるでしょう。スタンドポッドなので高さもいろいろ変えられるので、プロジェクターの配置も簡単そうです。
発売は3月。価格は15,000円です。
田原氏は「三脚は撮影だけではない、というイメージ」を訴求していきたいといいます。同社のスマートフォン対応雲台のように、カメラだけではないニーズに応えていますが、さらに撮影以外にも三脚を利用できるようにした、というのが今回の製品です。
撮影以外という意味では、「1980年代以来」(田原氏)と久しぶりに日本野鳥の会と連携した三脚を2本用意しています。カメラも搭載できますが、野鳥観察用のスコープを取り付けることを想定しており、フリーターン雲台を搭載しているため、さまざまな方向に自由自在に向きを変えて野鳥を追うことができます。
「PloverTarsus(プルーバーターサス)」と「AvocetTarsus(アボセットターサス)」という2モデルを用意。プルーバーターサスは全高が1,630mm、地上最低高が270mm、重量が1,785g、最大搭載質量が3kg。価格は28,600円です。
アボセットターサスは、全高が1,720mm、地上最低高が260mm、重量が1,715g、最大搭載質量が4kg。価格は48,400円。
スリックは、脚が太いアルミ三脚を埼玉県日高市の本社工場で製造しています。「重くて持ち歩けないという人もいますが、重いために安定性があるのでニーズは根強くあります」と田原氏は説明。3kgを超える「グランドマスタースポーツ3」のように、1983年から使われているベストセラーアルミ三脚のように、説明して良さが分かってもらえると売れる製品もあるそうです。
新聞社などでもよく使われ、「東京ドームでの(撮影に使われる三脚として)シェア9割」(田原氏)だそうです。ちなみに、可搬式の速度取締装置(オービス)の設置にも使われていたりもするそうで、一定の重さが安定に繋がるという点が評価されているのでしょう。
コロナ禍になって売れたのがテーブル三脚で、やはりリモートワークのビデオ会議で使われたそうです。さらに、一般ユーザー向けの三脚については、雲台が変形してスマートフォンアダプターになるという方式で「すべてスマートフォン対応にしました」と田原氏はアピールしていました。